毒は静かに身体を蝕むものですよ……
本日3話目
ストック放出していますがまだ余裕あり!
頑張ります!
レンガ亭でのんびりと過ごす
あれから2日経つ
ランドンホテルの支店長が病で倒れたと噂が流れている。通常の解毒剤が効かないらしい。まぁ俺の魔道力が強すぎるからだろうが
一方
奥さんは元気になり、レンガ亭は食事時も大盛況だ
「そろそろ懐も寂しくなってきたなぁ。働くか」
相変わらず宿泊代金は支払っていない
オーナーが受け取らないからだ
だが、食べた分、飲んだ分は強引に払っている。コトミさんがゼウス様の元に戻った分、酒代が激減したが。。。
…コトミさんは故郷に戻った事にした。三人とも別れが言えなかった事を寂しく感じていた。良い人達だ…
サニーさんの紅茶飲んだら、ギルド行って仕事するかなー
レンガ亭を出て、サニーさんの店に向かう
「イツミさん!待ってください!」
「ん?
あータートンさん。この前以来ですね。おはようございます。どうかされましたか?」
慌て駆け寄るタートン
「イツミさん。少し小耳に挟んだのですが…
回復スキルをお持ちとか」
息を切らしながらタートンは話を続ける
「この前紹介したランドンホテルのミズリスさんが病で。出来ましたら治療して頂きたくて」
「俺がですか?どこでその話を……それよりもっと良い治療士の方がいらっしゃいますでしょ。教会や診療院の方々が…」
「実はすでに診て頂き、治療をしたのですが、一向に回復せず。
新しい感染ではないかとも……」
「感染ですか?」
「はい…護衛の方も同様の症状で…」
「そうですか…俺じゃお役に立てないかと…
おっしゃるように若干の回復スキルはありますが専門家ではありませんので……」
「そうですか…ですが…可能であればホテルに来てください。私は居ますので声をかけて頂ければ話は通します」
「わかりました」
タートンは肩を落として帰って行った
サニーさん紅茶を飲む
「はぁー最高」
「毎日ありがとうねーイツミちゃん!」
「サニーさんの紅茶を飲まないと朝が始まりませんので!」
なんか紅茶中毒みたいだな。俺の状態大丈夫だよな…鑑定しようかな…って訳ないけど…
紅茶を飲みつつ考える
お灸を据えて、改善したらいいんだがなー
今後の流れだが…
1.このまま放置
2.治療して様子を観る
再び嫌がらせがあれば、再度毒に
3.毒素を強めて殺す
んーー
ミズリスの性格がイマイチ読めないな
「聞いたイツミちゃん!ランドンの支店長が病気みたいなのよー!」
へー
噂って拡がるの早いな
やはり噂は街の好物か…
「でもいい気味なのよ!報いって事よ!」
「サニーさんが怒っているなんて珍しいですね」
「あいつはこの2年で元々この街で商売していた人達を金と力で抑えつけてたのよ!イツミちゃんの宿のレンガ亭だって、食材卸させない事や店への嫌がらせ受けたのよ!今は奥様の体調が良くなったから、お店も元々の繁盛した姿に戻れたけど…店を畳んだ人だっているんだから!」
ははーん
だいぶ悪どい感じだったのね
そんじゃーサクサクと仕事しますか
…選択は3番ですな…
お会計を済ませて、店を出る
ちなみにサニーさんのブレンドティーは大銅貨1枚。今の俺には問題ない値段。リッチだー
ランドンホテル前に来た
入り口を入る
「あっイツミさん!いらっしゃってくれたんですね!!」
「はい!お役に立てないかもしれませんが…」
「ありがとうございます!こちらです!」
すいませんねータートンさん。貴方はいい方だってことがわかりましたよ…
大きな部屋 ベッドはキングサイズ
ミズリスは咳を繰り返す
「ミズリスさん!イツミさんが来てくれました。診てもらいましょう!」
「イツミ…ゴフォンゴフォン……さんですか…」
弱々しく答える
これから貴方は今までの報いを受けるんですよ…
「ミズリスさん。お役に立てるかわかりませんが回復スキルを使わせて頂きます」
死神は丁寧に近寄るもんなんだな…
そういえば仕事…死神代行だったな……
《ミスト ポイズン 1.0》
《ディペンデント ドラック 2.0》
両方ともMP 消費は4
ミストポイズンは前回の5倍で浸透させる
そしてディペンデントドラック
強い痛み止。いや…麻薬中毒…。効果は半分。大体3日くらいの効き目かな…
本来は多幸感や幻覚幻聴、混乱状態などなど。半分使用により、精神作用が薄まり、鎮痛作用が強くなる。前世で言う、医療モル○ネみたいな感じだ
しばらくは痛みがなくなり、ハイテンションで治癒した様になるだろう。だが、効果が切れたらミストポイズンの効果が表出される。呼吸機能が致命的に低下。まず間違いなく死にますね……
我ながら恐ろしい閃きだった
まぁーバレたら街を出るか…
コトミさんが帰ってから、性格悪くなってないか…俺…。マジで魔王コースか……いや悪魔コース……
しばらくするとミズリスの席は落ち着いた
顔も赤みを帯び、言葉も多くなってきた
頃合いか……
それっぽく手をかざしていたが、やめた
「俺の治療はこれで終了です。
お大事になさってください。少し良くなって無理をすると、そのあとが辛いですから」
「本当にありがとう!イツミさん。咳が止まって身体が軽い!今からでも仕事が出来そうだ!」
「無理をなさらないように。では」
「イツミさん。私からも御礼を。
謝礼は後日改めて」
「いえいえ。タートンさんのお役に立てて良かったです。では」
お辞儀をして、ホテルを後にする
次の日、ミズリスは精力的に仕事をしたと噂が流れてきた。そして俺はミズリスを治療した聖人だとも……