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別視点 ボルジューと家族

話は少し戻る……


ボルジューはイツミと別れて第三区画に向かった

兄妹に会うために…



「兄さん…」



城門には仕事を終えようとする兄の姿



「ボル……ちょっと待ってろ。今、交代になるから」



仕事を終えた兄を待つ


小さな通用口が開く



「ボル…家に行くのか?なら第三区画だ。こっちに通れ…」



兄に言われるまま通用口を通る




…私の家族…


兄。ボイラ

今年22歳 私より3つ上

私がギルド会員になる前から警備兵として軍に参加。

今年の初めに城門兵の隊長に昇格したと手紙にあった。

母が亡くなってからは家族を支えてくれている。


妹。ボアリア

私の4つ下 今年で15歳

兄妹で誰よりも大人しいボアリア

料理や掃除をやってくれている

兄を支えて、家計もやりくりしている

ただ、母に似て少し身体が弱い


弟。ボギー

私の5つ下 今年で14歳

やんちゃ盛りだ

兄も手を焼いていた

最近は、少し不良な仲間と遊び回っている

母も最後までボギーを心配していた




「ボル…どうした?」



「妹達は元気ですか」



「まぁあな。家に行ってみるか」



「今もあそこに住んでるの…?」



「あぁ母さんが残してくれた家だからな…」




兄さんは寡黙に前を歩く

しばらく会っていない間に哀愁のある背中




二人は並んで第三区画の路地を入る

小さな土地に器用に複数の家が建っている

外観は歪な形

だが、それが普通に乱立している



かえってきた……



「おかえり兄ぃ」



「ただいま…ボル入れ」



「ボル姉…ボル姉だぁボル姉が帰ってきたぁ!」



「ただいま。ボアリア…元気にしていた…?」



今、家族の現実に向き合うと、自身がイツミとの旅で幸せに生活しているギャップを感じてしまう



「ボギーは…?」



「ボギーは……」



「俺から話す。ボギーはあまり家に帰ってきていない。第三区画ではなく、第四区画にいる…スラム街でな…あまり素行がよくない……まだ犯罪を犯した訳じゃないからな……」



「兄さん…」



「まぁとりあえず何とか俺らはやっているわけだが……ボル……お前と一緒にいたやつは誰だ……」



「イツミ様…」



「イツミ…確かギルド会員でランク7だったか…大丈夫なのか…」




「私幸せだよ!イツミ様凄いんだ!私が苦しんでいる時にいつも助けてくれるの!今度、けっっっ…結婚する!」



「ボル姉!結婚?」



「うん!結婚する!!」




「ほ…本当に大丈夫なのか…そいつは…?」




「兄さん幸せになるよ!!」



「そ…そうか…」



「ボル姉おめでとう!よかったねー」



「ふふふ!今度みんなでご飯食べようね!」



「…わかった…」



兄は苦虫を潰した表情

妹はキラキラした眼で私を見ていた



今までのイツミ様との旅話をいっぱいした

妹は楽しそうに話を聞いてくれた

兄には家計の足しにとお小遣いを置いてきた




ボギーとは会えなかったが

兄、妹の家族と会えた喜びと

結婚の実感を感じながら

私はイツミ様の元に戻た


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