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79:ロドニー・デュー視点36

挿絵(By みてみん)


王立魔法学院高等部ーー。


今や前代未聞という状態まで学院内の風紀は乱れまくっている。


婚約者のいるイケメンにやたらと身体を触れてくる令嬢が増えて、しかもそうやって誘惑した後には婚約者から寝盗るという略奪愛が横行。


男の側からすれば「略奪愛ブームに乗ったヤリマン」が次々に据え膳を差し出してくるのだから、かなり美味しい状況だ。


元々高等部は男女比率が女子多め。

イケメン達にとってちょっとしたハーレム状態。


そんな中でもやはりーー

クラリッサ・チャニングは「一度寝た男は離さない」という勢いで、王子達とロードリック・クロックフォードを誑かした状態を維持していた。


俺は女好きな筈だが…クラリッサだけは好きになれない。

たとえ据え膳を用意されてもクラリッサ相手だと無理だ。


(…よくもまぁ、日替わりで食い続けられるもんだ。やり過ぎでどうにかなるんじゃないのか?)

と心底から呆れる。


ドミニク王子の婚約者であるグロリア嬢

ロードリックの婚約者であるマライア嬢

グレッグ王子の婚約者であるユーフェミア嬢

彼女達の人相はとうに鬼面に変わっている…。


俺は「貞操観念」というものに関して

今回しみじみと考えさせられた。


世の中が一夫一妻制で人々が落ち着いていられるのは

「そう在った方が得だから」

という損得勘定による計算が潜在的にあるからだと思っている。


「ヤリチンが他人を苦しめながら伸び伸びと快楽を味わった挙句に社会的にも正当化される」


「ヤリマンが他人を苦しめながら伸び伸びと快楽を味わった挙句に社会的にも正当化される」


そんな狂った事態が起きてしまえば

「他人を苦しめながら伸び伸びと快楽を味わった方が得なんだ」

と価値観の逆転が起きてしまう。


そんな「価値観の乱れ」が「風紀の乱れ」へと反映し

目下の者達が目上の相手に対して

平気で暴言を吐いて侮る事態も多発している。


既に

「平民も貴族も王族も同じ人間だ。同じ人間なのに身分差が有るなどオカシイ」

と下位貴族の庶子やら三男やらが喚き立てているのだが…


「王立魔法学院高等部に進学できた事自体が特権階級の特権の一つであり、その特権を享受した上で国や地方自治体の文官に収まりたいと望み、学院に籍を置き続けている」

という自分達の立ち位置が見えていないらしい。


社会構造の旨みを味わっていながら

「自分達よりもっと旨みを味わっている者がいる」

という嫉妬羨望を拗らせ

「自分達は旨みを得てない潔癖な人間だ」

と自己美化した欺瞞を肥大化させる。


そのうちに

『ダブルスタンダードな平等主義』

『ダブルスタンダードな下剋上正当化』

を堂々と行うようになりながら

自分達の外道ぶりを集団ナルシシズムで誤魔化すようになるのだろう。


ダブスタ平等主義

ダブスタ下剋上正当化

ダブスタ情緒主義

そんな安酒に酔ってしまえる連中。


そんな連中が

「自分で自分を賢いと思っている」

のだから…


俺からすれば

「狂い過ぎてる」

ようにしか見えない。


ハッキリ言って苦痛だ。

ドミニク王子に付き添って護衛する事自体がではなく

ドミニク王子に付き添って学院に出入りして

安酒酔いのガキどもの屁理屈・妄言が耳に入ってくるのが

俺にはこの上なく苦痛だ。


不思議なことに

「俺だけが心底から苦痛を感じている」

のだ。


この世界は未だ封建制度適用中。


だからこそ俺以外の人々は

ダブスタ平等主義

ダブスタ下剋上正当化

ダブスタ情緒主義

のような安酒に酔った革新派が

「どんな悲劇と混乱を社会に撒き散らす事になるのか」

という結果を予測できない。


ダブスタ平等主義

ダブスタ下剋上正当化

ダブスタ情緒主義

「リベラル」という美称を冠せられるそれらは

現実世界では常に平和を掻き乱す倒錯と争いの火種だった。


あの倒錯性を知らぬ人達は

実際にそれらが目の前で展開されない事には

ダブスタ綺麗事思想を振り翳す連中の不毛さと醜さを

認識する事はできないのかも知れない。


「思想カルトの倒錯性に対して吐き気を催す」

という正気の人間の感性を

素朴な人達は理解できないのかも知れない…。


封建制度が打倒されて

ダブスタ平等主義

ダブスタ下剋上正当化

ダブスタ情緒主義

という安酒に酔った連中が犯す大罪。


そうした一連の罪の流れを


この世界では俺だけが

「過去と現在をつなぐ社会動向の連続的履歴」

を通して認識してしまっている。


いうなれば俺の感性は

「別の世界で実際に起きたことへの感想」

で成り立っている。


この世界ではまた違う展開もあり得るのかも知れないし

やはりこの世界でも同じ罪が繰り返されるのかも知れない。

(それは実際に時間経過してみなければ未定の未来だ)


ただ、この世界でも同じ罪が繰り返される時には

俺の視点の中にある革新派への偏見は

「ネタバレ的な予告」

(神秘的に言うなら予言)

となってしまうのだろう…。



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