二日目
皆は、自殺に関してどんな事を思うだろうか。
自分で自分を殺して、一般倫理で考えれば最悪な
行動だ。
質問を変えよう。
皆は自殺をしたいと思ったことはあるか?
または自殺を止められた事はあるか?
なんで自殺が止められるのか…
それは、自殺したいという気持ちはその時の
一時的な感情だからだ。
あとで生きたいって言っても、
もう取り返しのつかない行動。
だからこそ、自殺は愚かな行為なんだ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
五月三日
昨日は何とか生還できた。
今日の朝も、
ニヤついたクソ日本人が弾を渡してきた。
これが鉄格子だったらアイツを撃ち抜いてるのに。
俺が生き残った後、奴らは俺からリボルバーを奪い、弾が抜かれてないかを確認していた。
多分日本人ってのはマヌケなんだろうな、
こんなお遊びに時間を使って、
何人も人を動かしている。
本当にアホだ。
そしてクズだ。
奴ら、
リボルバーから弾を抜くなって言いやがった。
それだと、このまま続けば一週間も生きれない。
シリンダーに入る弾の数は六発。
そして一週間、毎日一弾づつ弾を渡し、
弾を抜いてはいけない。
これじゃあただの処刑じゃないか!
俺は奴らの一人に尋ねた。
弾を詰め切ったらどうするんだと、
ロシア語が通じたのは幸いだったが、
奴は「五日目に伝えてやる」
と冷たく言い切った。
今日の死ぬ確率は三分の一
昨日よりも低い。
だが、俺はやるしかない。
故郷に帰れば、俺は英雄だ。
この地獄に耐えて、絶対に生き延びてやる!
……考えていけないのは分かるが、
やっぱり、ロシアが負けたというのがどんどん現実味を帯びてきている。
もしロシア優勢なら、
日本人は俺にこんな事をさせる暇なんてない、
すぐにでも人質として吊るされるはず。
なのに、日本人はいつも余裕そうに俺達捕虜を
嘲笑っている。
本当にロシアが負けたのなら、
生き残った俺に、帰る場所はあるんだろうか…
ダメだ!
こんな事考えている場合じゃないんだ…
俺は生きる!
家族が待ってるんだ!
国が俺達の帰りを待ってるんだ!
そろそろか……
また、あの忌々しい鐘が鳴った。
それじゃあ、死んでなかったらまた書くか…
ニコロベス・ニコライ・チャフネスキー