少女、会っちゃいました。
『はぁ、』
別に悩みなんてない。ただふとこの関係をこれから先も続けていくんだろうなって思うとため息が出た。不満じゃないんだけど。これが普通なんだろうけど…ね。何でも話せる親友が欲しいし、カラダだけのセフレじゃなく、デートとか暖かくなるような恋もしてみたい。
『はぁ。』
そう思えば思うほどため息が出た。
「そんなにため息ばっかりしてちゃあ疲れちゃうよ?」
いや、疲れてるからため息してるんでしょうが。ってそんな事どうでもよくて、
『…誰?』
そう、今目の前には見た事も無い、天使のような美少女が立っていた。そう、美少女。私は美少女が大ッ嫌いなのだ。
『何のようですかー?』
1トーン上げて声を発する。これが普通の行動。だって美少女がいるってことは絶対に近くにはイケメンがいるから。過去の経験上わかっている。
「ユキ」
ほらね。ってかユキってどこかで聞いたなって嵐君とかといる人の名前じゃん!!てことは…この声って…
嵐「何してんの?…また変なのに絡まれてんのか?」
変なのって何よ。あ、私がムリ系男子だわコイツ。乙女ゴコロがわからない、セックスのテクだけあるやつだよこいつ。
ユキ「あぁ、違うよ!!この子ね?めっちゃため息ついてるの!!めっちゃ可愛いのにー!何でだろうかなって声かけたの!!」
こいつ。やるな!!直感でわかった。今のは私からすれば、
ユキ「あぁ、違うよ!!この子ね?めっちゃため息ついてるの!!めっちゃ可愛いのにー!まぁ私の方が可愛いけど?何でだろうかなって声かけたの!!偉いでしょ?私!!こんな格下の女にも慈悲を忘れない慈愛に満ちた私の事好きでしょ?」
にしか聞こえない。お前は女神のつもりか!!ほんとにこういうのっているんだね。初めてみたわ。
嵐「おい、なんで無視する。」
『はっ!!』
トリップしてたせいで嵐君に声をかけられてたのに気づかなかった!!
嵐「俺が声かけたんだから返事しろよ。…あぁ、俺に見惚れてたんだ?俺、かっこいいし」
は?…ごめん。もう一回言わして。は?え、ごめん。きしょ!!きもい!!
『気持ち悪いんですけど。』
嵐「は?」
ユキ「え?」
二人とも固まってる。いやいや何勘違いしてるんだか知らないけどさ。私、ナルシスト大ッ嫌いなんだよね。
『帰りますね。もう会わないだろうし。』
そう言って去っていく私。かっこいいわー、これが真のカッコよさよ!!
嵐「おい、まてよ。」
『触らないで。気持ち悪いんですけど。』
あえてもう一回言った。別に触られるのはどうでもいいけどなんか気にくわなかった。
嵐「…お前、気に入った。俺の玩具にするわ」
『いや結構です。』
ユキ「…私も気に入った!!名前何ていうの?私は雪見 有紗!!よろしくね!!たぶん同じクラスだよー」
そう言って笑った雪見さんに絶望した。絶対会うじゃん!!