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挿絵(By みてみん)


レベッカ・ルースの中身が岡崎五月になってしまった事で

シナリオの変化が起きている?可能性がある。


想定外のことが起こり出していた…。


研修会を終えて

「走り込みの距離を15kmへ変更」

「魔力量の増幅を目指して、魔力切れになるまで魔力を使う」

といった自己鍛錬に励み出したレベッカに対して


父親のグラインディー侯爵イーデン・ルースが執事経由でレベッカを書斎に呼び出してきた。


「ご機嫌麗しゅうございます。お父様」

と淑女の礼をとるレベッカに対して


「…単刀直入に言うが、お前に婚約の打診が来ている」

とイーデンが告げた。


「へ?」

と、レベッカは淑女らしからぬ声を出して、しばし思考停止。


(ブライトウェル辺境伯家が婚約を申し込んで来るのは学院入学後だった筈…)

とゲームのシナリオを思い出し、首を傾げた。


イーデンへ

「レベッカ嬢との婚約」

を打診してきたのは…


意外にもエリアルの親ではなく

ルシアン・バンクロフトとハーモン・トレントの親だった。


しかも研修会でレベッカと同じ班だった次男とではなく

「互いに顔も知らぬ長男と婚約させたい」

との事。


研修会に参加していた次男からレベッカの噂を聞きつけて

「年齢も近いし、将来の長男嫁にどうか」

と考えたらしい。


マーヴィン・ブラッドリーやポール・ダーウィンの家が子爵家なのに対して、ルシアン・バンクロフトとハーモン・トレントの家は伯爵家。


侯爵家より家格は劣るものの

手広く商売をしている裕福な一族だという事もあり

「侯爵家から嫁を取っても問題ない。互いに損にはならない」

という自信も持っている。


彼らから見てレベッカは

「手を伸ばせば届く範囲」

に居る。


「研修会で面識を得た次男のほうと違って全く面識のない相手だからな。

お前の方でも不安が大きかろうと思い、お前に話すのは調査報告書が上がって来てからにしようと、今日まで待っていたのだ」

とイーデンが調査報告書をデスクの上に広げて見せてくれた。


「両家とも経済基盤が安定していて、我が家に一方的に依存してくるような心配もなさそうだ。

比較的良縁の部類には入るとは言える。だがそれはあくまでも家の財力の面での話だ。

当の嫡男達の人間性はこれといって抜きん出た才もなく凡庸。それでいてプライドだけは高いといったものらしい。

もちろん、人間は日々成長するし、今後急激にひとかどの男になる可能性もなくはない。

断るにせよ受けるにせよ、一度会う機会を設けて面識を持ってみると良い」

と告げられて


(要するに会ってみろ、という命令なのね)

と内心で呟きながら


「かしこまりました」

と返事をした。


「調査報告書はお前もジックリと目を通したいだろうから後で写しを取らせてお前の部屋まで届けさせよう。要件は以上だ。行って良い」


部下に事務的な指示をするような口調でそう言われて


「失礼します」

と退室した。


(娘の婚約って結構一大事だと思うんだけど…ホント冷静過ぎて可愛い気が全くない人だよね。我が父ながら…)


レベッカは家庭教師の苦労の甲斐あって

社交などの取り繕う場面でのマナーはマスターしている。


調査報告書を読む限りではーー

バンクロフト家もトレント家も領地持ちの貴族。


バンクロフト家はプレスコット領を治めるプレスコット伯爵家。

トレント家はレディング領を治めるレディング伯爵家。


両家とも収入は安定していて、分家筋の家々を使って手広く商売を行い成功を収めている。


商売を通じてグラインディー侯爵家の分家が経営している商会とも関わりがあり、比較的懇意にしている間柄。


イーデンの言うように比較的良縁に該当する。

「家同士が今後癒着関係を深めても互いに損は無い」

という意味で…。


問題になるのは次期当主になる長男(嫡男)の人間性と器。


「後継者に向かない無能を後継者に指名して後を継がせた途端に家が傾く」

などといった事案は余りにもありふれている。


よほど酷くはない限り周りのサポートで何とかなる事も多いが…

そういった周りの有能さに頼る当主は自分の力量の限界をわきまえていて、それでいて他人から好かれる素直さがなければならない。


そういった人間性の側面でどの程度期待できるのか…

会って、じかに確かめるまでは未知数。


ルシアンの兄であるプレスコット伯爵家嫡男はジェフリー・バンクロフト。

ハーモンの兄であるレディング伯爵家嫡男は…ゴドフリー・トレント。


ジェフリーはレベッカよりも2歳年上。

ゴドフリーはレベッカより3歳年上になる。


既に魔法学院に通学してるので、グラインディー侯爵家の分家の子や、イーデンの姉の子、レベッカの実母の兄の子に、ジェフリーとゴドフリーに関する噂を収集させているらしい。


「お見合い」

などといった正式な顔合わせではないものの

お茶会を開いてもてなすことが決まった。


レベッカが料理上手だと聞いて興味を持ってるという話なので

お茶請けの菓子はレベッカが手作りする事になった。


なので当日は朝からお菓子作りで忙しく動き回った。


お茶会に来るメンツは、ジェフリーとゴドフリーだけでなく、ジェフリーとゴドフリーの弟妹も含むので…


「もしかしたら生まれて初めての(女)友達ができるのかも知れない…」

とドキドキした。


ジューン・バンクロフトはレベッカより2歳年下。

エリン・トレントはレベッカより2歳年上。

チェルシー・トレントはレベッカより3歳年下。


考えてみればーー

レベッカと同じ歳のルシアンとハーモンがいるのだから、バンクロフト家でもトレント家でもレベッカと同じ歳の女の子が居ないのは当たり前だった…。



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