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龍の誓い

ちょっと短いけど、18話目

 憲兵のヤツらはゼクス発生の旨を伝えると、早々に去っていった。

「み、みなさんたいへんですぅよ!ゼクスです!ゼクスですぅ!」


 落ち着けったら、ちっとも大変さが伝わって来ない。コタリーが足元でわちゃわちゃしてるだけだ。


「待て、ゼクス発生の何がそんなにヤバいんだ?」

「貴方本気で言ってるの?それともフラン未満なの?」


 それは心外だ。せめて以下にしてくれ、流石に未満は辛い。


「そんな訳ないだろ。フラン以上には脳ミソ詰まってるはずだ」

「なんで私基準!?」

「ディルとフランの2人に比べられる程、頭の中が著しく軽い人間が、そんなに沢山いる訳ないじゃない。居たら今頃世界は崩壊してるはね」


 そこまで言うかこの女。流石アルンお嬢様だぜ、情け容赦無さすぎんだろお前。



「あぁ。我が主よ!罪深き浅学非才なる凡人共をお許しください!」


 アルンは跪き神に赦しを乞うた。悪魔かコイツ……悪魔でしたねそうでしたね。アルン程の美女じゃなかったら、女でも問答無用でぶん殴ってるレベル。

 アルン怖いからやんないけどね。



「……アルンそこまでやったら可哀想。だと思う気がしなくなくない気がしなくもない気がする」


 いいぞミューもっとハッキリ言ってやれよ。後それは早口言葉かなんかですか。俺そのスピードで絶対言えないんだけど。


「アルン。いくらディルとフランが馬鹿の結晶体みたいな存在でもそれは酷いと思うは!」


 オメェが一番酷でぇよシェーネ。それめっちゃ救いようがない馬鹿だけど、許してやれよって言ってるだけだからね。


「ちょっと!いくら私がバカでもバカにされてることぐらいわかるんだからねっ!!」


 おぉ、偉いぞフラン。それぐらいは分かるんだな。


「で、ゼクスって何」

「☆6のモンスターが街の近くで発見されたと言うことです!だから緊急事態なんです!」


 始めっからそう言ってくれよ。ちょっとイラついたのでつついてみることにした。


「ならなんで最初からそう言わなんだよ!」

「この店は別だけれど、普通の冒険者の宿には一般の客が沢山居るは。そんな中で、憲兵達が☆6のモンスターが出たから緊急事態として門の前に集まってくれ。なんて言って回ったらパニックになって門の前に集まるのが冒険者だけでなく、逃げ惑う一般市民や貴族達で溢れかえって大変な事になるは。パニックを抑えるためだけに人員が割かれ、討伐隊を編成してる場合じゃ無いでしょうね。☆6は一都市、一国家で対応する中で最も緊急性の高いモンスターよ。それが市民達に伝わればパニックが絶対に起こらないなんて言いきれないし、起こる可能性の方が高いでしょうね。この店は別だけれど」


 大事なことだから二回言ったんだな。


「なんで2回も言ったんですかぁ!酷いですよアルンさん!」


 今日も涙目でぷるぷるしてるコタリーは可愛いなぁ……


「おいおいそれは構わないが、☆6なんて俺らにゃ倒せねーぞ?」

「全然良くないですぅ!構いますからぁ!」

「貴方本当に正真正銘おつむが足りてないのね。前に言ったじゃない、☆6のモンスターは下位のモンスターを統率する魔王の尖兵よって」


 つまりそれが俺達が☆6と戦うこととなんの関係が有るんだ。教えてアルンちゃん。


「つまり、☆6のモンスターが引き連れてる雑魚どもの相手をするために集められるのよ。☆6は討伐隊の本隊に居る強い騎士様と高ランク冒険者達がなんとかしてくれるは」

「要するに、ボスを守ってる雑魚を蹴散らせば良いんだな?」


 なんだただの露払いか楽勝だな。


「そうなるはね。ただし、その雑魚の中に☆4や☆5のモンスターも混じって居るということを忘れないでちょうだい。油断すればすぐに死ぬ事になるはよ。と、言っても人手が足りていれば、Eランクの私達は比較的難易度の低い戦場に、回されると思うのだけれどね」


 良かったまだ死にたくないからな。


「でも、アルンにちょっかいかけてくるAランク冒険者様達なら、楽勝なんじゃないか?よく声かけられるんだろ?」

「えぇ。彼等ならもしかしたら、直ぐに事態の収拾を付けられるかもしれないはね。でも、良く考えて。Aランク冒険者達が、大国を拠点にしてない訳が無いと思わないかしら?」

「つーことはなんだ?」

「この街で一番強い冒険者パーティはBランクよ。数は分からないけれど、苦戦するかもしれないはね」



 おいおい待ってくれよアルンさんよ。Cランクで適正難易度が☆6なんだろ。って事はBランクパーティが居れば楽勝じゃねーか。そう思い抗議の目を向けると直ぐに説明してくれた。


「頭の良い者に統率されている魔物達は難易度が、0.3から0.8上がると言われているは。無秩序な低ランクモンスター達が秩序だって襲ってくるの。侮れば私達レッドキャップにすら負けるでしょうね。それもレッドキャップみたいなのが複数いて、しかも強さは下から数えた方が早いのよ?それでも楽勝と思うかしら?」


 なんだそりゃ。マジで割とピンチじゃねーか。


「負けることは無いでしょうけれど、犠牲はかなりの数になるでしょうね」



 アルンの話を聞いて全員の認識が改められたところで、俺達は街の門の前まで行くことにした。


 まだ、そんなにコイツらとパーティになってから日は長くないが、一緒に居て居心地が割と悪くねぇ奴等だ。扱いは酷でぇもんだけどな。



 俺は誰が死のうと、コイツらだけは守り抜くと、堅牢なる龍の魂に誓った。

さて、次回はディルさんの久々にカッコイイシーンの予定です。


「いくぜ!スーパードラゴノヴァ!」

しかしMPが足りなかった。と言うかそんな技はない。

「かっこわる~」

「ダサイはね。」

「…ガッカリ。」

「しょっぼ…出来ないなら期待させないで。」

「クソォォォォォォ!!!覚えてろよぉ!!!」


なんて事にはならないといいなぁ…多分。

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