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市場で絡まれる…よくあるパターンですか?

ギルドマスターは部屋から勢いよく出て行った…



「では、イツミ様。私達も参りましょう。家の引き渡しとそちらで報酬の支払いもさせていただきます」



「あー。確か…ピュアサファイアの報酬の半分はこっちでもらう事になってたなー。

最近、金額が大きいから金銭感覚が壊れそうだな……」





第二区画の大通りを脇道に入り、3軒目

二階建ての家

華美でもなく質素すぎず

二人の若夫婦が住むには十分だ

しっかりと手入れをされた外観だ




「では、中へどうぞ」



鍵は上下二ヶ所



一階は玄関を過ぎるとリビングとキッチン

その奥に8畳ほどの部屋

二階は3部屋。1つは寝室

キングサイズのベッド



部屋を一通り周りリビングの椅子に腰をかける



「では、こちらを」



ガチャン



皮布の巾着

中を確認する

大金貨5枚



「どうも。家の物品も使って良いのか?」



「構いません。

足りない物は近くに市場や店がございます。

では、何もなければ、私はこれで。困る事がありましたら、子爵邸にいらっしゃってください」



「色々どうも」



クレアは家を出て行った



さーって。ボルジューを探しに行くか…市場辺りでも見に行くか……




と、いう訳で家から2分程で市場に出た

昼に差し掛かる時間

いい匂いもしてくる

露店が通りを埋め尽くしていた




ー朝どれ野菜だよ

ーコバルト産の干物です!味は間違いなし

ー帝都土産に準銀細工はいかがですか

ー肉巻きぃ肉巻きぃ




なかなか活気があるな



「あっイツミ様!!」



「サクッと見つけたな……」



「ボルジュー今から市場を見るが一緒に行くか?

で、家族とは会えたのか?」



「はい!妹に会えました」



「そうかそうか!よかった!!」



…そういや…前世の母ちゃんや達郎にぃに幸は……元気にやってるかな……

ちょっとだけセンチな気持ちになった…




ジュー



「いい匂いだ…」



グゥーゥー



横にいるボルジューを見ると肉巻きぃと呼ぶ声に視線が向かっていた



「朝も食べてないしな。肉巻き2つ貰えるか?」



「はいょーありがとうな!若旦那!2つで銅貨4枚だ」




懐の財布から大銅貨を渡し、お釣をもらう

流石に金貨以上の大金はー吸収ーでしまっている

それでも俺の財布には大銀貨23枚。銀貨15枚。大銅貨6枚。銅貨2枚が入っている



それでも、前世の街中で16歳の男が数十万を持ち歩いているのと変わりはない。下手をすれば、即トラブルだ



「イツミ様!このタレが美味しいですね!」



「おぉ嬢ちゃんわかるかい!こりゃー先代から継ぎ足している秘伝ってやつだ!ウチの魂だ!」



「確かにうまい。甘しょっぱいが肉の旨みが凝縮している」



「親父さん。帰りに買いたいんだが、いつまでやっているんだ?」



「あぁ!ありがとうよー!夕方までやっているから是非来てくれ!」



店の閉店時間を確認し、その場を立ち去る

市場探索を開始する



「これにしましょう!」



「イツミ様。お揃いがかわいいです!」



「野菜は三日分くらいですか?」



新居の話をしたら

ボルジューはテキパキと買い物をこなしていく

衣服や食材などを買い込む



料理の時も思ったが…ボルジューは意外と家庭的なんだな…ダメ子じゃないんだよな……



別にダメ子好きな訳ではない

ただ…少し…残念に思う…









「イツミ様、荷物持ちますよー」




いつの間にか俺の両腕は荷物で塞がっていた

ー吸収ーでしまう方が楽だが、そんなスキルを誰かに見られるヘマはしたくない




「だ…大丈夫だ…肉巻き屋に寄って…帰るか」



だいぶ重く、嵩張る

ヨタヨタ歩きになってしまう



ドスン



「あーすいません」



横から出てきた大柄の男たち



「あ"ーてめぇーどこ見てやがる!!」



…あぁ…ベタな展開か…



手下風の男が吠えている



「こちらの方は帝都の至宝!ドラゴンキラーのリーダー紅様だ!てめぇーよくも紅様に傷を!!」




おぃおぃ…こんなんで傷が付く程弱い奴が至宝って…




紅と呼ばれた男はギロリと睨む

筋肉隆々 2m近くの体格



それが餓鬼んちょに絡むか普通。。。



旦那ー勘弁してやってくれよー



奥から突然声がした



「肉巻きやー!てめぇーが出る幕はねーよ!てめぇーの店は早く場代を払いやがれ!」



へ…へぇ…。



肉巻き屋の親父さんも及び腰になってしまった



しかし、肉巻き屋の親父さんいい人だな

俺は両手の荷物を降ろし、ボルジューを守るように前に出た



「で、謝ったが。他に何かあるのか」



ベタな展開だが、少し癇に障った



「謝り方があるだろーよ!そんなに買う金があるんだ!治療費くらいだせや!」



「まーそーなるよな。面倒ついでだ。こいよ…」



ドスの効いた声で挑発した


さてさて…荷物を置いて…

よっこいしょ…



紅を含め、俺の挑発で一瞬に憤慨した



一応鑑定でもしておくか

久々にスキルを使ってみた



ー鑑定ー

情報

名前 クレーナイ

種族 獣人 森猿人

性別 男

LV. 7 (レベルアップまで 918 )

HP 99

MP 21

JOB 傭兵

アクティブスキル

【身体強化 】

【防御強化 】

【奇襲 】

パーソナルスキル

【微かな幸運】



あぁー弱いなー。こりゃ。コバルトで戦ったやつより弱いわ……

紅様じゃなくてクレーナイじゃんか…



そんな事を考えていると、まとめて襲ってきた



紅…いやクレーナイって奴は大斧。その他、剣。鎖鎌。槍。こいつら全員前衛か…



「しぃねぇぇぇえ!!」



よく吠えてた手下の槍が風を切って向かってくる



ビューン



遅すぎだ……



能力差があり過ぎるのだろう

槍を突き出す速度が遅く

穂先に入った柄まで見えてしまう



とりあえず躱す


さらにクレーナイの斧が上部から振り下ろされる



ズバッッン



当然躱す



大斧は地面にねじり込まれた



「くっっやるな餓鬼」



……あっっ喋った



クレーナイは喋らないキャラかと思っていたんだが…まーそんなんどうでもいいか




騒ぎを聞いて、周囲には市場の客や店主なんかが集まりだし、ガヤガヤと騒いでいる




ーあんな子供相手に武器を振りまして…

ー紅様じゃねーか…子供さを…不憫だね…

ー避けてるじゃないか!やるねー

ー逃げろ!早く逃げろ!




これ以上だと収拾がつかないな。引っ越し早々に勘弁して欲しいよ



とりあえずボルジューと買い物に被害はなし

という事で軽く殴ればいいか

角度によっては吹っ飛んで店に当たるとかあるからなーあー面倒だ



考えながらも攻撃を躱す



槍を使う手下の間合いに入る

ちょっと動いただけだが、相手は目で追えていない



胸ぐらを掴み、頬を叩く




ビシャン


いい音がした



手下は失神していた

地面に崩れ落ちる

周囲の誰もが一瞬の事で理解出来ていない



ビシャン

ビシャン


他の手下も同様に叩く


ドタン

ズルッ



あっという間に形勢逆転




「で、リーダーさん。どうする?」



クレーナイは膝をガクガクさせ、辛うじて立てている状態であった

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