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挿絵(By みてみん)



恋をするとーー


「それまで色褪せて見えていたものが急に鮮やかに色付いて見える」

そう言われているが…


そうした見え方は

「多幸感を感じさせる脳内分泌物による主観的作用」

なので

「そうした状態を体験するのが必ずしも恋愛関連とは限らない」。


孤独だった人間が

「自分の孤独の原因が自分の了見の狭さと識別力の無さにあった」

と気が付いて

「こんな自分の至らなさを許容して見守ってくれた人がいた」

と知った時にも多幸感が起こる。


それが恋愛感情なのかは分からないまでも…


レベッカにとってエリアルは間違いなく

「好きな人」

になった。


(…私は、誰からも愛されなかった人生が本当はずっと寂しかった…)


だからーー


「この人生では、愛し愛される経験を重ねてゆきたいな…」

とレベッカは、エリアルの告白を思い返しながら心からの本音を独り呟いた…。



*****************



このままエリアルの妻になるなら

レベッカはブライトウェル辺境伯夫人となる。


そのブライトウェル辺境伯家。

伯爵家ながら、ランドル王国内でも屈指の名家だと言われている。


ランドル王国は280年ほど前に興った国なのだが…

ランドル王国がある国土は興国以前は、錬金術・魔道具技術が進歩発展していた魔道王国だった。


ランドル王国は、魔道王国の王家・高位貴族による圧政に耐えかねた庶民が一斉蜂起して革命を起こして作り上げた国なのである。


その時に革命軍を率いていたのが魔道王国の辺境伯だったバーナード・レヴァイン。

ランドル王国の初代国王となった人物である。


ブライトウェル辺境伯家は「初代国王バーナード一世を輩出した家」でもあり、バーナード一世の愛妾が産んだ庶出の王子が後を継いだ家でもある。


「いつかレヴァイン王家が魔道王国の王家と同じ轍を踏む日が来たなら、再び辺境伯家が悪政に終止符を打てるように」

との意図も有って


辺境伯領は自治権も認められていて

王国の干渉も最小限。

独特の文化や慣習を持つことが許容されている土地柄なのだ。


辺境伯家の成り立ちが「王家のストッパー」なので

そこに嫁ぐからには、その役目を忘れずにいたい…。


そして辺境伯は伯爵ながら公爵レベルの特権が認められている。

「樹海に棲む魔物の脅威と、その先にあるバルシュミーデ皇国の脅威が深刻だから」

でもある。


この世界が乙女ゲームの世界と設定を同じくする世界であるからには

ゲーム内で起きていたバルシュミーデ軍の侵攻も起こるのかも知れない…。


乙女ゲーム『暁の乙女と時空の虚無神〜革命前夜〜』の中では

「運命」という言葉の同義語として

「現象遺伝子」という言葉が使われている。


肉体の遺伝子は良くも悪くも変化し得る。

それと同じく現象の遺伝子も良くも悪くも変化し得る。

そうした考え方がゲーム内で度々語られていた。


人災も厄災良くも悪くも変化し得る。


人災・厄災が

「人類がそれを乗り越える事ができるように毒性の薄まる変異を遂げる」

時にようやく


「人災・厄災は人類を刷新するための必要悪であった」

と初めて存在意義が認められる現象となる。


だが人災・厄災その段階にまで至れない場合はーー

人災・厄災は人類をただ苦しめただけの絶対悪で終わる。


悪以外の何者でもない

「生まれてきてはいけなかった存在」

として、その意味合いが固定される事になる。


人々は

「生まれてきてはいけなかった存在」

に対して全力で排除しようとするが…


その想いはーー

憎悪よりも怨念よりも遥かに深い。


『暁の乙女と時空の虚無神〜革命前夜〜』

に登場する『時空の虚無神』はまさに

本来なら「生まれてきてはいけなかった存在」だった。


世界を消滅させてしまう力を持つ存在ーー。


誰にも認識されないながら

存在自体の罪を抱えた者。


人々はそういった者に観察されながら

自分自身の星に導かれ

自分自身の運命へと進んでいくーー。




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