8.結構楽しかったです
普段使っている調理器具を洗いふきんでふき取る。
そうして彼女たちを呼ぶ。ついでに楓がついてきているのは気にしない。
「今日は料理をするってことで唐揚げとそれなりに料理をできると信じて和風の茶わん蒸しをつくろうか」
「えっ、だいじょうぶかなぁ、難しそうだしな~」
「とても難しいそうだね」
「普段料理しているならそれなりにできると思うけど」
「えっ、いやぁ弁当はいつも弟が作ってるからたまにしか料理しないんだよね」
「えっ!?あの女子らしい弁当はその弟が!?」
「うん……」
何それ、何かものすごく残念なんだが。
「その、実は弟に負けたくなくて君に料理を教えてほしいなって、嘘ついてごめんね」
そう謝られた。断る理由はないため承諾する。
それと一つ気になったんだが、そこで俺らを無言で見つめている楓と浅葱さんは何がしたいんだろうか。ずっと俺らのほうを見ていて何も言わないから気まずいんだが。
「気を取り直して料理を始めよう」
そういって用意していた食材を取り出し、調理を始める。
正直茜は料理ができると思ってたからそれなりに難しい料理を選んだんだが完全になれていないので教えるのに苦労した。なぜかついてきた楓も一緒になって料理をしていたため、なんだかんだで楽しい時間になった。
思ったより時間がかかったがそれなりのものができた。正直料理が上手とは言えないがほぼ初心者がここまでやったとなればほめるべきだと思う。
そうして彼女たちは満足そうに食べ、少し話したら帰っていった。