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「崩壊」「想ひ出」
あなたが自分のためと、
保身でやってることこそが、
実は何よりもあなた自身を
壊していってるんだよ。
守ってるんじゃない、
立ち止まって足元を崩してるんだ。
*
愛されたことがなかったわけじゃないけれど、
人の温もりを感じたとき、
何でか涙が溢れた。
私はむしろ愛されてるし、
余裕で幸せな部類の人間だと自覚している。
それでも満たされない何かは
必ず誰しもがある、
その内の一人であっただけ。
久しぶりにギュッと抱きしめられて、
頭を撫でてもらえて、
今は亡き祖父母を思い出した。
下心のある同じ行為なら
遠くない過去にされてる。
何かが違った。
涙が滲み、
溢れた分は自分の袖で拭って。
目元が乾いた頃には
ほっと安堵の息が漏れた。
純粋な友愛と家族愛は別だと分かってる、
それでも手離したくない関係だと思ってしまう。
彼らとまで縁が切れてしまうなら、
きっと「今度こそ」大泣きで
数日間は瞼を腫らすのだろう。
ああ、嫌だ、なんて醜い欲なのか。
私はただ彼らと
そこに居るだけで
幸せだというのに。