ユージン&ティナ、初コンビネーション!
奇襲! 矢と石と棒
「じゃあ――いくよ、ユージン」
ティナが深く息を吸い込み、弓を引き絞る。
放たれた矢は、ゴブリンの見張りの一体の喉を正確に射抜いた。
「グギッ!?」
もう一体が驚いて振り向くより早く、ユージンはすでに動いていた。
(今だ!)
気配隠蔽を解除し、茂みから飛び出す。
右手にはいつの間にか拾った小石が握られていた。
ヒュンッ――!
石がゴブリンのこめかみに命中する。
──《投擲Lv2》
「グギャッ!」
見張り2体、ほぼ同時に沈黙。
「ナイスコンビ!」
ティナが小さくガッツポーズする。
だが、残り8体がこちらに気づき、一斉に武器を構えた。
「グギャギャギャ!!」
「よし……ここからは正面から行こう!」
⸻
前衛ユージン、後衛ティナ
「ユージン、前お願い!」
「了解!」
先頭の3体が突っ込んでくる。
ユージンは一歩前に出て、棒を構えた。
(まずは脚を止める……!)
前に出てきたゴブリンの足を、棒で払う。
もう1体の横薙ぎを、身体を捻って避ける。
《忍足》で培った軽いステップが、ここで活きていた。
「今!」
ティナの矢が、よろめいたゴブリンの胸を射抜く。
ユージンも、
転びかけたゴブリンの顎を棍棒のように振り上げた棒で打った。
――バキッ。
地面に倒れ込むゴブリン。
──《棒術Lv4》習熟度上昇。
(動きが、前より自然になってきた……!)
⸻
索敵で“見えない敵”も見逃さない
そのとき、索敵が背後に“違和感のある点”をとらえた。
(後ろ側の木陰に、もう2体……回り込もうとしてる!)
「ティナ、後ろから2体来る!」
「任せて!」
ティナはくるりと身を翻し、木陰に向けて矢を2連射する。
1体の肩、もう1体の脚を射抜き、動きを止めた。
「ユージン、トドメお願い!」
「了解!」
ユージンは跳び込みながら棒を突き、
ゴブリンの武器を弾き飛ばしてから、横っ腹へ一撃。
残りは3体。
すでに怯んでいた。
「グ、グギャァ……!」
「よし、押し切ろう!」
2人は息を合わせ、最後のゴブリンたちを一体ずつ丁寧に仕留めていった。
⸻
初パーティ戦のあとで
全員倒れたのを確認し、ユージンは大きく息を吐いた。
「ふぅ……なんとか、やり切ったね」
「やり切ったどころか、大成功でしょ!?」
ティナは両手を挙げて喜んだ。
「ユージンの索敵と気配隠蔽、本当に頼りになるよ。
前衛しながら偵察もできるとか、ずるすぎ!」
「いや、ティナの弓がなかったら、普通に囲まれてたよ?
あそこで後ろからの2体に気づけたのは、ティナの射線が信頼できたからだし」
「……へへ。そう言われると、悪い気はしないね」
2人は倒したゴブリンの証拠部位を回収し、街へ戻る準備を始めた。
その途中――
「よし、今日は私が飯当番ね!」
「え、ティナが?」
「だって、料理スキル覚えたでしょ、ユージン」
ティナはにやりと笑う。
「私だって覚えたいんだよ、そういうの。
一緒に作ったら、いつか私も《料理》って出るかもでしょ?」
「……そうだね。じゃあ今日は一緒に作ろうか」
「うん!」
焚き火の火が、2人の笑顔を揺らしていた。
⸻
10.この冒険が、後のランクアップに繋がる
ギルドに戻って報告すると、受付嬢は目を丸くした。
「ゴブリン10体を、たった二人で……!?」
「はい。ティナの弓と、僕の索敵と棒で、なんとか」
「すごいですよ、お二人とも。
これはしっかり評価させてもらいますね」
この冒険の実績が、後日ユージンのギルドカードに記録され、
やがて――
「ランクアップ試験の候補者」として名前が挙がることになる。
それは、少しだけ先の話だ。




