47:ロドニー・デュー視点24
大衆を犬に見立てて
「アイツに吠え付け、アイツに噛み付け」
と指示を出して従わせ
「我々の指示通り標的を指差されたら思考停止して牙を剥け」
と自分都合に調教していく。
教会という精神的権威の説法やら
流行の文芸・文化
情報通がもたらすニュースやクチコミ。
そういったモノを通じて大衆の意識を操作する事は難しくない。
そして現にどの国でも古今東西そうした大衆操作は行われている。
大衆は容易く搾取者層側の操作に踊らされて踊る。
それでいてそうした事実を自覚しない。
だからこそ大衆は盲目的。
異国文化の物珍しさに惹かれて受け入れてやれば
「恩を仇で返す事こそ賢人の処世術だ」
と思い込んでいる寄生侵略者から誑かされていく。
対人関係の対立というものは
利害関係の対立がある所では必然的に起こるのだが
敵に誑かされた平和ボケはその事実から目を逸らす。
利害関係が対立しているのに
「対人関係で対立を起こしたくない」
と思うなら
「一方的に不利が強いられる」
しかなくなる。
「争いは醜い」
「異邦人や異邦との対立交渉を避けよう」
などと思えば、どこまでもつけ込まれる。
つけ込まれた挙句に
「異邦人・異邦の言いなりになる」
「皺寄せは自国民弱者になすり付ける」
という方向性へ流れて同族嫌悪・同族切り捨てに流れる。
そんな風に堕ちていくとお次は
「自分の卑怯さを誤魔化そう」
「現実から目を逸らそう」
という潜在的自己美化心理がより一層働き
「人々は益々、敵を無害だと歪曲・美化した虚構現実認識にハマる」
事となる。
「国が内部から寄生虫侵略者に蝕まれていて、国の上流層からも各界の要所からも生粋の先住民が消されていく」
という手口が取られていても…
それらの事実は大衆の目から隠蔽されるものだが…
現実を現実として認識するヒントは案外何処にでも転がっている。
国際社会はエゲツなく醜いのだ。
表社会と裏社会の境界線上に意識を置く者達だけが認識する真実。
それは現実世界でも同様だった。
日本だと某政権と関わりの深い一部の渡来系日本人だけが知っていた
日本の真実の戦後史ーー。
事実歪曲による大規模かつ根深い倒錯と狂気…。
…俺の家系は権力とか太いカネの流れの主流から遠かったものの
「社会のカラクリ」
に関して俺は決して無知ではない。
権力闘争・政争・アングラ侵略の倒錯性と醜さを
俺は知っていた。
なので隣国アザール王国が本格的に
「この国に濡衣捏造を仕掛け因縁を付けてきた」
事によって
「この貴族達が大雑把に二種類に分かれた」
事も予想できた。
「正妃とその実家のオークウッド公爵家を筆頭としたアザール系貴族・アザール系金持ちが天下を取っている現状」
に対して
維持したい派と
改善したい派の二派だ。
維持したい派も
改善したい派も
内部での対立も激しい。
改善したい派は随分と出遅れているし
人心分断工作に引っ掛かっている余裕はない筈なのだが…
それすらも理解できていない様子。
(アザール国が反ランドル思想を展開してるという事は、アザール派がこれまで以上にランドル国の国民に対して寄生搾取の搾取率を上げようとしてる反映だろうな…)
(ここでアザール派を粛清して自国権力の主権を取り戻すのでなければ、本性剥き出しにして凶暴化したアザール系がいよいよランドル王国を滅亡させるために「反権力を振りかざした大衆扇動」を仕掛けてくるぞ…)
と俺には予想がつくのに…
どいつもこいつも呑気に人心分断工作に引っ掛かって内ゲバに勤しんでいる無能ばかりだから嫌になる…。
俺には余りにも当たり前に認識できることが
何故か他の人達には認識できていないらしい。
しかも俺の言うことなどお偉方の貴族様の耳にも心にも届かないことが何とも不安を誘うのであった…。
不吉な質問だと思いながらも俺はドミニク王子に
「…殿下。…もしもの話ですが。…もしもランドル王国が滅亡して亡命しなければ敵に処刑される事態にまで追い詰められたなら、その時はどこに逃げたいですか?」
と尋ねておく必要性を感じた。
ドミニク王子は驚いたように目を見開いた後
「…君の『未来視』は確定なのか?ダンジョンのスタンピードもダンジョンの備蓄養分を削り続ければ勢いを大幅に削いで被害を最小に抑えられる可能性が充分にあるし、もしかしたらスタンピード自体を止められるかも知れないだろう?
…王国が滅亡する未来が訪れる可能性があったとしても、対策を取る事で止める事もできるんじゃないか?」
と希望的観測を述べてから…
「…それでも力及ばずに、王子の肩書きを持っていたら処刑されるという事態になったなら、私は自分の顔を傷つけて顔を変えてでもこの国の市井に潜伏してこの国で生き続けると思うよ…。だから悪いけど『逃げる』先は遠くの異国ではなく国内だ」
と神妙な表情で答えてくれた…。




