マッドマックス2
マッドマックス2
視力も衰え、記憶が覚束ない老境に入っても尚、鮮明に思い出せる「マックス」という名の過去に出会った一人の男に関する北部族長老の回想から物語は始まる。
前作の直後に二大国間で勃発した世界大戦により文明は崩壊、戦争の影響で枯渇した石油を巡り、凶悪な暴走族が略奪を繰り広げる荒廃とした砂漠の世界へと変貌した。
元警官マックスは、前作で妻子を殺されたショックから生きる希望と目的を失い、相棒である犬と共に改造を施した愛車V8ブラック・インターセプターに乗ってひたすら走り続ける日々を送っていた。
ある日、マックスはインターセプターの燃料を狙って追い回していたウェズ率いる暴走族のグループを追い払った後、道中で1機のオートジャイロを見つける。そこでオートジャイロのパイロットのジャイロ・キャプテンの襲撃を受けるも返り討ちにし、彼から近くに石油精製所があることを教えられる。
マックスはジャイロ・キャプテンの道案内で周辺区域を縄張りとするヒューマンガス率いる暴走族の襲撃に日々脅かされている石油精製所へと辿り着き、その暴走族の中に自身を追い回していたウェズの姿も見つける。
石油精製所に近づく方法を模索するため張り込みを始めて数日、石油精製所から数台のバギーが出発し、暴走族に捕まる光景を目撃。
鎖で拘束したジャイロ・キャプテンを野放しにしたマックスはウェズの手により重傷を負った精製所の男性を精製所に搬送し、施設内に入る事に成功するも直後に男性が息を引き取ってしまった為、リーダーのパッパガーロとの物資取引は頓挫、愛車も差し押さえられてしまう。
直後、ヒューマンガスら暴走族が精製所から出た住民を車両に磔にしながら接近すると「精製所を手放して立ち退けば命は保証する」という妥協案を突き付けて立ち去っていく。
(Wikipedia抜粋)
ご存知「女子供は黙ってヤられてりゃあいいんだよ! ヒャッハー!」なやつです。
近年ではシリーズ4作目となる『怒りのデスロード』がスクリーンを席巻し、一時期旋風を巻き起こしたのは記憶に新しいですね。
1作目の設定はまだ戦前といいますか、舞台が北斗の拳でいうところの核の炎に包まれる直前といったところで、奥様や子供がいました。
家族が生半可なヒャッハーに蹂躙された警官メル・ギブソン(別名:マックス)が主人公でして、警官だけどドライブの腕とか超ゴイスーでそれを駆使して本人自身が「法? なにそれ速いの?」みたいなメンタリティで公道の暴徒を次々と取り締まっていたイケメンでした。
イケメンに辛辣なこのご時世、哀れマックスの家族は生半可ヒャッハーの手によって殺されてしまいます。精神から血管から色々ブチギレてしまったマックスくんがこれに復讐を遂げるまでが1作目。
本格的に荒野の真ん中でカーチェイス真拳を振るうのは2作目からなので、話題をさらっていった「怒りのデスロード」は2の世界観をベースにした話といって差し支えないでしょう。
道路を音速で彷徨う幽鬼となった2のマックスくんは相変わらず初っ端からヒャッハーを相手にカーチェイス乱舞をしてるわけですが、行き当たりガソリン不足に悩まされ実質MP不足に陥ります。
そこで出会ったのは、なんかガワのない拳銃一発で堕ちそうなヘリコプターをぶんまわす貧相で貧弱なFF4のシドっぽい黄色なおっさんことキャプテン(ブルース・スペンス)。
彼に聞くところによると、この先にガソリンの豊富な採掘所があり、しかし分けてもらうにしろ奪うにしろ容易ではないとのこと。
その採掘を行う村の一団と、付近を支配するヒューマン・ガスというジャギっぽい頭を筆頭に置くヒャッハーの一団との競り合いに巻き込まれるというのが話の大筋です。
僕自身が先に「怒りのデスロード」を見てしまった後なので、やや迫力不足は否めませんでしたが、相変わらず「何台クルマぶっこわしゃ気がすむんじゃこいつらぁ〜最高カナ〜?」というチェイスデンジャラスアクションの連続で、まぁ子供も女も容赦なく死ぬし、なんなら男はそれ以上にエグく死にます、みたいなスタントマン殺しの車回しの連続でした。
1にもデスロードにも無かった要素として、貧弱黄色シドっぽいキャプテンの操るジャイロ・コプターの存在がありました。
これがうまくチェイスを繰り広げるマックスとヒャッハーたちの位置関係などを俯瞰視点で流動的にとらえていて、少数で多勢に挑んでいくアドバンテージになる空の戦力という作中の位置付け以外にも、臨場感あるカメラワークを担うという芸術点の高さにシビレました。
怒りのデスロードでもありましたが、マックスの運転するタンクローリーの重量感もチェイスを白熱させる要素として欠かせません。車を踏み潰す力強さ、取りつかれてヒャッハーとの白兵戦に至る「場」としての機能性、そして最後にそんなやばい重量のものが横転していくわけですから、まぁーーウワァーー以外の言葉は出ませんよね。男子として。
『怒りのデスロード』にハマった人はぜひその原点をのぞき見る作品として必見です。
なお、1・2・3・デスロードの順で、2が良作、3がイマイチだったため4がデスロードに改題となったという逸話があるので3の視聴予定は今のところありません、はい。