陽向
「で、どこ行くんだ?できれば人の多くない場所でお願い。」
よくわからない小さいお店で食事でもしてササッと帰りたい。とりあえず家に帰って寝たい。社会的地位のためにもな。
「うーん、あそうだ!カラオケいかない?」
最悪だ。いや男としては嬉しいけどさ・・・ちょっと高坂さんは危険意識を持った方がいい。そもそも、カラオケなんて学校の陽キャたちが沢山いるだろ。いちばん危険とも言える。
「却下だ。第一、学校のヤツらが沢山いるだろ。」
「ふっふーん!私穴場なところ知ってるんだー!
まだ友達には教えてないし、学校からちょっと遠いからバッチリじゃない?」
なんてこったパンナコッタ。なんかこいつとカラオケ行く問題点がスーッと消えていく。
「あ、穴場と言っても知ってるやつだっているだろ」
とりあえずできる最後の抵抗だ。
「牧本くんはさ、私といるのそんな嫌かな・・・」
目から涙が見え隠れしている。ぶっちゃけそこまで言われると断れない・・・。自分の意識と彼女の泣き顔が葛藤する。
「まあ・・・行くって言ったしな。今日だけだぞ」
「やったー!ありがと」
そう言いながら腕にギュッとくっつかれる。
マジで僕を惚れさせたいの?
まあ振られるまでがセットだな。
「そろそろ帰ろっか!」
やっと解放された。高坂さんみたいな美少女と1対1でいるとおもに理性が辛い。
「そうだな!」
「もう・・・なんで帰る時が1番元気なのよ
そーいえば、LINE交換しよ!LINEなら見られないし」
「へーへ。まあ、なんだ?よろしく」
「うん、よろしく!」
何だか笑顔が輝いて見える。