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百均店長、異世界に立つ。

何となく思い付いた事を書きました。誤字、脱字等有りましたら是非お教え下さい。尚、作者はメンタルが絹ごし豆腐並なので、あまり辛辣な批評はご容赦下さい m(__)m

 

「ここが…異世界…。」


 俺が最初に目にした風景は陳腐な表現かも知れないけど、テレビなんかで見た人の手が入っていない大自然そのもの。広大な森、どこまでも青い空。てか、俺に見える範囲に建物らしき物は全く無い。それ以前に異世界って人が住んでるのか?


 そもそも、何故俺がココ(恐らく異世界)に来たのかと言うと、話しは3日前に遡る必要がある。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「わが社は倒産することになった。すまんっ!」


 自身が店長として勤務する会社の社長から発せられた唐突な倒産宣言に理解が追い付かない俺。いや、まぁ確かにここんとこ大手の進出やらショッピングモールの同業他社の台頭やらで苦戦してはいたけど、数十店舗を運営する会社がいきなり倒産って…。そんなのアリ?それとも何かのドッキリか?と考えてはみたものの社長の態度から見るとどうやら嘘ではないらしい。


「それで、営業はいつまで続けられるんですか?」


 俺は社長に聞いてみた。すると、


「今月一杯で全ての店を畳むつもりだ。ずっと私に付いて来てくれた君達には本当に申し訳ないと思ってる。」


 うーん、これは本当の本当に倒産の様だ。ってことは来月からは無職?26歳にもなって?マジ?俺ってば高校を卒業してからこの店しか知らないんだけど…。今月一杯ってことはあと半月ちょっとかぁ…。と困惑する俺に社長が続けた。


「負債は社有地と店舗の半分位の権利売却で何とかなりそうだが、君達に社の規定通りの退職金は払えそうにない。もし君さえ良ければ残った店舗の一つを格安で譲ってもいいが。」と。


 正直、潰れる店を引継ぐなんてゴメンだが退職金もなく放り出されるのも困りモノだ。


 あ、散々語って今更だけど俺の名前は甲斐田二郎(かいだじろう)。この度倒産することになった百円均一の店舗を任されている店長だ。店長って言ってもあと半月ホドで無職なんですけどね…。トホホ。。。


 いきなりな倒産宣言に動揺しつつもなんとかこの日の営業を終え帰路につく俺。


 いやぁ、失業が決まったとなるといつも明るいネオン街もどんより見えるもんだなぁ。心なしか霧まで出てる様な…ってか、本当にいつの間にか辺り一面霧に覆われてるよ。まぁ、俺が住んでる1Kのアパートまではネオン街を抜けてすぐだから迷う訳もないんだけどね。。。などと独り言ちつついつもの道のりを歩く俺。


 ふと見ると前方に何かの露店がポツンと一軒。


 ネオン街を抜けたとこで露店なんて珍しい事もあるもんだなと、何となく覗いてみると、どうやらアクセサリー、それも指輪をメインに売っている様だ。店主は50歳代かそれ以上だろうか。フードを目深に被っているので表情までは分かんないけど。


 肝心の商品はと言うとパンクとかヘビメタのお兄さんが好みそうなデザインが並んでる。あまり俺の好みではないけれど立ち寄った手前黙って立ち去るのも気が引けたので


「カッコいい指輪が並んでますね。ハンドメイドですか?」と声を描けてみた。もちろんお世辞だ。すると店主は、


「お主、ワシが見えるのか?…ふむ。」と。


 なんだ?このオッサン。アブナイ奴か?それともこの年で厨二的なアレか?何となく関わらない方が良い気がするなぁ、等と思ってると、


「気に入った物があるなら試しに着けてみんか?」


 オッサン…もとい店主が俺に聞いてきた。スルーして帰ろうかとも思ったけど接客業に携わる俺としては無視も出来ずとりあえず陳列してある商品を見渡してみた。すると隅の方に周りのパンクでヘビメタな指輪達とはちょっと毛色の違う物を発見。子供の頃によく見たヒーロー物の主人公が着けてた様なデザインだ。


「これ、カッコいいですねぇ。」


 何となく手に取り右手中指に嵌めてみる。その銀細工(多分)っぽい指輪は中心に緑色の鉱石(?)が嵌め込まれていて本当にヒーロー物の主人公が着けててもおかしくない様なデザインだ。


「ふむ。やはりお主かの。」


オッサン…もとい店主がまたナニか言ってるけど今度は聞こえない振りをしてスルーした。だってなんて返して良いか分かんないもん。


「気に入ったようじゃの。ならそれはお主にやろう。」


「え?いや、そんなタダでなんて貰えませんよ!」


オッサン…もとい店主の言葉に遠慮で返す俺。だけどオッサン…もとい店主はさらにこう続けた。


「ならば、こうしようではないか。もし次にワシと会うことがあったらワシの話を聞いてくれ。それはその為の手間賃じゃ。」


「イヤあの、そんな…。」


「では、またの!」


反論しようとする俺を尻目に、オッサン…(いやもうオッサンでいいや)は露店を畳んでサッサと帰ってしまった。


次に会うことがあったらって、俺オッサンの露店今日初めて見たよ?それにオッサンの愚痴とかだらだら聞くのもちょっと…。って言いたかったけど言えなかった!どうしよ…。


だけど、オッサンとの再会はあっという間に実現したんだ。



長く続けられるように頑張ります。

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