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災悪 イプスン・ステリオ(前半)

一ヶ月ほど間が空いてしまいました......

次回からは一ヶ月毎に5本立て続けで投稿しようと思いますので宜しくお願いします。

あと、二尾猫姿大神はこれから猫と省略して書きます。


遂にその日がやってきた。

アイネスは震え、部下の二人は不安そうにしている。

何も知らないステがアイネス達に聞く


「どうしたんだ?」


「いや、なんでもないさ。始めるぞ」


「あぁ」


どうしたのだろうか?何か怯えているように見えるが...


「ステ」


「何?」


「今日は、この二人をお前が倒すまで終わらせない」


「そんな無茶な...僕が倒せるわけないじゃないか!まだ一週間しかたっていないじゃないか!」


「よし、初め!!」


アイネスは聞く耳を持たずに初めの合図を出す。


「うおおおおおおおおお」


いつも通り必死で逃げる。

しばらく逃げていた。


すると、アイネスは合図を出した。すると部下は不安そうにステに攻撃魔法を撃つ。


「あ、これやばいやつだ...」

自分に向かってくる二つの光。やはり、その場面に立っているとわかる。直撃弾だ。手で頭を抑えようとする。しかし、自分の意志とは全く反対の動きをとってしまう。



「大丈夫かしら」


直撃弾を放った後、心配そうにステを見つめていた。しかし、魔法で土煙が立って姿が見えない。


「防御しろ!!」


アイネスが部下に向かって叫ぶ。部下は反射的に反響魔法と防御魔法を張る。


「どうしたのですか?」


そう聞いた瞬間に二人に向かって二つの青い光輪が走ってくる。

その光輪は二人が張った反響魔法と防御魔法を木っ端微塵にし、二人の体に刺さった。


「あっ.....え......」


光輪は二人に刺さったまま止まっていた。アイネスが二人に何重にもかけた防御魔法が効いたのだろう。

しかし、二人は状況を理解できていなかった。


「油断するな!!攻撃を続けろ!!」


アイネスが焦っているような声で言う。


「は、はい!!」


二人はステに向かって攻撃を続ける。

しかし、二人が放った魔法はそのまま跳ね返ってきた


「うぐっっ...なんで跳ね返ってきて....」


「災悪だ.....」


アイネスがそう呟く。アイネスはステを見た。瞳は赤く染まっており、ステから溢れ出ている魔力の量も半端なかった。


「今すぐ援軍を呼んできてくれ!!」


アイネスが部下に向かって言う


「でも、アイネス様は....」


「大丈夫だ!!絶対にここで抑えていて見せる!!」


部下はそっと頷くと、飛んでいった。


「またか.....今度は五体満足で帰りたいよ」


ステから高威力の魔線が飛んでくる。アイネスはすぐさま反響魔法と防御魔法を張る。だが、魔線は反響魔法を突破し防御魔法もを貫通しアイネスの腹に当たった。


「あ゛ぁ゛っっ....熱い...」


アイネスは倒れ込む。

魔線が当たったところは重度の火傷をしていた。

倒れ込んだアイネスの前にステが降り立つ。ステはアイネスの顔を掴み額に手を添える。その添えられた手に魔力が溜まっていく。


「この至近距離での超高密度魔線....助かりそうにないな」


アイネスは死を覚悟した。ステの手にどんどん魔力が溜まっていく。


「グゥゥゥゥゥゥ」


ステの手に魔力が溜まったとき森の方から動物の威嚇声が聞こえた。森から白くて大きな猫が走ってくる。

しかし、普通の猫ではない。尻尾は何尾にも分かれており、体の周りには青く光っている玉が浮いていた。


「二尾猫姿大神.....それに光球....」

ステは猫からすぐさま離れて距離を取る。

猫はアイネスに短刀を渡し、威嚇する。


「あぁ...わかった」

アイネスは全てを察した。


アイネスは短刀に持っている魔力の大半を流し、高密度にして固め、さらにその固めた魔力を刃の先端に詰めた。

ステが魔線を放った。

猫が光球を魔線にぶつけて威力を減少させる。アイネスは短刀を魔線に向けた。魔線が短刀にぶつかった時、手に大きな衝撃が伝わった。


「ぐっ....」


魔線が刀の中間くらいのところまで進むと、魔線が上に跳ね上がり剣が曲がった。すぐに次が来る。アイネスは刀を魔力で修正し再び魔力を流して固める。

猫はステに対して撹乱をおこなっていた。しかし、それに構わず魔線の準備をしている。

しばらくして、またステから魔線が放たれた。


「ん?........」


なぜか違和感を感じる。さっきとは魔力量は同じだが高速で向かってくる。しかも魔線が細い。

魔線の魔力量は同じなのに高速で細い。これは超高密度魔線だ。


「やばっ...」


魔線が刀に当たる。さっきよりも衝撃が強い。刃が大きく曲がっていく。

アイネスも刀に魔力を流して抵抗する。しかし超高密度魔線にはかなわない。それに気付いたのか、超高密度魔線がアイネスに到達する前に猫がアイネスの服を噛み山奥へ飛ぶ。


「助かった.....ありがとう」


上を見上げてみると、複数の人影が見える。


「援軍か..」


上空に火球を放つ。


「おーい。ここだ」


部下が火球に気付き下を見てみると、腹に大火傷をしたアイネスが見えた。


「アイネス様!!」


急いでそばに駆け寄る。


「今すぐ治癒魔法をかけます!」


「あぁ、ありがとう」


「どうされたのですか?」


「後で話す。それよりもステを囲むように対魔法結界を張ってくれ」


「了解しました」


ステを囲むように巨大な対魔法結界が張られた。


「どのくらい保つかわかるか?」


「今のステ君はどの魔王も凌駕するほどの魔力量と攻撃力を持っています。魔王クラスで二日持つくらいですので、せいぜい一日位かと...」


「わかった。ステの母親には泊まりで訓練をするとでも伝えといてくれ」


「承知いたしました」


「とりあえず、仮設基地を建ててくれ。そこで指揮をとる」


「すぐに設置いたします」


二十分程で仮設基地ができた。基地と言ってもテントが複数建てられているくらいである。


「仮設基地の設置完了いたしました」


「よし、ステを鎮圧するための作戦を練るぞ」


「了解」


アイネスはそう言うと、指揮テントに入った。






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