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在るのに無い  作者: 千瑞
2/12

「鳥籠」

ゴールデンウイーク初日の朝、

自分だけの特権だった人を失った。


ただトラブルが重なって、

受信された文面ひとつで確定化して、

何粒もの涙を流して。





私は彼女にとって特別だった。

彼女も私にとって特別だった。


特別が廃れ、

虚ろな心は指を通して

ケータイを扱う。


数日後、初対面の女性と出会う。

そして体を重ねた。


つくづく向いてない、

潔癖な顔がチクチクと心を突いてる。


白かった心を汚して、

その汚れに嫌悪感を抱いて、

それでもやめれなかったの。


私が人と体を重ねるときだけ、

他人の特別になることができるから。





寂しかったんだよ、知ってる。


性欲がないのに行為を求めるのは、

誰かの特別に少しの時間でもなりたかったから。


家族じゃなくていい、友達じゃなくていい、

恋人じゃなくていい、形なんて問わない。


お互いが特別でいられた家族は亡くなったね。

友達だって性別の壁を見て上辺だけだったけ。

心から好きだと思えた恋人とは世間が許さなかった。


私は何を求めてもダメなんだ。

窮屈な世界に飽きたよ。





また、手が汚くなる。

触れられるのは嫌い、私が触れるだけ。


求められるたびに溢れ出す多幸感。


こうして「1度きりの関係」を、

何度も何度も繰り返すの。

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