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僕と兵器と異世界  作者: 奥鷹 雪斗
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第1話 異世界召喚

今回から物の説明とかを後書きに書いていきます。

 少し歩くと小屋に到着した。見るからに人里から離れたところにぽつんとある小屋で少し大きめの丸太小屋だ。最後に使われてから何年も経っているためかドアの取っ手やその上にある鉄製のランプは酷く錆びついていた。小屋の近くには薪置き場と丸太小屋よりも小さい物置小屋もあった。ドアにノックするが反応はなく、慎重に取っ手を引くと簡単に開いた。中は薄暗くほこりっぽい。


「思っていたより長い間使われていないようだな」


 リュックから小型懐中電灯を取り出すとスイッチを押して当たりを照らす。入って少し進むと木製のテーブルがあり、その上にロウソクと何か手紙のような袋、四角い何かが乗っていたが他に何があるか見渡した。

 テーブルの右手にはベッドがほこりをかぶってはいたが使えそうだった。左手には本棚だろうか厚さがバラバラの本がギッシリ並んでいる。一冊手に取って開いて見たものの文字は擦れて読めそうにない。奥には何か剣でも立てかけるような金具と暖炉があったが金具には何も無かった。


(持ち主には悪いが今日1日ここに泊まらせてもらおう)


 取りあえず本を元の場所に戻して掃除をすることにした。テーブルはさほど汚れたりしてなかったことに少し疑問を持ったが気にせずリュックを置くとベッドに行ってみたが予想以上にほこりを被っており、このままでは寝られそうに無かった。

 毛布を上げてみるとものすごいほこりが宙に舞った。少し咳き込みながら外へ持っていくとバタバタと毛布をはためかせ、何度も叩いてほこりを落とした。一度畳んでテーブルに置くとシーツや枕もほこりを落とす。そして再び整えてみるとし白いベッドになった。

 次に暖炉の方に行って火を付けようとしたが薪が無かったので外に出て薪置き場から使えそうな薪を持ってくると暖炉にいれ残りは近くの薪入れに置いた。リュックから白樺の樹皮(※1)が入った袋と新聞紙、ファイアスターター(※2)と呼ばれるサバイバル用の着火器具を使って火を起こす。まず2本の薪を縦に等間隔で並べるとその上にまた薪を今度は横に同じように並べる。薪の真ん中の隙間に丸めた新聞紙を詰め、その上に白樺の樹皮を置く。そしてファイアスターターで火花を起こし白樺の樹皮に引火させる。燃えた白樺の樹皮は新聞紙も燃やして薪に火を付ける。息を吹きかけながら数分が経つと薪全体が勢いよく燃えていた。消えないように薪をくべ、そして近くにあった火ばさみで燃えている細長い薪を掴むとテーブルの上にあるロウソクに火をともした。薪を暖炉に戻すとテーブルの上にある手紙と四角い黒い板に目を向ける。

 この家主のものなのか分からないが調べてみることにした。裏にして置いてあった手紙を回して表を見ると、


『ようこそ、異世界へ!』


 と、日本語で陽気な感じに書かれていた。


(・・・俺宛のもの、だろうか?)


 何か細工がされてないかゆっくりと手紙を開くと長々と文字が書かれた紙が出てきた。


『まずこれを読んでいる荒波 勇気様へ

 あなたは崖から落ちて死ぬはずでした。ですが私、創造神ヤハウェがあなたを落下している最中に異世界に召喚して救いました』


(なるほど、これなら今まで起こってきたことに説明がつく。どっかのいかれ野郎が作った文章じゃなければな)


 ひとまず死んでいないことが分かったのでひと一安心だったが異世界に飛ばされてるとはどういうことだ?


『とでも思ったか?』


 俺はその文章を読んで何故かゾッと寒気がした。文章の続きはこう書かれていた。


『私はね創造神って言われるけど実は悪魔・・なんだよ。あはははッ!驚いた?お前をこの世界に召喚したのはお前が過去に体験した殺し合いをさせるためさ!ねぇ、今どんな気持ち?私が憎い、殺したいくらい憎い?残念だけどお前に私はせない。それとそこの世界にいる人間がお前のいた世界の兵器をこっちの世界に召喚したから楽に殺し合いが出来ると思うよ。ま、一応あなたのいた世界の「タブレット」、だっけ?その機械でそこの世界の通貨を使って武器とか買えるから死なないよー頑張ってねーッ!』


 長々と嫌みを書かれた手紙を読み終わった後、手にしていた紙を丸めて暖炉に投げ込んだ。そして、


 ダンッ!


 テーブルに両手の拳を叩きつけた。押さえようのない怒りが腹の底から沸き出ていた。


(俺はいつになったら、この地獄から抜け出せるんだ!!)


 しばらくの間、自問自答を繰り返すが一度息を吸って吐いた。よく考えればここは本当に異世界なのか?もしそうだとしたら元の世界の常識が通用しないだろう。


(そうだとしたら元いた世界の常識は捨てよう。生きるために殺すことを躊躇すれば死ぬかもしれない)


 あの夢で体験した事を思い出しながら俺は拳を握りしめた。


(こうなったら仕方ない。確かタブレットで武器が買えるんだったな、今はそれで護身用の武器を買ったほうが最善だろう)


 そして隣にあるタブレットを手に取り電源を入れた。

※1 白樺の樹皮

・白樺の樹皮には油が多く含まれており着火剤として使用される他、蒸留したものを芳香や化粧品に使用される。


※2 ファイアスターター

・マグネシウムを削ることにより発火させる着火器。別名「メタルマッチ」


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