prologue
17時29分。今日の夕焼けは異様な赤さで少し気味が悪い。昔から空は自然災害の予兆として使われるが、確かにこの空を見たのなら誰もがこれから起こる何かしらの不吉な事象を感じ取るだろう。
まるでこの世の終わりといったところだ。
しかしこの「不吉」を感じ取ったところで、僕には何もできないし何かをしようとも思わない。第一いちいちこんなことで右往左往されていては現代の人間社会なんてものは成り立たない。今が弥生時代くらいなら村人総出で神に命乞いでもするものだろうか。
まぁそんなことどうでもいい。今日はコンビニのバイトか入っている。そろそろ家を出なければ。
タンスから適当にパーカーとスウェットをとる。ほぼパジャマだ。まぁコンビニで着替えるし服装などどうでもいいだろう。スマートフォンを充電コードから抜き取りワイヤレスイヤホンのスイッチを入れる。流れてくるのはクラスメイトの会話を聞いていて知ったいわゆる流行りのアーティストだ。もちろん歌詞なんて覚えてない。
少量の小銭をポケットに入れ手ぶらで一階に降りる。玄関で空っぽのリュックサックを背負いVANSのスニーカーを履いて外に出る。少し歩いたところで鍵を閉めたか不安になり走って家まで戻る。
しっかり閉まっていることを確認してからもう一度靴先をコンビニの方へ向ける。空はまだ真っ赤で少し憂鬱な気分になる。
「あー、めんどくっ」
無意識な本音が口から溢れ終わる前に目の前が真っ赤から真っ白になった。あたりが煙、いや光る塵のようなもので覆い尽くされた。咳き込みながらもゆっくりその「原因」に向け、顔を上げた。
これは神のみぞ知る原因不明のエラーからが引き起こした誰も予想できない2つの地球の物語。




