おこりんぼさん
また、書きました。宜しく御願い申し上げます。
つい今さっき、道路の向かいの歩道を歩いていた眼を背けたくなる程には深目のスリットの入ったサテンのロング・スカートを履いたおんなの子にちら、と視線を遣った時には、それを即座に見咎めて鬼のように怒った癖に、それから十分と経っていないのにもう、笑っている。さっきは怒られはしたけれど、もう、許されたのかなぁ、ほとぼりが冷めたのかなぁ、と思いきや、突然、二の腕をニ本指でくい、とつままれる。Tシャツ姿のものだから腕は素肌が露出しているが為にそこに激痛が走り、涙目になりながらごめん、と謝るとやっぱり笑っている。 なぁんだ、やっぱり笑っていたのか、と思って安心すると、笑うわけないでしょ、と鋭く言い放ちながら肘鉄を喰らわせてくる。そして、ぷいとそっぽを向いたかと思うと漫画のような怒り歩調で何処か遠く、見えない方まで行ってしまう。 しかし、やがて、両手にポップ・コーンの包みを抱えながら戻ってくる。 そんなことがあったら、おコリンボだなぁ、気分屋だなぁ、我儘に育った娘なんだなぁ、などと少し立腹しながら、益々(ますます)好きになる。
御読み頂きまして。誠に有難う御座いました!