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少女が歩む道  作者: 霧熊童子
たった一言〜At least one word〜
15/27

遠足当日譚①〜高校1年

上諏訪のマップ拡大して気付いたけど湖畔公園の周りって飲食店が多いのね…

「•*¨*•.¸¸♬︎」


いつものメロディーが部屋に響く。私はアラームを止めて顔を洗った後にリビングへと向かう。

するとリビングには諏訪子様と神奈子様が居た。

神奈子様はソファに座ってニュースを観ているが諏訪子様に関しては完全にそわそわしている。私は笑いそうになりながらもなんとか堪えて朝食を食べる。

私は「ごちそうさまでした」と言って歯磨きをして髪を梳かす。遠足に持っていく食材を鞄に詰め込まなければならないのでゆっくりしている時間はあまりないが慌てずに準備する。

食材を鞄に詰め終えた私はそれを玄関に置く。そして部屋に戻って動きやすい服装に着替えた後リュックと鞄を持つ。


「いってきまーす」

「遠足楽しんでらっしゃい」


私はうんと返事してから玄関のドアを閉める。


「ふぅ…二人とも、勝手に食べたりしてはダメですからね!紙皿をひとつ用意するのでその上に私が乗せたものを食べて下さいね!」


私は2人が勝手にとって食べたり、誰かが気付かずに入れたものを食べたりしないように予め釘をさしておく。


2人が了解した所で私達は湖畔公園へと向かう。



――――――――――



「さなえー、こっちこっち!」


諏訪湖畔公園に到着しウロウロしていると瑠璃が声をかけてくれた。私は瑠璃の声がした方に駆け足で向かって合流する。


「私で最後かな?」

「いや、まだ佐伯と達也が来てない」

「あっ、来たみたいだよ。二人ともーこっちこっち」


由紀が2人に気付きこっちへと呼ぶ。


「これで全員揃ったね」

「だね。とりあえず荷物どこに置こっか」

「BBカフェの所のテラス席でいいんじゃない?此処は火気厳禁だけどあそこは大丈夫だし」

「BBカフェって?」

「BBカフェって言うのはBBQカフェの略だよ」


巡がBBカフェが何か尋ねると瑠璃が答える。


「よし、取り敢えず荷物をBBカフェに置きに行こうぜ」


海斗がBBカフェへと向かうと皆も頷きBBカフェへと向かう。

BBカフェに到着してテラス席にそれぞれの荷物を下ろす。


「11時頃に集合でそれまで自由で良いよな?」


達也が確認をとると反対の声はあがらなかった。


「って事で解散!!」


諏訪子様達と話しながらのんびり散歩しようかなと考えていると巡が声をかけてきた。


「端の方に足湯があるから行ってみない?」

「足湯あるんだ。後で行ってみるね」


私はやんわりと断ると巡は走って向かっていった。

周りを見てみると、恐らく持参したであろうボールで当て鬼をしていたり、鬼ごっこをしていたり

色々している。


湖岸沿いに歩いていると、諏訪湖にある像に視線がいく。


「この像はなんでしょうか?」

「これは八重垣姫の像だね」

「八重垣姫とは誰でしょうか?」


私は八重垣姫が分からず、諏訪子様達に尋ねると神奈子様が答えてくれた。


「八重垣姫とは本朝廿四孝ほんちょうにじゅうよんこうに出てくる架空人物で武田勝頼の許嫁さ。簡単に説明すると死んだと思われていた勝頼が生きていて、今度は討手を差し向けられる。勝頼を救おうと八重垣姫が法性の兜に祈願すると私の使いの白狐が姫に乗り移り、凍った諏訪湖を渡って勝頼の元へ行くのさ」

「神使の白狐、見てみたいなー」


神奈子様にさりげなくおねだりしてみると「機会があれば見せるさ」と言ってくれた。


そうして足湯の方に向けて歩いていると野外ステージの方で歌声が聞こえてきて少し気になったのでステージの方へ行ってみる。


ステージに到着するとアンプやスピーカーがあり、曲はスマホの近くにマイクを置いて音を出して歌っていた。私は近くにいた他クラスの男子生徒に尋ねてみる。


「ねえねえ、あの機材って学校の?」

「いや、あれは持参みたいだよ。曰く先生に頼んでも許可が出なかったから持ってきたとかなんとか」


驚き半分、呆れ半分でステージの方を見る。ステージでは一人の男子生徒が熱唱していた。


「次歌う人いるかー?」


歌い終えた男子生徒がマイク片手に尋ねる。すると前の方にいた女子生徒が手を挙げてマイクをその人に渡す。

そしてスマホで音を確保している人のところへ向かった後ステージへ上がる。暫くした後曲が流れ始めステージに上がった女子生徒が歌い出す。


「許可が出なかったからって持参とはこれはまた」

「一般の人も聴いて楽しんでるけど普通に考えて迷惑ものだから中止にさせられるんじゃないかな」


諏訪子様がそう言うと先生が止めに入った。

上手く言葉は聞こえないけど生徒側の荒らげた声が聞こえる。


「酷くならない内に足湯に向かっちゃいましょう!」


私が言うと諏訪子様達もそうだねと頷く。

そこから10分ほどかけてようやく足湯に到着したけど巡の姿は無かった。


「行き違いになっちゃったかー」


私は1人呟くと裸足になって足湯に入る。


「はぁ〜あったまる〜」


完全に私の声は足湯によって蕩けていた。


「そういえば最近御神渡りが見れないねぇ」

「確かに見てないね」

「あの、御神渡りってなんでしょうか?」


私は諏訪子様達に尋ねたつもりだったけれど――


「御神渡りは諏訪湖に氷堤が出来ることだけど?」

「ど、どうもありがとう…」


近くにいた男子生徒が御神渡りが何か教えてくれた。ついいつもの様に2人と話をしていたけど今は遠足で大勢の人が居るんだった。


「そいつが言った通りでここ4年は御神渡りがおきてないのさ。そしていつの頃からかその御神渡りが私が諏訪子に会いに行った跡だ等とデマが付けられてねぇ。ホントに困ったもんだい」

「御神渡りが起きたら御渡神事が執り行われるんだけどそれを執り行うのは東風谷家では無いから大丈夫だよ。東風谷家がするとしたらそれを宮内庁と気象庁に報告することだね」

「宮内庁と気象庁に報告かー…」


今度祖父に御渡神事について聞いてみようと思い、私は足をぶらぶらさせながら呟く。


足が十分に温まった所で私は足湯から出る。


「時間的にはもう少しあるからさっきの野外カラオケがどうなったか見てみましょう!」


2人にそう言って再び野外ステージへと向かう。


早苗の祖父全然出てきてないけどご存命です


この前アプリに八重垣姫が登場して、更に諏訪湖に八重垣姫像がある事を知ったので思わず書いてしまいました笑

野外カラオケはガラケーに曲を録音するやり方を想像してくれるとイメージがつきやすいと思います


遠足編を1話で収めようと思ったら6000字くらいいきそうだったのでやむなく区切りました…

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