君の名は。
【あらすじ】
東京の四ツ谷に暮らす男子高校生・立花瀧は、ある朝、目を覚ますと飛騨の山奥にある糸守町の女子高生・宮水三葉になっていた。そして、三葉は瀧の身体に。2人とも「奇妙な夢」だと思いながら、知らない誰かの一日を過ごす。
翌朝、無事に元の身体に戻った2人は入れ替わったことをほとんど忘れていたが、周囲の人達の反応や、その後もたびたび「入れ替わり」が起きたことによって、ただの夢ではなく実在の誰かと入れ替わっていることに気づく。2人はスマートフォンのメモを通してやりとりをし、入れ替わっている間のルールを決め、元の身体に戻った後に困らないよう日記を残すことにした。
(Wikipedia抜粋)
ということで第一回は『君の名は。』です。
古い映画が中心になるよって言ったのはどこのドイツだ!? 出てこいオルァァ!!
はい。
この映画についてはまず小説から入りました。
小説版については映画の補完的な内容もいくらか網羅されておりまして、文調も新書とラノベの中間と言ったところで、軽すぎず重すぎないほどよい密度の内容となっておりました。
アメブロの方でも所感を書きましたが、まずストーリーを集中して追うことができて良かったです。印象としては新海誠監督の伝家の宝刀、切ない青春ラブストーリーを流行りの要素である時系列移行のホーカムを取り入れてシュタインズゲート仕立てにしました、という感じでした。
痛感したのはまったくブレない新海監督の飽くなき青春ストーリーへの求道心です。良い意味で『ほしのこえ』からまったく変わっていない。いやむしろ秒速や言の葉を経てすごくなっていく一方と言いますか。どうするんですか。これ以上の切ないものぶつけられたらもんどり打ちまくって頸椎損傷する勢いなんですよ僕は。
ともあれ、順次ストーリーは流れ流れて、死に別れるはずだった二人はシュタインズゲートを開いて岡部とクリスみたいな再会を果たして終わります。本当にシュタインズゲートをやってる人からすると『運命的に決定した事象がこんな一発の頑張りで覆っちゃっていいの?』とか思わないでもないですが、いいんです。
時間ネタはダシだからいいんです。切ない恋愛パッワーの前には、んなこたぁ些細な問題ですから。
続いて劇場版。
映像綺麗ですねーー、わーーすごい。
以上。
とはならないほどよくよく見れば映画のノウハウも高いレベルのものがありました。
音響。あのみつはちゃんの脳天をカチ割るような隕石の墜落シーン効果音は忘れられません。劇場で見て一番良かったと思えた点は映像以上にその迫力でした。
シーン及びカメラ回し。
さすがにうまい。気付けば綺麗な映像が最大限映えるように視点を誘導させられてます。
ところどころ挟まれる列車のドアや襖の開閉シーンが良いアクセントとして働いていて、映像美すぎる映像美から視聴者を一瞬だけ日常に引き止め返してくれます。
RADの挿入歌。
これはちょっと入れすぎだったかな?
4曲はちょっと多いかな? さすがに。
映画を観に来たのにミュージカルを見せられてる気分になりました。RADが好きならさらに引き込まれるかもですが、ちょっと得意ではないところが僕自身の瑕でした。
ともあれ、これを書いている今現在、歴代興行収入が千と千尋に次いで2位という大業、破竹で爆ぜる竹ももう間もなく無くなるレベルの爆進に違わぬ完成度である作品なのは言うに及びません。
最先端の背景美術、最先端のストーリーにおける流行要素、そして『ほしのこえ』から漬け込まれた新海監督一世一代の切ない恋愛要素という濃縮自家製味噌のテイストが黄金比で炸裂した一作となっています。
まだ観てない人は劇場へGOです。
孤独で卑屈なオタクの僕でも泣けましたからたぶん誰でも大丈夫です。たぶん。