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「きらいなもの」
幼い頃からどうも辛いものが嫌いだった。
甘過ぎて噎せてしまうようなものも嫌い。
ケチャップみたいな刺激のあるものも嫌い。
きっと痛いことが嫌いなんだろうね。
強いあの子も幼い頃は
転けて膝を擦り剥くたびに
声を上げて泣いていたもの。
わたしも、汚い世界に生まれた瞬間、
痛い痛いと弱々しく泣いたから。
目で見て汚く笑わないで、縛らないで、
どうか、離れていかないで。
寒いよ、痛いよ。
男も女も嫌い。
女は気に入らないと壊すし、
男はたかが好奇心で汚す。
男でも女でもある私も、大嫌いだよ。
なのになんでか、
男でも女でもない君と同じように、
男にも女にもなる君が堪らなく好きなの。
どうか、離れていかないで。
わたしをひとりにしないで。
幼い頃から変わらず幼い、
後先考えず思い立って行動して泣く、
今だにトイレで紙を使えない私を、
どうか許して。
すくってよ。
あいしてる。