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織物

「あの・・・牧本さん、よかったらお昼ご飯を一緒に食べませんか?」

授業中少し話してわかったことがある。それは、俺と彼女には似ている部分がある。彼女と僕は理由とは違うとはいえ、底の部分になにか闇というか、暗い過去を感じるのだ。きっと、僕も期待しているのかもしれない。だから俺は

「あ、ああ。」

と肯定してしまった。普段ならあり得ないだろうに。


「ありがとう!私、友達できるか心配だったから。」

過去は似ているだろうと思っても、このように人当たり良いのが多分俺と彼女との違いなのだと思う。



「おーい滝本さーん!一緒にご飯食べない?」

と次の休み時間に聞かれていたけど、先約があるって言いながらこっち向いて笑ってくれた時は泣きそうになったわほんと。うん、ほんと惚れそう。俺じゃなきゃ惚れちゃうな!


昼休みにて

「ねえ、良ければ聞いて欲しい話があるんだ。

私の昔のお話なの。」


「あ、ああ。俺でよければ。」


「私ね、昔いじめられてたの。靴隠されたりとか、暴力はされなかったけど、それ以外の嫌がらせなんてなんでもやられた。ストーカーも、虐めも、色んな嫌なことを経験してきたんだ。辛かったし、心が凍りそうだったんだ。そうしてここにきたんだ。

そこで牧本くん、君に出会ったんだよ。私に下心なく、優しくしてくれる人にあった。だから私は昔みたいに笑えてるんだよ。本当に…本当にありがとう。」


よく見たら目元には涙がうっすらと滲んでいる。

辛かったんだろうなと言うことが本当によくわかる。

ここまで言われて、断れるほど俺は人間として終わっていない。もう一回だけ俺は人のことを、信じてみても良いのかもしれない。


「そうか。おつかれ様。あー、その、俺でよければなるぞ。友達」


「そっか、ありがとう。これからはひ・・・聖くんって呼ぶ///」

What's!?!?

唐突すぎませんかねー。めっちゃ照れる・・・////


「う、うん。」

多分誰が見ても顔が赤くなっていると思う。

そんだけ破壊力がエグいのだ。


「あとさ、これからは私の事・・・伊織って呼んで欲しいな・・・」


「え・・・い、伊織さん・・・」

これが限界です。心臓が潰れてしまいます。


「ま、それで我慢してあげる」

 

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