勘違い
「はぁ!?おいそれどういうことだ?説明してくれ」
冗談じゃない。なんて言うつもりは無い。確かに高坂は美人だしきっといい奥さんになるんだろう。いやでも急に言われてもどうしようも無い。と言うかいきなり朝起きてする話にはスケールが大きすぎる。
「昔の話かな。小学生の頃とか。牧本君が私を守ってくれたんだよ。多分君がいなかったら私は壊れてると思うよ。まあ、あとは秘密!」
そう言いながら俺の唇に手を当てる彼女。
めっちゃ可愛い。案外俺って惚れっぽいのかもな。
世間体というものと彼女の可愛さに比べそうになるが、それでも世間体を選ぶ。
思い当たる節があるから、尚更。
俺の出した答えは、走って全力で逃げること。
だって、また昔のようになっては欲しくない。
きっと今の方がよっぽど凶悪なものが帰ってくるだろうから
ふう、とりあえず学校は着いたな。
「おはよう、聖くん!」
「あ、ああ。おはよう。」
なんか恥ずかしいな。元々俺は女に免疫が無いだけにこうやって話しかけられると実は辛い。
むしろ女性恐怖症にならなかったことを喜ばなければいけないレベルで女子が苦手だった。
「大丈夫?すごい息切れしてるよ」
そう言いながら俺の顔を覗き込む彼女。
仕草も何もかもが可愛い。
うん、シチュエーションとして可愛いよね。
「ああ、大丈夫。その、心配してくれてありがとな。」
そう言うと、彼女の顔が少し驚いたような表情になりながら満面の笑みを浮かべている。
やばい惚れそうです助けてください。
とりあえず教室に入っていつも通り着席する。
ひとつ変わったところは隣に滝本・・・伊織さんがいること。そして何故かずっと微笑みながらこっちを見ていること。
「どうしたんだ、滝本。なんでずっとこっちを見てる」あ、聞かなければよかった・・・勘違いだったら軽く死ねる。その場合セットでクラスにその噂が広まってうわぁーキモイとか言われてしまう。
信じてるよ瀧本さん!!
「えーなにそれー笑 勘違いじゃない」
あー終わった?また新たな黒歴史が増えるんですかそうですか…
「なーんて、嘘に決まってるじゃん!
せっかくできた友達を自分から捨てるわけないよ。
その…ごめんね。その…私やりすぎちゃった。
いじわるしすぎた。」
はあ……よかった…
主に俺の心臓に大きなダメージが入るからほんとそう言うのはやめてくれってと心が叫ぶ。
そうだ、少しやり返してやろう…いや、ダメだな。
「怒ってる・・・よね。本当ごめん」
若干泣いてる・・・泣き顔も可愛いとか思ってしまうがとりあえず笑わせたい。
「怒ってないよ。」
「そっか・・・本当ありがと。」