表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カノン  作者: 暦海


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/27

衝動

「……うん、やっぱり最高だよハイノ」

「……そ、そう?」

「うん、もちろん! それに、今のは今日のより()……あっ、ごめんハイノ! その……」

「……ううん、気にしないで。ありがとう、エルナ」



 それから、二時間ほど経過して。

 そう、隣で微笑み告げるエルナ。さて、今の状況はというと……いや、説明するまでもないかな。いつものように、ぼくがピアノを弾いて、それをエルナが聴いてくれているという状況で。


 ……ただ、それにしても……うん、エルナが言おうとしていたことは正しくて。今の演奏は今日のより――そして、これまでの練習の時よりはるかに良いと自分でも分かって。そして、これはあの時……コンクールに向け練習を始める以前まえに弾いていた、あの時に近い感覚で――



「――ねえ、ハイノ。また出ようよ! 初めてであんなに惜しいところまでいったんだもん、今度は絶対に優勝できるから!」



 すると、ぎゅっとぼくの手を取り告げるエルナ。その瞳は水面みなもに映る光のようにキラキラと輝いていて、言葉の通りぼくが優勝できると少しも疑っていないことがひしひしと伝わって……なので――


「……うん、そうだね。ありがとエルナ」


 そう、を見て告げる。この衝動を――その綺麗な瞳から、ついさっと逸らしたくなる衝動をどうにか抑えながら。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ