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桜月夜
蒼白い微弱な光が
映された水面鏡
吹き荒び
揺れて滲み出す
虚像の月は凍えて
闇に溶ける…
移ろう風にまかせ…
…千年の恋も夜
桜の花びら…
薄紅色の心に口づけを
哀しみに打ち拉がれて
壊された水面鏡
吹き荒び
朽ちて傷み出す
月の涙は想いと
土に還る…
眠った過去に委ね…
…千年の恋も夜
桜の花びら…
薄紅色の心に口づけを
遠ざかる貴女の面影
映された天空鏡
懐かしく
触れて溢れ出す
渇れた心の魂
呼び醒まして…
移ろう月に叫び…
…千年の恋も夜
桜の花びら…
薄紅色の心に口づけを…
泣かないで…
貴女の傍に咲くよ
いつまでも永遠に
桜の樹となって…