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新たな未来を求めて  作者: イーヴァルディ
第三章 悠遠の翼
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第二百五十六話 EXウェポン

日常が忙しくてこんなに期間が空いてしまいました。

一応、これからは土日を中心に更新していく予定です。

『天剣』のエネルギーの刃がアレキサンダーのエネルギーソードとぶつかり合い激しく粒子を散らし合う。


今までのアレキサンダーとは違う、高機動高火力の機体。その速度は悠遠エターナルと渡り合うレベルにあった。


「リアクティブアーマーが無くなった分、機動力がかなり高くなってる」


「今までのデータとは違うよ。段違いに。でも、悠人なら」


「うん。僕なら」


『天剣』の刃を返してアレキサンダーとすれ違う。すれ違いざまに『天剣』の刃がアレキサンダーの装甲を軽く斬り裂いていた。こちらに負傷個所は見当たらない。


「この程度は倒せる!」


『貴様ら!!』


アレキサンダーが大きく距離を取りながらエネルギーライフルを構えてくる。すかさずコスモドライブを最大限まで利用して粒子を噴射させて大きく距離を取る。対するアレキサンダーはすかさずエネルギーライフルの引き金を引いてきた。


それを軽々とよけながらエネルギーソードを作り出してアレキサンダーに投げつける。だが、エネルギーソードはアレキサンダーに当たる寸前で消滅する。


「『創聖』の力だと攻撃は届かなようだね」


「『天剣』が届くと言うことはかなり高密度の刃じゃないと無理なのかな?」


「遠距離戦を仕掛けるのは難しいけど、スラッシュアンカーなら」


「狙ってみるね」


すかさずスラッシュアンカーを放ちながら『天剣』を握り締める。そして、背中のブースターを最大まで出力を上げてアレキサンダーに向けて駆けだす。だが、アレキサンダーは距離を取るように下がる。


やっぱり、アレキサンダーは『天剣』を恐れている。装甲を気づつけられたと言うことはクロラッハが自信を持って使っている粒子結合を崩壊させるらしいものに『天剣』は効かない。防御力を捨てたアレキサンダーにとって『天剣』は天敵だ。


「鈴、翼の高出力エネルギー砲の操作を僕に回して」


「えっ? でも」


「大丈夫。僕に任して」


鈴が高出力エネルギー砲の操作が僕に渡る。すかさず背中の方をアレキサンダーに向けて放つ。


アレキサンダーは回避するそぶりすらせずに引き金を引いてくる。案の定というか、高出力エネルギー砲から放ったエネルギー弾はアレキサンダーに当たる寸前で消え去る。


近距離でアサルトレールガンのアレを叩きつけるしかないかな。クロラッハは近接を恐れているし難しいかもしれないけど。


僕はすかさず出力を最大まで上げた。そして、全てのブースターを使用して一気にアレキサンダーに向けて駆ける。だが、アレキサンダーはこちらにエネルギーライフルを向けながら後ろに下がる。


その速度は互角。そう、互角。


「この形態じゃ追いつけない!?」


「悠人、スラッシュアンカーが追いつかない。アレキサンダーの誘導を」


「くっ」


コスモドライブで逆噴射を行いながら一気に後方に下がる。対するアレキサンダーはこっちに向かって突っ込んできた。


「いけっ!」


そこにスラッシュアンカーが斬りかかる。だが、スラッシュアンカーはアレキサンダーの両手によって受け止められていた。


『そのような力か。貴様のその機体はそこまで弱いか』


「くっ」


身構えながらアレキサンダーを睨みつける。


近接以外ではあまりに分が悪い。アレキサンダーは防御力を全て攻撃力に回している完全な攻撃型の機体。その出力も桁違いで下手をすれば悠遠に匹敵する可能性だってある。


僕は小さく息を吐いてレバーを握り締めた。そして、レバーを倒そうとした瞬間、アレキサンダーの背後にコンテナらしきものが現れていた。


それが開く。開いた瞬間、僕はとっさに『守護』の力を展開していた。


『消え失せるがいい!! 我に刃向かう愚かな者達よ!』






「ルーイ。アストラルファーラ・EXウェポンパック装備で発進する!」


三つのメインブースターと腰のサブブースターを起動させたアストラルファーラが麒麟工房の隠し工場から飛び立った。


アストラルファーラはアストラルシリーズと同じ翼のような三つのメインブースターとスラスター群を装備しながらエリュシオンのような腰に旋回式のサブブースターを付けた最新機だ。


その大きさは悠遠エターナルよりも10mほど大きく、重さは数倍になる。


ルーイが乗るEXウェポンパックは別名フルアーマードパック。重さはさらに増す。


両足には新型武器の粒子ミサイルコンテナ。粒子の塊をミサイルとして打ち出す永久機関だ。


膝からつま先にかけての装甲にはシールドエッジ。ミサイルコンテナを守りながら蹴りによる攻撃も可能だ。


腕にはエネルギーシールド発生装置が最初から両腕に装備されているがEXウェポンパックではアサルトレールガンとさらに巨大なエネルギーシールド発生装置がついている。


胸の装甲には大型粒子ミサイルコンテナ。足よりも火力は高いが数が撃てない粒子ミサイルを放つ。

背中にはブースターとスラスターの動きを阻害しないように二連装式グラビティカノンと粒子ミサイルコンテナが背負われている。


それぞれの装備がさらなるエネルギーを生み出すため出力はもちろんのこと速度まで跳ね上がっていた。


「こんなタイミングでアレキサンダーが来るとは。だが、このEXウェポンパックを試すにはちょうどいい」


新型武器の粒子ミサイルを大量に装備しているため敵の数が多くても対処は出来る。だが、アレキサンダー相手にどこまで通用するかどうか。


アストラルファーラ・EXウェポン装備はアレキサンダーを相手にするために考えられたのではなく最終決戦でエリュシオンに装備するためのウェポンパックとして試しに使っているだけだ。


ある意味、ルーイがどこまで戦えるかでEXウェポンパックの使用が認められると言ってもいい。


悠遠エターナルが無事でいてくれればいいが」


『ルーイ! 早くアストラルファーラで来るんや!』


そんなルーイにアンから通信が入った。ルーイは出力を上げながら通信に応える。


「何があった?」


悠遠エターナルが、悠遠エターナルが!』






『守護』の力とエネルギーシールドを展開していたから撃墜は免れた。だが、両足は破壊されその影響か出力は満足には上がらない。もちろん、変形も出来ない。


「鈴、大丈夫?」


「うん。今のは?」


「粒子ミサイル。クラスタータイプだからエクスカリバーの追加装備の情報が流用されたかも」


「エクスカリバーの追加装備って、機密情報だよね? 『GF』の最新装備のはずじゃ」


「そうだよ」


アレキサンダーがエネルギーライフルの引き金を引く。放たれたエネルギー弾をエネルギーシールドで防ぎながら後ろに下がる。


「粒子ミサイルが向こうにあるのは想定していたけど、まさかクラスタータイプだなんて」


「相手は量産しているのかな?」


「まともな技術なく造ったら一発数億するクラスタータイプを? 多分、アレキサンダー専用装備だよ。だからこそ、付け入る隙はある」


体中から粒子を噴出させて一気に加速する。だが、その加速は鈍く並の速度よりもはるかに劣っている。


コスモドライブだけじゃまともに動けない。でも、コスモドライブだけで戦えるようにしなければならない。


「『創聖』でこんな使い方が出来るかわからないけど、とりあえず」


イメージは増設ブースター。今足りないのは出力だ。出力を最大限まで上げて最大限まで加速する。それが今切り抜ける最大の手段。


「これでその場しのぎを」


『出来ると思っているのか!?』


アレキサンダーが背後にコンテナを取り出す。さっきと同じ粒子ミサイルか。


「エネルギーシールドを最大まで強化。このまま突っ込むよ!」


「えっ? でも」


「『守護』との併用なら可能だから」


エネルギーのほとんどをエネルギーシールドに移しながら一気に前へ進む。対するアレキサンダーは粒子ミサイルを六発放ってきた。


そのままエネルギーシールドで強引に突き進もうとした瞬間、アレキサンダーが放った粒子ミサイルを右方向から突如として現れた大量の粒子ミサイルが迎撃した。


すかさず後ろに下がりながら視線を向ける。そこには、全身に新たな装備をしたアストラルファーラの姿があった。前に見た姿とは違う?


『悠人、無事か!?』


「ルーイ? そのアストラルファーラは?」


『EXウェポン装備だ。アレキサンダーの相手は僕がする。悠人は麒麟工房に戻るんだ』


「わかった」


ルーイならアレキサンダー相手に負ける戦いをするわけがない。だから、すぐに基地まで戻って機体を乗り換える。悠遠(エターナル)から悠遠に。それが今、一番にすべきことだ。






悠遠(エターナル)は撤退したか。


ルーイはレーダーを見ながら確認しつつアレキサンダーに向かって大量の粒子ミサイルを放っていく。同時に12発発射可能なEXウェポンは確実にアレキサンダーの動きを封じていた。


『その動きと的確な攻撃。貴様、歌姫親衛隊の隊長ルーイか!?』


「だとしたらどうする!?」


ルーイはアレキサンダーをロックオンしつつ粒子ミサイルを放つ。アレキサンダーはそれを迎撃していくが、迎撃しきれずにいくつかの粒子ミサイルが爆発し粒子を撒き散らすことでアレキサンダーの周囲に漂う粒子と反応して消滅する。


アレキサンダーが持つ粒子装甲の弱点が粒子ミサイルだ。粒子装甲はそもそもエネルギー弾に対して極めて強い。おそらく、イグジストアストラルが全力で棒立ちのアレキサンダーに攻撃しても倒せないだろう。それほどまでにアレキサンダーが新たに装備した粒子装甲は強い。


だが、それの弱点がこの粒子ミサイルだ。魔力粒子を撒き散らすため通常の装甲にも強いため現在量産が進められている。


『このような攻撃で、この我が』


「アレキサンダーは確かに強力だ。だけど、弱点をついて行けば戦えない相手ではない!」


『貴様の様な機体でこの我に立ち向かうなど百年早いわ!!』


アレキサンダーが背中の砲を肩に担いでアストラルファーラに向けてくる。それを見ながらすかさず全てのブースターを最大まで駆動させた。


『散れ!!』


莫大なエネルギーの塊が空間を斬り裂く。だが、それをアストラルファーラは簡単に避けていた。簡単に避けながら二連装グラビティカノンをアレキサンダーに向けつつ引き金を引く。


アレキサンダーはその場から飛び退きながらエネルギーライフルの先を向けてきた。


「EXウェポンパージ。シールドビット展開」


EXウェポンを収納しつつアストラルファーラは新たな装備を展開する。


背中に新たに取り付けられる四つの翼。その全ての先についているパーツが分離してアストラルファーラの周囲を漂い始める。


アレキサンダーがエネルギーライフルの引き金を引く。だが、それは周囲に漂う翼の破片が展開したシールドによって弾かれた。


「EXウェポン装着」


アストラルファーラが再びEXウェポンを装備する。


「クロラッハ。お前が進化をし続けるようにこちらも進化するんだ。僕達を舐めるな。そして、このアストラルファーラ・EXフルウェポン装備を舐めるな!!」

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