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1話、遭遇

登場人物

リード 

26歳。炎の魔法を得意とする魔法使い。過去奴隷として子供時代を過ごす。

炎には畏敬の念を持つ。


ミレリー 

21歳の駆け出しのシスター 両親はいない。幼いころ教会へ預けられた

食べることがすごく好きでリンゴが好物。いつも誰にでも笑顔。料理が得意で教会で預かる子供たちにもよく作っている。

 ゴブリンたちの奇声が森の中に響いている。20匹はいるであろう。それぞれの手にはダガーや斧を持ち獲物を前にして醜くよだれを垂らす。誰かが襲われているようだ。

 そのゴブリンの群れに囲まれているのは中年の牧師と若いシスター。

 従者などはいないようで、軽装である。

 彼らの乗ってきたであろう荷馬車は車輪が砕けており、馬はこの襲撃により既に骸となって息絶えている。


 牧師ラークは木の棒を振り回して奴らを追い払おうとしている。シスターのミレリーはモンスターの襲撃に恐怖を隠し切れず震えながら牧師の後ろに隠れている。


 ゴブリンたちは薄ら笑いを浮かべて、少しづつ2人に近づいきている。

 このままでは2人が餌食となるのは時間の問題であろう。



 そこへ複数の馬のいななきが聞こえ、ひゅんっと風を切り裂いて飛んできた矢が1匹のゴブリンの頭を貫いた。血を噴き出して断末魔の声を上げて倒れこむ。そのあとからも矢が何本も飛んでくる。1匹、また1匹と血を流して倒れていく。


 森の中から10人ほどの馬に乗った冒険者たちが駆けつけた。冒険者たちは次々とゴブリンを蹴散らしていく。そして幾つもの大きな炎の塊がゴブリンどもを焼き尽くす。魔法である。生き残ったゴブリンは森の中へと逃げていった。


「大丈夫か?怪我はないか?」


 冒険者のリーダーであるダレンが襲われていた2人に声をかける。へなへなと座り込む牧師とシスターは恐怖から一気に解放されたようである。


 シスターミレリーは言った。


「ありがとうございました。あなたたちのおかげで私たちの命が救われました。ああ、これもきっと神様のご加護です。」


 それを聞き「フフッ」とローブを着た1人の男が笑った。髪型は長髪で鋭い眼光をしている20代ほどの若者である。先ほどの炎の魔法を使った魔法使いであろうか?


「神のご加護だとさ。おめでたい奴だ。こんなところまで護衛もつれずろくな装備も持たずに出てくるなんて魔物に襲ってくれと言ってるようなものだ。

 笑えるな!」



「なっ!!」


 その言葉を聞いて顔を紅潮させて頬を膨らませるミレリー。


 慌ててダレンが言葉をはさむ。


「おおっと、よせよリード!すまねえなシスターのお嬢さん。こいつは神様の類は信じない奴なんだ。少し口は悪いけれど気にしないでくれよ」


 リード。それがこの魔法使いの名前である。


「なんにせよ俺たちが偶然近くにいてよかったよ。あんたたちの馬車もダメになっちまってるようだし、ライトの街まで俺たちが送っていくよ」


 ダレンはラーク牧師とシスターミレリーを自分たちの荷馬車に乗せて走り出す。


 1時間ほどでライトの街についた。


 馬車を降りたラーク牧師とシスターミレリー。


「どうかお礼をさせてください。私たちは隣町からここへ来る途中なのでたいしたお礼はできませんがどうか皆様教会へいらしてください」


 頭をかくダレン。


「ハハハ!お礼なんていらないよ。まあどうしてもというのなら酒でもいつかおごってくれよな」


 10人の冒険者たちは街の雑踏の中に消えていく。シスターミレリーはリードと言われた若い魔法使いの背中を目で追っていた。

短い作品となりますが連作です。リアクションや評価などで応援していただけたら嬉しいです!

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