無事に終了。無事に解放。
そして…
あれから6食目。つまり2日後に
再び皇妃の部屋に呼ばれた
「イツミ様…皇妃様はよくなっていますかね?」
「ちゃんと食べていれば、まぁー大丈夫じゃねーかな」
「イツミ様は、何でもご存知ですね!」
「まぁーな。ボルジューの身体の隅から隅まで知ってるからなー」
「えっっ!」
ボルジューの耳がピンっと立ち
顔を真っ赤にしていた
トントン
「お入り下さい」
女性の品のある声だ
成功したな…
部屋に入ると椅子に座っている女性とメイド
座っている女性は白いドレスを着ている
「お初にお目にかかります。イツミと申します。こちらはボルジューです」
俺は跪いた
ゼウス様の御前と同じ対応なら大丈夫でしょ
「よろしいのですよ。こちらにおかけください」
顔色は幾分いい
指先の動きは悪いが震えは減っている
足の浮腫みも減ったか…
「これまで幾人も治療師に見てもらいましたが、一向に良くなりませんでした…いったい…あの食事は…?食べてから身体が軽くなり、食欲も戻ってきています…」
余り正直に言ってもな。。。
「以前、母が同様な症状に悩んでいた際に、隣のババ様に教えていただいた食事です」
適当に話を作り上げた
「そうですか…ではあなたの母とババ様に感謝しなくてはいけませんね…」
弱々しいながら笑う表情に気品があった
「しばらく今のメニューを続けてください。豚肉、大豆を使用していれば、味付けなど変更してもらって構いません。ただし、お酒は飲まないようにしてください」
「わかりました…あなたの指示に従ってみます」
「私たちは街に戻ります。何かあったら、連絡をいただければと思います」
「ありがとうございました」
パンパン
皇妃が手を叩くと案内役の男が入室した
「イツミ殿とボルジュー殿を街にお送りしなさい」
皇妃からの指示で俺たちは再び馬車で街に送り届けられた
1時間馬車に揺らた
しばらくぶりの我が家
「ふー。やっと帰ってこれたな。堅苦しのは性に合わないな」
「私はイツミ様といられれば我慢しますよ」
相変わらず可愛い事を言ってくれる
耳をナデナデ…
ボルジューはブルっと震えながら
クゥーーンと甘えた声を出した
とりあえず仕事は終わった。しばらく様子を見るか……
案内役が去る前に皇妃様からと
巾着を置いていった
中は確認していない
が、当面の生活は問題ないくらいの金だろう
ズッシリしてたし……
心配ごとがなくなり、ボルジューとの甘い生活を考えながら、夜は更けていった




