目には目を…
ゴボッゴボッ
奥さんは咳を繰り返していた
「大丈夫ですよ。頑張り過ぎちゃったみたいで」
オーナーとアルちゃんの顔は不安だ
「とりあえず横になってください。
診てみます」
コトミさんから借りた鑑定が早速役に立つ
ー鑑定ー
情報
名前 イミール
種族 獣人 狐人
性別 女
LV. 1 (レベルアップまで 41 )
HP 21
MP 8
状態 呪い( 麻痺、毒 )
おぃおぃ……
呪いの状態は改善したはずが、再び呪いになっている
とにかく治療だ
右手を奥さんにかざした
吸収!
《マジックドレイン》
奥さんの身体は輝き、その輝きは右手に吸われていく
再び鑑定を行う
ー鑑定ー
情報
名前 イミール
種族 獣人 狐人
性別 女
LV. 1 (レベルアップまで 41 )
HP 21
MP 8
「よし!これで大丈夫だ!」
しかし、おかしい。前回も呪いは取れたが
ん?まてよ……
買い物から帰宅したら調子が悪くなった……
ひょっとして作為的に呪いをかけられているのか。。。
「オーナーちょっと話がある。
アルちゃんはお母さんの看病頼むね」
「はい!聖人様!」
オーナーと物置部屋に入る。ここなら聞かれることはない
「オーナー。奥さんが狙われているんじゃないですか…」
オーナーは項垂れていた
やはりか…
「聖人様。。。このレンガ亭はレミールの父親…先代から受け継いだ店だ。チャイロじゃ名の知れた宿でやってきていた。
2年前に帝都の宿が支店を出した。男爵様にも取り入ってな。それでも、うちは繁盛していた。だが、それからしばらくして、嫌がらせが始まった。始めは噂程度だったが。少しずつ店まで悪さをするように…
しばらくするとレミールが寝込むように。疲れだと思っていたが、次第に悪化して……」
「男爵に訴えたのか?」
「はい。。ですが、仲良くやれの一言で……」
「まー間違いなさそうだな。奥さん元気になって客が戻ったから、また嫌がらせか。。
エゲツないやつらだ」
「オーナー。俺はオーナーや奥さんの経営するこの店が大好きだ。怪しい俺に対して優しくしてくれた。
で、オーナー。どうしたい?」
「レミールを苦しめた彼奴らが憎い」
「わかった。それで十分だ」
俺はそのまま店を出た
目指すはランドンホテル
きっちりお仕置きさせて頂きます
◇◇◇◇◇
ギルドの斜向かい
ギルドと同じく5階建て
立派な外観に丁寧な接客
俺は入り口に立つ
さーてどうすっかな
お仕置きって言ってもな。。。
んー
しばらく悩む
ー圧倒的閃きー
そんなスキルないけど
某ギャンブルマンガを愛読していた俺
つい言いたくなった
でもお陰で閃いた
奥さんが呪われたって事は呪った奴がいる
まずは、苦しんでもらいましょうか…
俺は入り口から悠々と入場
高級なホテルだ。一階はラウンジになり、カフェなんかもある。レンガ亭の場合は受付兼居酒屋になっている
紅茶を頂けますか
ゆっくりカフェに入り、席に案内される際に注文もする
窓側に通された。メイン道路の一等地
人通りが多い
紅茶が運ばれてきた
香りの良い紅茶だ。だが、味が薄い気がする。サニーさんとこの紅茶が俺は一番だ
「おっ!イツミさんじゃないですか」
俺のテーブルに腰を降ろす
「タートンさん。奇遇ですね。商売ですか」
タートン。ギルドから護衛依頼で何度か仕事を請け負った。人脈はサドリル帝国全体にあり、手広く商いを行なっている。兎人である
「イツミさんは紅茶ですか?私はコーヒー党でしてね。ご一緒してよろしいですか?」
不思議とこの世界は前世と類似点が多い…
「どうぞ。タートンさんはこちらに宿泊なんですか?」
「帝都の本店でも取り引きがありましてねー。社長のラードラさんにも懇意にして頂いていますので」
「ほー。では、タートンさんはこちらの支店長さんもお知り合いですか?」
「支店長ですか?ラードラさんの甥っ子でミズリスさんです。
あっちょうど戻ってきたみたいですね。あの方ですよ」
入り口に2名
ー鑑定ー
情報
名前 ミズリス
種族 猿人
性別 男
LV. 5 (レベルアップまで 619 )
HP 73
MP 14
JOB 経営する者
あいつか。取り巻きは
ー鑑定ー
情報
名前 ボルジュー
種族 獣人 虎人
性別 女
LV. 9 (レベルアップまで 1937 )
HP 101
MP 61
JOB 陰陽師
アクティブスキル
【アイス系】
【呪詛系】
パーソナルスキル
【陰陽道】
ほースキルがあると、表示があるのか
便利だな…鑑定スキル。これだけで、チート能力
あまり人相手に鑑定した事なかったから、慣れる事も必要だな
で、ビンゴだ。あいつだな
「タートンさん。俺も今後、護衛業務とか仕事を広げたいんですよ。ご迷惑じゃなければ、ミズリスさんを紹介頂けないですか」
「あなたを紹介出来るなら、お安い御用ですよ」
タートンは席を立ち、ミズリスに近寄って話しかける。二人の表情からして、比較的近しい間柄なんだろう
タートンさん。申し訳ない
が、バレないように仕置きはするから…
タートンが俺を呼んでいる
ボルジューが実行犯で…
ミズリスが黒幕って感じか……
にこやかに話しかける。社会人のスキル
…任せろ…営業スマイルだ…
「はじめまして。イツミと申します。ギルド会員で、護衛など幅広く行なっています。タートンさんに御無理を承知で、ミズリスさんにご挨拶をさせていただきました」
「ご丁寧に。まだ若そうですが、タートンさんの御信頼があついようで。何かあればよろしくお願いしますよ」
隣のボルジューがあからさまに睨んでいる
「こっちは私の専属護衛のボルジューです。ギルドランク4の帝都で名の知れた会員なんですよ」
ほー。このレベルで、ランク4か
俺もそりゃー男爵に勧誘受ける訳だ
今の俺じゃ帝国NO.1も狙えるんじゃねーの
…狙わないけど……
さてと、軽く営業トークしてる間に…
《ミストポイズン 0.2 》
本来 MP消費が4のミストポイズンを20分の1で、二人の周囲に充満させる。
呼吸の度に徐々に染み込み、侵される
コトミさんから借りたポイズン系の魔法
そろそろか
二人とも咳をし始めた
ー鑑定ー
情報
名前 ミズリス
種族 猿人
性別 男
LV. 5 (レベルアップまで 619 )
HP 73
MP 14
JOB 経営する者
状態:毒。呼吸機能低下
ー鑑定ー
情報
名前 ボルジュー
種族 獣人 虎人
性別 女
LV. 9 (レベルアップまで 1937 )
HP 101
MP 61
JOB 陰陽師
状態:毒。呼吸機能低下
アクティブスキル
【アイス系】
【呪詛系】
パーソナルスキル
【陰陽道】
…ばっちりだな
「お忙しい時間をありがとうございます。タートンさんも無理言ってすみませんでした。ミズリスさん、機会があればよろしくお願いします。タートンさん。コーヒー冷めてしまいましたね。俺が出しますので一杯頂いていきましょう」
「ゴフォン。イツミさん、それではゴフォン…すいません。またお会いしましょう。ゴフォン。風邪ですかねー」
「お身体を大切にしてくださいね。それでは」
咳を繰り返す二人を横目に
タートンと再びカフェに戻り一服
肺に毒が回って、これから苦しむだろうに…
途轍もなく悪い顔をしている気がする…
面白い作品を書けるように頑張ります。