さらば、チャイロの街よ。また来る日まで…
「あーーやべぇーよな。マジで
怒りに任せたら、あれだよ
災害だな……やっぱり魔王様コースか……」
怒りに任せて放った結果
森や山が吹っ飛んだ
自然破壊もいいとこだ……
猛省しながら
トボトボと街の門をくぐる。
「なんかでも、スッキリした!悪いことはむかねーな!とりあえずオーナーと話してみるか」
ガッツリ暴れた分
頭のモヤモヤがぶっ飛んでいた
気づくとレンガ亭にダッシュしていた
「オーナーいますかー?」
「あっっ聖人様!何処に行ってたんですか!
今大変なんてますよ!」
「どうしたんです?」
「ランドンホテルの支店長の病が悪化したみたいで、聖人様を探して色々な人が探し回っているんですよ!」
「オーナー…相談が…」
「今そんな時じゃないですよ!聖人様なら救えるんですよね!よろしくお願いします!聖人様!」
「ん?オーナーはそれでいいのか?」
そんな会話をしていると奥さんも姿を出す
「そりゃー憎いですが…でも助かるのならば助けてあげるべきだと思います!」
「今は助ける事が先決です!聖人様。私からもお願いします」
オーナーも奥さんも出来た人だ
ゔっ
危なく涙が出てきそう…
「2人がそーゆうなら。わかった。ほんじゃー行ってくるわー!」
何故だろう。とても救われた
気持ちが温かい
身体の重さが消えている
色々考えながら、温かい気持ちを確認しているとホテル前に着いた
俺に気づいたスタッフが飛び出して来た
「あっっあなたはイツミ様ですよね!」
「そうだけど」
「御無理を承知で、お願いしたい事がございます!」
「治療だろ。案内しろ」
尊大だったかな
すぐに案内された
前回治療した時より顔色も悪い。青白い。そして急激に痩せている。まるで結核患者末期の様だ
そりゃそうだ。俺が悪化させたんだからな
ー鑑定ー
情報
名前 ミズリス
種族 猿人
性別 男
LV. 5 (レベルアップまで 619 )
HP 19/73
MP 3/14
JOB 経営する者
状態:毒。重度肺疾患
悪化して、重度肺疾患…あの魔法はお蔵入りだな
右手をかざす
吸収!
《マジックドレイン》
俺の右手に向かって、ミズリスの口と鼻から光が流れ込む
左手をかざす
放出!
《リターンエナジー》
毒を吸い、HP を回復させた
ー鑑定ー
情報
名前 ミズリス
種族 猿人
性別 男
LV. 5 (レベルアップまで 619 )
HP 73
MP 3/14
JOB 経営する者
これでいい。やるべき事は終わった。。。
顔色は一瞬で戻り、咳も治った
身体を持ち上げ、周囲を見回すミズリス
それをみた店員達は歓喜の声を上げ、自分らの主人に抱きついている
泣いている人が大勢
これでよかったんだ
1人そっと部屋を出る
そーいや。獣人もいたな
「あっちょっと!店員さん!
体調悪い獣人がいるって聞いたんだが…」
「隣の部屋です!支店長が回復したって!」
「あー回復してたよー。
で、隣だね。ありがとう」
隣の部屋に入る
丁寧に作られた部屋だ
調度品もいい。こっちの方が落ち着けそうた
落ち着くために来たんじゃないな
治療して、帰るか
ベッドに顔色の悪い獣人が寝ている
虎耳で顔立ちは幼顔の可愛い感じ
苦しみで眉間に深いシワが刻まれている
激しく咳き込む
ー鑑定ー
情報
名前 ボルジュー
種族 獣人 虎人
性別 女
LV. 9 (レベルアップまで 1937 )
HP 70/101
MP 39/61
JOB 陰陽師
状態:毒。慢性呼吸機能低下。中毒症状。
アクティブスキル
【アイス系】
【呪詛系】
パーソナルスキル
【陰陽道】
「これに懲りたら悪さすんなよ」
右手をかざす
吸収!
《マジックドレイン》
口から光が溢れて、俺の右手に流れ込む
「まぁーそんなに重度じゃねーしな。寝てれば治るだろ。ほんじゃーな」
治療により苦痛が消え、表情は穏やかに変わっていた
あー色々首突っ込むと面倒だし、疲れるなー。静かに生活しよー。金もあるし、とりあえず街を出るかな。オーナーにも迷惑かけるしな……
部屋を出ながら、そんか事を考える
隣の部屋は盛大に盛り上がっている
ちゃっちゃと戻るか
気づかれない様にホテルを出て、レンガ亭に戻る
あー柄にもない事だった。オーナー夫婦に関わるのは良かったが、仕返しとかはやめよ…
俺が病んじまう…
レンガ亭に入るとオーナーが迎えてくれた
「オーナー。終わりよ。腹減ったなー。飯食えるかな!奥さんお手製のやつ!」
最上級の営業スマイルをかます
オーナーは喜んで厨房に戻った
奥さんの手料理。絶品だ。食べ納めだな
また来よう。うん。そうしよぅ……
今日もレンガ亭は賑わっている
「オーナー美味かったよ!ご馳走さま!」
俺は階段を昇り部屋へ
ベッドに横になって、早めに就寝した
レンガ亭の最後の夜だ
まだ街は暗い
俺はベッドから抜け出る
「確認するか」
情報
名前 イツミ(ドール・イツミ)
種族 猿人 ヒト
性別 男
LV. 15(レベルアップまで 12901 )
HP 1198
MP 1174
JOB 神者 死神代行
宿命 自由を求める者
レベル15かーだいぶ上がってるな
宿命…自由を求める者って…ジプシーかよ
で、急に決まるのね…
まぁーでも、そんな感じかもな…
能力
攻撃力 46( +50 )( +5 )
防御力 55( +50 ) ( +10 )
俊敏性 33( +50 ) ( +3 )
技巧性 24( +50 ) ( +2 )
魔道力 66( +50 ) ( +8 )
幸運 77( +50 )
振り分けポイント 62
一つの能力が100超えたら一流だったんだよな。4つ超えてる。超一流ってやつか
もー地味に行きますよ。今後は。。
装備
頭部:エルフ風 魔道士の冠
(防 2 技 2 魔 2)
上肢:軽鉄のガード
(攻 1 防 1 )
胴体:風纏の服
(防 4 魔 4 )
下肢:ウルフ革のズボン
(防 2 俊 1 )
足部:軽鉄の靴
(防 1 俊 2 )
アクセサリー:魔道の指輪
(魔 2 )
武器:強化鉄のショートソード
(攻 4 )
保有
HP 241
MP 105.3
物 149
物が増えたなー。ギルドに売ってないからな。次の街でさばくかな。そういえば…魔道石ってなんたんだろう……
そういやー金ってどれくらいあるんだ
懐から巾着を出す。確かな重量感
ジャラリジャラ…
金貨1 銀貨7 大銅貨2 銅貨2 枚
まだ結構あるんだな
贅沢してるって言っても
サニーさんとこの紅茶くらいだもんな
ベッドの横に小さなテーブルとメモ用紙
俺はペンで簡単に書いた
ーありがとう。また来ますー
これで足りるかな
コトミさんがだいぶ酒を飲んでいたからなー
メモ用紙の上に金貨を乗せる
100万くらいの価値だから大丈夫か
すでに金銭感覚が崩壊気味だ
窓を開ける
まだ日は登っていない
「お世話になりました」
俺は部屋に頭を下げて、窓から屋根に出た
能力が上がっている分、二階くらいから落ちても問題ない
騒音にならないように
そっと屋根から飛び降りる
レンガ亭。初めて来た時は客なんて1人もいなかった。オーナーとアルちゃんと奥さん。みんないい人だった。また来よう
レンガ亭に背を向け歩き出す
少し明るくなり始めた
「とりあえず、道を進んでいけば街に当たるだろ……風の向くまま…自由だな…」
特に当てはない
街を出て街道を歩く
朝日が眩しい
また美味いもんあるといいなー
さーてと、まったり行くかなー
…コトミさんがいないと寂しいもんだ…
1人街を出る
ー俺を後ろから覗く虎人ー
気ままに次の街に向かう俺であった