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在るのに無い  作者: 千瑞
7/12

「女神様」

あなたは他の誰よりも美しいのに、

あなたは自分を「醜い」と嘆く。


私は他の誰よりも汚らわしいのに、

あなたは私を「美しい」と讃える。


あなたがどれだけ頑張っても、

周りの人間は醜い思考回路で暗い羨望を吐く。


きっとあなたが綺麗過ぎるんだろうね。

あなたの綺麗さは、もはや至高の芸術だ。





だから、どうか、思い留まって。





あなたが苦しくて泣くのなら、

きっと私は胸を貸して

慣れない手つきであなたを抱きしめては

あやすよ。


あなたが抱え込み過ぎて辛いのなら、

きっと私はヒールとメイクで

その時だけ余裕のある広い大人になって

何でも話を聞くよ。


あなたが笑顔になるのなら、

きっと私は他人なんてすぐに殺せる。


あなたが幸せになるのなら、

私が苦しくても笑っていられる。


あなたは女神様だ。

あなたに出会って、

私は灯りに照らされた。


あなたがこの世に生まれてくるために

私はきっと先に生まれたんだよ。


あなたのほんの少しの支えになるために

私はこの世に生まれて来られたのなら、

「本当に幸せだった」と言って

涙を流しながらも穏やかに死ねる。





もしもあなたが土に還ってしまったら、

私はそれでも生きるよ。


あなたを苦しめたものを見つめるために、

あなた以上に苦しむために、

あなた以上に汚い世界を見てるよ。


絶対、あなたよりも先には死なない。

きっと私の葬儀であなたは頬を濡らすから。


どうか私を少しでも長い時間

幸せでいさせて。


あなたが呼吸をしている世界でしか、

幸せだなんて思えないから。


だからね、どうか、生きて。

強くとは言わないよ、

だってあなたを守るために

生まれてきた人達がいる。


気持ち悪いかもしれない文章だ。

けど、それでも、生きてほしい。

これからも幸せでいてほしい。


過去のあなたには感謝しかないよ。

思い留まってくれて、生きてくれて、

本当に本当にありがとう。


過去の自分を笑ってやれるくらいに、

いっぱい幸せになって。

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