別視点。ペシャ王国にて
別視点です
今回はハーデスが転生させた者の話となります
…話はサドリル帝国から離れる
サドリル帝国より東のペシャ王国
この世界の勢力で言えば最も強国である
ペシャ王国 謁見の間
大勢の貴族らが列をなしている
そんな中、王の前に跪く青年
「はっはっは。皇子はわしの子だ!やるではないか!褒美は何が良い?」
「父上のご威光にモンスター供が跪いたまで。私の実力ではございません」
「そうかそうか!だがな!スタギューよ。そろそろ領地をもってみよ!うむ!それがよい!」
「はっ御心のままに」
冥王ハーデスよりペシャ王国第2皇子に転生されたグリフォン改めスタギューは、謁見の間にて父上である王ペシャ六世との報告を終えた
報告とは、ペシャ王国の東にある大樹の森にいるモンスターである下級竜を従属させた事であった。通常、竜は討伐対象であり、従属させた歴史は未だかつてなかった
その前代未聞の偉業を第2皇子が成したのだ。王国中が湧いている
「スタギューには天領の東ラビリの統治を任せる!期待しておるぞ!ガッハッハ!」
「ご期待に添えるよう、全力を尽くします」
謁見の間からスタギューは退出した
正式な統治も今この時から開始される
「ふー。人間とは面倒な社会を創る」
スタギューはハーデスの命で転生した。弟であるゼウスの行動が癪にさわるとの事であった。やる事は特に指定はないが、ゼウスが転生させたやつを探して、嫌がらせをしろ。と漠然としたものであった
ハーデス様も物好きな……
スタギューは転生時にハーデスの眷属とスキル冥界の門を授かっている
ハーデスの眷属は能力の底上げ
冥界の門は自身の能力以下のモンスターを従属させる能力
その結果、下級竜を従属させた
ギャォォーーン
城門前の広場に従属させた竜が待機している。当然のように完全武装の王国兵が竜を何重にも取り囲んでいる
まぁ。監視もないんだ。とりあえずハーデス様が楽しめるように多少考えるか…
スタギューは兵を掻き分け、竜の元へ
キューューューン
下級竜は甘えながら頭を寄せてくる
「はぃはぃ」
雑に撫でる…
キューューューン
あぁ飼育係じゃねぇんだよな…
…お前はなんと呼ぶか…竜じゃ不便だな…
しばらく考えたスタギューは
「じゃ。ドラでいいか。ドラよ。少し飛んでみるか」
下級竜改めドラの背に乗る
縮こまった羽が伸びる
ギャォォーー
バッサバッサ
オー!オーオー!!
周囲の兵からは歓声があがる
ドラはゆっくりと宙に浮いて、広場を後にする
「そうだな…領地を賜ったな…そこまで飛んでみるか。ドラ。東に向かえ」
ギャォォーーン
スタギューは下級竜の背に乗り、王都を飛び立った。そんな情景を第一皇子は自室から覗いていた……
次回は本筋に戻ります




