エピローグ「結婚式の後で」
滞りなく結婚式が終わり、シルディアとオデルは寝室で休んでいた。
「無事に結婚式が出来てよかったわね」
「ん。そうだな」
丁寧に手入れをされてしまったシルディアは、いつもとは違う雰囲気にドギマギしている。
(そ、それもそうよね。だって、初夜だもの)
お互い寝台の反対に腰掛けており、意識をしているのが分かる。
いつもであれば必要以上にひっついてくるオデルがシルディアの元へと来ないのも、緊張を増長させる一端だ。
「ねぇ」
「なんだ?」
「もう寝ましょうか。結婚式、疲れたでしょ?」
「そうだな」
少し硬いオデルの声を聞きながら、シルディアは大きな寝台のいつも寝ている場所へ移動する。
隣に来たオデルの手が、シルディアの手に重なった。
するりと手の甲をなぞられ、シルディアの肩がぴくりと揺れてしまう。
シルディアの反応にオデルは小さく笑った。
「可愛い」
反応に満足したのか、手の甲から二の腕まですすすと上ってきた。
ぞわぞわと背筋が伸びるような感覚がシルディアを襲う。
「シルディア」
「ん、なぁに?」
「覚悟はいいか?」
とさりと押し倒され、見慣れた天蓋が見えた。
今までは婚約者だったが、晴れて夫婦になったのだ。
結婚式の夜にすることと言えば、一つしかない。
「もちろんよ。旦那様?」
「ふっ。いいな、その響き」
シルディアへ優しい口づけを落としたオデルは、少し唇を離し微笑む。
「シルディア。愛している」
「私も、愛しているわ。オデル」
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