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2次人生


ある豪邸の一室に産声が響いた。その産声に皆が喜んだ


「奥様、お美しい男の子ですよ!!」


「えぇ、とっても美しい男の子ね...」


疲れ切った声で言った。


「おお!!やったぞ!!生まれた!!」


大きな声で喜んだ。


「そうだ!!リスターにも見せよう!!リスターを呼んできてくれ!!」


「かしこまりました。夫様」


使用人がそういい、しばらくして、リスターを連れてきた。


「リスター様、弟様ですよ。」


優しい声で、使用人が言うと、リスターは幸せそうに、弟のほっぺを触った。


ーーーーーー10年後ーーーーーーーー


「ステー、ちゃんと魔法の練習をしているのー」


母親が大きな声でそう言ってくる


「(今は)ちゃんとやってるよー」


「あ、ステが魔法の練習をしているか見てておいてくないかしら?これから会食に向けての準備をしなきゃいけなくて」


母親がそう使用人達にお願いする。どんだけ疑ってんだよ。


「承知しました」


そう返事をすると使用人達が庭に出てきた。五人も出てきて見てくるのかよ..囚人みたいじゃねえか。

はぁ、まあいいや。ちゃんとやろ。

魔法の練習はつまんない。ただ単純な魔法を撃ち続けるだけだから眠くもなる。


「もっと魔力を杖の先端に込めてから撃たなきゃダメよ」


リスターの声が聞こえてくる


「ちょっと見てなさい。」


リスターはそういうと自分の杖を取り出し、杖の先を僕に向けてきた


「ちょっと、なんで僕に向けるの。杖の先は人に向けちゃダメって教わらなかったの?」


「いいから、骨折だけで済ませてあげるから」


「骨折だけで済ませてあげるってなん..ゔっ!」


大きな魔法陣が僕の目の前に現れた。反響魔法をすぐに撃とうとしたが間に合わずリスターの放った魔法が僕の胸に当たった。使用人達が拍手をする。


「くっそ...やっぱりできない...」


「防御もまともにできないようじゃダメね」


そう言って家の中に入っていった。


やっぱり撃てない。魔力はあるはずなのに魔法が撃てない。できても基本的な攻撃魔法だけだ。

それに比べるとリスターは10歳にして高級攻撃魔法を習得した。これは30歳でなんとか習得できるレベルの魔法だ。

気分が悪くなってしまった。少し散歩にも行ってくるか..


「ちょっと、散歩に行ってくるよ」


「でしたら、護衛をお付け致します」


「護衛なんかいらないよ。一人で行ける」


「承知いたしました、お気を付けて。夕方までにはお戻りになさってください」


僕は軽く頷くと門を出てすぐ近くの山へ向かった。

その山をしばらく歩くと小さな池が見えてくる。いつもここにちょっとでっかめの猫がいる。僕は疲れた時とかにそのちょっとでっかめの猫に会いに行く。その猫は毛が白色で、尻尾が二つある。


「おぉ〜。今日もかわいいな〜。ほれ今日はでっかい魚を持ってきたぞ。一緒に食べよう」


でっかい魚をナイフで取り分けて猫と頬張る。相変わらず美味そうに食べるな。そう思っていると、突如として後ろにとてつもないオーラーが現れた。反射的に杖を構えて距離を取りながら後ろに下がる。そこにはマントを羽織った金髪の女が浮いていた。

(あの女、杖を持っていやがる。魔法使いか。)


「こいつが、アルシヌの送ってきた野郎か。男と聞いていたが、女に見えるな」


こいつ...なぜアルシヌを知っている....


「おい、アルシヌを知っているのか」


「ああ、もちろん知っているとも。くだらん野郎だ。とにかく、貴様には死んでもらうぞ。アルシヌの送ってくるやつは大して使えないくせに逆に損害だけを増やし、さらには我らに敵対するようにもなった。存在する価値もない」


そう女は言うと、攻撃魔法を撃ってきた。素人も僕でもわかる。魔法を撃つ速さも、その魔法の威力も桁違いだ。その魔法が僕の顔面に飛んできた。

(くっそ....避けきれない.......)

僕は目を瞑った。  しかし、数秒経っても痛みがない。不審に思い目を開けた。その光景に僕は愕然とした。


「え..」


僕の目の前には全面に反響魔法と防御魔法が張られており、先ほど攻撃を仕掛けてきた女が左腕を失っている。そして僕の隣には、猫がさっきよりも大きくなっていた。


「なぜ..なぜだ...なぜ貴様が二尾猫姿大神に慕われている...それに加えて、前面に反響魔法と防御魔法をたくさん張っている。しかも、今の魔法はなんだ。見たことがない..だが、私の左腕が吹っ飛んだ..

威力でいったら、超特級レベルは超えてやがる...なぜ、アルシヌの送った野郎がこんな魔法を使え.........いや、これは我々魔王も優に凌駕する強さだ....なぜ...」


何が起きたが僕にもわからない。僕は基本的な攻撃魔法でやっとな位じゃ..いいや、今はそんなことじゃなくて、すぐにこの場を離れなければ...そう考えるとすぐに家の方へと走り出した。


「くそ..なんだよこれ..」


周囲に結界が展開されていた。叩いても微妙だにしない。


「待て。貴様は魔王連合に報告する為に連行する。はぁ、クッソ野郎め。左腕が飛ばしやがって。

クソ痛えじゃねえか」


そう女は言うと僕の周りに魔法陣を展開して、その魔法陣の中から光の筋が出てきて僕を取り囲む。

しかし、一回僕に結びついても少し時間が経つと砕けてパラパラになる。


「対拘束魔法結界も張っていやがる...これは一回撤退だな」


女は諦めたのか最後に僕を睨みつけてから空を飛んで帰っていった。そして隣を見ると猫が前足に傷を負っていて倒れていた。


「おい!!大丈夫か!!」


まずは家に連れて帰って、応急処置をしてもらわなければ。

僕は猫を背負って家へと歩いっていった。


















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