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ナインスゲート

『ナインスゲート』(The Ninth Gate)は、1999年に制作されたフランス、スペイン映画。『戦場のピアニスト』(2002年)を手掛けたロマン・ポランスキーの監督作品。彼の現在の妻エマニュエル・セニエも出演。


(ストーリー)


ドン・キホーテなど稀覯本きこうぼん、アンティーク製本の発掘を生業とするコルソは、悪魔学の泰斗でもある収集家バルカンから、世界に3冊しか現存しない祈祷書きとうしょ『影の王国への九つの扉』について、3冊のうち本物はどれなのかの調査を依頼され、バルカンのコレクションであるオリジナルと思われる1冊を借り受けたのち、他の二冊と比較するために世界各国へと飛び立つ。


破格の報酬に惹かれて仕事をけたコルソだが、調査を始めて以来、彼の周りには謎の女が付きまとい始め、不穏な空気が漂う。双子の製本家セニサ兄弟から悪魔本のヒントを得て、本の秘密の鍵は堕天使ルシファーの署名が入った挿絵の版画だと知り、3冊の本に載せられた版画が少しずつ異なっていることに気付く。


(Wikipedia抜粋)



若かりし日のジョニー・デップが扮するのは、古書コレクターが求めてやまないレアな古書ーー稀覯本きこうぼんをあらゆる手段を使って探し出し、時に悪知恵を働かせつつ転売したりして身銭を稼ぐ本の探偵。


そんな彼はある日、文学における悪魔学研究で名高い古書収集家にして富豪のバルカンさんに世界に3冊しかない魔道書の真贋しんがん証明を託されたので、さぁ大変。


破格の金と悪魔の署名、人間の欲望と祈祷書の持つ謎の渦中に巻き込まれていき、周りの人間は次々と変死を遂げていく……そして待ち受ける運命とは?



ダヴィンチ・コードを彷彿とさせるこのミステリー探求映画の指揮を執ったのは、この映画の3年後に戦場のピアニストを世に送り出すロマン・ポランスキー監督。


正直「よくこれの次に戦場のピアニスト作れたな!!」って映画です。まぁ色んな意味で。


全編を通してうすら不気味な雰囲気と、黒魔術アトモスフィアが好きな人にはたまらない語句の連立、悪魔の作った本の名を冠する「ナインスゲート」を巡る野心に巻き込まれるデップさんがかわいい一品となっています。


言うなれば、集中して本を読んでいる時にふと感じる背後の気配への恐怖、そういう純粋かつ根源的なホラーへのリスペクトが感じられる作品でした。


全体的にとても雰囲気があって知的興味をそそられるんですが、いかんせんラストがなぁ……。という感想がネットを見渡すと散見されます。


他でもなく僕もその一人で、例えるならそれまでは順調にダヴィンチ・コードをしていたのに、終了20分前からいきなりジェイソン・ステイサム主演の「ワイルドカード」に移り変わったような錯覚に陥ります。


「あっれーーおかしいナーーワイルドカード見てたんだ俺ーー」と気付いた次の瞬間エンドロール。ううむ、なんとも言えない。良くも悪くも二面性がある映画です。


ただほんとに甲乙付けがたいまでに途中までのホラー&ミステリーな雰囲気が素晴らしいのです。悪魔ってほんとにいるの? いないの? ってところまで。で、結局悪魔は居るっぽいんですが、いや居るの? は? ってとこで終わるのがいとおかし。


最後の主人公の行動動機の移り変わりも初見では追うことができませんでした。悪魔に魅入られたといえばそれまでですが。


広げ方に加えて畳み方もうまくなければ画竜点睛を欠くんですよ、というのを分からされる一作でした。

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