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2.ボッチには辛すぎる

 「君はいつもここにいるよね」

 「あ…はい」

 「ここはいいよね、風が気持ちよくて暑すぎず寒すぎずちょうどよくてね」

 「……そうですね」

 「敬語じゃなくていいよ、同い年だし」

 「…はい」

 「まぁいいか、私は1-Aの蒼井茜、君は?」

 「……相馬伊織」

 そういった瞬間に少し考え込む。

 「相馬伊織君ね、よろしく!」

 そういいながら握手を求めてくる。

 いや、本当に普通のボッチだったら勘違いするから!

 そうしばらく動けずにいると若干寂しいそうにしたから焦って握手をする。

 「よろしくね♪」

 彼女の顔は一気に晴れ、嬉しそうにした。

 そうして手を放し座る。

 

 しばらく沈黙が流れる。

 コミュ障にはきついんですけどこの空気、気まずい。

 「…じゃあ、そろそろ時間だし戻るね」

 蒼井茜は気まずそうに教室に戻っていった。

 「俺も行きますかね」

 そういいながら教室に向かい、いつも通りに授業を受ける。

 そのまま帰路につき、家につく。

 そのまま夕食のを作り始める。


 「ただいま~!イオ兄ご飯できてる?」

 「おう、もうすぐできるから着替えてこい」

 「は~い」

 今年中3になる妹は着替えに自分の部屋へ向かった。


 今日は妹の好きなハンバーグにしてみた。

 料理を終え食卓に並べると妹を呼ぶ。

 「楓~!できたぞ!」

 「はーい」

 楓が降りてくる。

 「今日のご飯は何かな?」

 「楓の大好きなハンバーグだよ、残さず食えよ~」

 「やったー!」

 楓は嬉しそうにしながら席につく。

 手を合わせ、「「いただきます」」といい、丁寧に盛り付けてある料理に手を付ける。

 自分で言うのもなんだが……。


 「楓、相談なんだが今日の昼、俺がベストポジションで寝ていたら学年で一番人気のある女子に声をかけられたんだ」

 「イオ兄はイケメンだから普通じゃないの?」

 好物のハンバーグを頬張りながら楓はいう。

 「そんなわけがない。俺はボッチだ。」

 「そうだったね~、ボッチのイオ兄に知り合いができたなんて嬉しいよ」

 まだ頬張っている。

 そんなこんなで、飯を食べ終え、風呂に入って床に就く。

 「明日はこねぇよな」

 そんなことを言いながら瞼を閉じ、深い眠りにつく。


 朝。

 いつものように朝食を食べ、同じ通学路を通り、門をくぐる。

 下駄箱で靴を履き替えるときに声をかけられる。

 「おはよう!伊織君」

 その声の持ち主はもちろん蒼井茜だ。

 「……おはよう」

 「朝から元気ないなぁ!もうちょっと元気に挨拶してよ!」

 コミュ障だから無理だといいたい。

 「おう…」

 こんな感じにしか挨拶は返せません。これが限界です!!

 「まぁいいか、遅れちゃうから先行くね~」

 「あぁ」

 彼女は生返事を気にせず教室へ向かう。

 「今日もお昼一緒しようね~」

 そんなことも言っていた。

 マジ勘弁してくれ!

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