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新たな未来を求めて  作者: イーヴァルディ
第三章 悠遠の翼
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第百七十七話 政府 レジスタンス 天界

「来た!」


機関部から火を噴きあげるクルシスを見下ろしながらメリルと白騎士にしがみつかれて必死に浮遊している僕はやってくる悠遠を見て声を上げた。どうやらプログラムの通りにやってこれたみたいだ。


かなり不安だったけど。


「あの、このまま三人で乗るわけにはいきませんよね」


「だろうな」


メリルとハイロスの二人が不安そうな声を出す。確かに、悠遠は二人乗り。もちろん、座る席も二人しかないし変に三人乗せれば移動するのも注意しなければならない。つまり、戦闘は無理。


俊也が大空を紫電を撒き散らせながら戦っているから僕達は浮遊していられるけど、このままだとあの群青色のフュリアスが危険だ。だから、どうにかしないと。どうにかする方法もないけど。


「えっと、悠人がこのまま空を浮遊して」


「気持ちはわかるけど却下。あの群青色のフュリアスは追いかけないとダメだから。せめて、白騎士が飛べたらいいのに」


「難しいな。そもそも、人は飛べないものだろ?」


悠遠が目の前までやってくる。ハッチが開き、僕はそこに降りた。


「白騎士。ごめん。少しの間だけ降りてもらえないかな?」


「妥当な判断だな。歌姫様を頼む」


「ちょっと待ってください。私は歌姫の力で浮遊することは不可能ではありません。ですから」


ハイロスはメリルの背中を押して僕にメリルを押しつけてきた。そして、降下するクルシスに向かって飛び下りる。


アークフレイって衝撃にも強いのかな? まあ、着地したハイロスが僕達に向かって手を振っているから大丈夫だとは思うけど。


「メリル。後部座席に」


「はい」


少ししょんぼりしたメリルが先にコクピットの中に乗り込む。そして、前部座席を前に倒してそのまま後部座席に座った。僕は前部座席を元に戻してそこに座る。


すかさずベルトを締め、悠遠のハッチを閉じつつ悠遠を完全に起動させていく。


「周囲のレーダー。映します」


目の前の画面に映るのはエネルギー源に反応して位置を映すもの。ただ、乱戦中では全く役には立たないし、ありえない速度で画面を飛びまわる光点だって存在する。つまりは魔術にも反応してしまう。


ただ、レーダーの中にはバカでかい光点とさらに大きな光点が存在していた。おそらく、ベイオウルフとあの群青色のフュリアス。


「位置はわかった。このままリリーナとルーイの援護に回る。多分、悠聖さん達はそこにいるから」


「わかりました。俊也さん、聞こえますか?」


『聞こえているよ』


周囲にいるフュリアスに向かってノートゥングを打ち込む俊也はこちらに向き直ることなく返事を返してきた。


「今から私達は移動します。この区域での戦闘が終わったなら白騎士さんを回収してB9地点まで来てください。変更する場合は連絡を送ります」


『了解。悠人。負けたら承知しないよ』


「俊也こそ」


出力を上げる。そして、背中の悠遠の翼を最大限まで駆動させ一気に飛翔させた。進路上には数機のフュリアスの姿がある。さらには地上が近いからか地上からの支援砲撃も多い。


どうやら、不測の事態にでも対応できるように大量の部隊を伏せていたようだね。メリルを手に入れるためとはいえ、こんな奴らにメリルを渡すわけにはいかない。絶対に。


「メリル。ちょっとだけ我慢してね」


その言葉と共に僕は出力を最大限まで上げた。最大駆動における悠遠の加速を行いながら両手にエネルギーライフルを作り、地上に向けて連射する。


距離から考えて一発も外せない。だけど、僕は真柴悠人だ。最強のパイロットだ。フュリアスに乗って不可能なことなんてない!


放たれるエネルギー弾は確実に武装を破壊する。空中に浮かぶフュリアス達は悠遠に銃口を向けてくるけどバレルロールで移動した瞬間にフュリアス達が持つエネルギーライフルに向けてエネルギー弾を放っていた。そして、すれ違い様にエネルギーソードで四肢の一部を破壊する。


「射出」


すかさず地上に向けてエネルギーソードを落としながら僕はクルシスの甲板を駆け抜けるように移動して反対側まで移った。


そこには、群青色のフュリアスに向かってグラビティカノンダブルバレットを放つベイオウルフの姿があった。甲板に位置して援護射撃をしているアストラルルーラもグラビティカノンダブルバレットを使っているけど群青色のフュリアスに傷一つついていない。


「エネルギーシールドってわけじゃないよね」


「悠人」


メリルが先程のレーダーを映してくれる。そこには、ベイオウルフより大きな光点が群青色のフュリアスだと示していた。


「なっ」


『悠人か』


「ルーイ。あの機体は」


『アレキサンダーだ』


その言葉に聞き覚えがあった。確か、ルーイから聞いたことがある。


アレキサンダー。


ゲイルさん達以外のもう一つのレジスタンスの代表、クロラッハの機体の名前。それが、このアレキサンダー。


『装甲はリアクティブアーマー。対リアクティブアーマーと名を売って開発したグラビティカノンダブルバレットが全く通用しない』


「リアクティブアーマーはエネルギーさえ用意出来ればあらゆる魔力攻撃を散らすことが出来るからね。ベイオウルフでも破壊出来ないとなると」


『だぁー! そこ! 喋ってないで助けてよ!』


アレキサンダーの胸から放たれたエネルギー弾をエネルギーシールドで受け止めながらリリーナは叫んだ。


両肩の砲はこちらを向いているし、腕についた砲は発射準備が完了している。もしかしたら何かのギミックがあるかもしれない。腰にも砲がついている。横への攻撃が可能な砲が。


だけど、アレキサンダーはベイオウルフばかり攻撃している。ベイオウルフが危険だからかな?


『だぁー、もう! 鬱陶しい!』


リリーナはグラビティカノンダブルバレットを振り上げるとそのままエネルギーの刃を作り出して振り下ろした。


カートリッジの中身を全て使用する攻撃だけど、ベイオウルフの場合は完全駆動時には自前で用意出来るためカートリッジは使用していないだろう。


すると、アレキサンダーは腕についた砲からエネルギーの刃を作り出して受け止めた。


今だ。


僕は一気に悠遠を加速させる。それと同時にアレキサンダーの肩の砲が照準を完全に合わせてきた。


「そこ!」


その瞬間に肩の砲を狙ってエネルギー弾を放つ。放ったエネルギー弾は肩の砲に飛び込んで砲が爆散した。


僕はエネルギーソードを握り締めて砲があった部分に向かって全力でエネルギーソードを突く。至近距離での爆発に耐えきれずに割れた装甲の間にエネルギーソードが突き刺さり大きな火花を散らした。


「これで、リアクティブアーマーの大部分は使用不能なはず」


『悠人、ナイス!』


すかさずリリーナがアレキサンダーの足に向かってグラビティカノンダブルバレットを放つと放たれたエネルギー弾は足の装甲ごと吹き飛ばしていた。


すかさず僕は後ろに下がりグラビティカノンダブルバレットを作り出す。リリーナもベイオウルフを下がらせてエネルギーシールドを展開したままアレキサンダーに向かってグラビティカノンダブルバレットを向けていた。


「吹き飛べ!」


一斉掃射。


悠遠、ベイオウルフ、アストラルルーラの三機がアレキサンダーに向かってグラビティカノンダブルバレットの引き金を引いた。


莫大なエネルギーの奔流はアレキサンダーの装甲を砕き、ひび割れ爆散する。今の感じ、ひび割れなかったら受け止められていたかも。


『さすがに、倒したよね?』


『倒したと思いたいがな』


「生きていたら驚きだよ」


僕が小さく息を吐いた瞬間、ゾクリと嫌な予感が背筋に襲いかかった。僕はとっさに振り返る。


そこには、ゲートが出来上がっていた。こんな何もない場所にゲートを作ることが出来る組織は一つしかない。


『飛んで火にいる夏の虫とはこのことだな』


その言葉と共にゲートからストライクバーストが姿を現した。そして、続くように何機もの純白のフュリアスがゲートから現れる。


僕はとっさにグラビティカノンダブルバレットを構えた。


『マクシミリアン。来たか』


ありえない悪寒が体中を襲った。まるで、声だけであらゆる全てを押さえつけるかのような威圧感を持つような感覚。


僕はすかさず振り向く。そこには、バラバラになったリアクティブアーマーを脱ぐ群青色のフュリアスの姿があった。背中には飛行ユニットがつけられているが、砲のようなものが両肩付近に二個ぶら下がっている。


あれが、アレキサンダーの真の姿。


『待っていたぞ』


『クロラッハ。無様ではないか。技術提供した意味が無かったな』


『アレキサンダーはこれが真の姿だ。さあ、殺すぞ』


クロラッハの声と共に天界のフュリアスがエネルギーライフルを構える。かなりマズい。せめて、後三機味方がいれば良かったのに。


『真柴悠人。残念だ。我らの主となる資格を持ちながらこの場で命を散らすとはな。さあ、死ね』


ストライクバーストの四つの砲が光を灯す。僕は対抗するようにグラビティカノンダブルバレットを構え、


『弱い者いじめか、くだらなねぇ』


極厚のエネルギーの刃がストライクバーストを吹き飛ばしていた。


『その刃。まさか、ガルムス!?』


ルーイの言葉を聞きながらエネルギーの刃の元を見る。そこにはエネルギーソードを構える『天聖』アストラルソティスと数機のラフリアが飛翔していた。


『真柴悠人。本来ならお前との決着をつけたいところだが、今回ばかりは援護してやる』


「ガルムス。ありがとうございます」


『けっ。歌姫さんに礼を言われることじゃない。このままだと、音界はこいつらのせいで大変なことになるからな』


『虫けらが。天神に刃向かって生きて帰れると思うなよ』


僕は小さく息を吐いてグラビティカノンダブルバレットをエネルギーライフルに代える。そして、ゆっくりとアレキサンダーに向けた。


「クロラッハ。お前達は音界をどうするつもりだ?」


『貴様らに教えるようなことではない。雑魚が』


「そうか。『歌姫の騎士』真柴悠人。今より反政府勢力クロラッハ側レジスタンスと天界勢力の殲滅に入る!」


そう言いながら僕はエネルギーライフルの引き金を引いた。

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