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新たな未来を求めて  作者: イーヴァルディ
第三章 悠遠の翼
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幕間 三位一体

リアルが忙しすぎるwww

休む暇が明後日からしかありません。社会人になったらもっと酷いだろうなと思いながら更新させていただきます。

麒麟工房


アストラルシリーズの設計及び開発を行う中立のフュリアスの整備工場。もちろん、政府のフュリアスだけでなくレジスタンスのフュリアスすらも修理するため一種の聖域として存在していた。


ただ、麒麟工房の規模は小さく近くには村と麒麟工房以外の工場が隣接している。あくまで、麒麟工房はアンやその仲間がいる場所であって麒麟工房周囲の村が麒麟工房ではないのだが、世間はそう見ている。


そんな麒麟工房にアル・アジフは小さく息を吐きながら自らが乗る魔術書アル・アジフが飛び降りた。


飛び降りた目の前にいるのはアンだ。


「悪いな。首都でかなりごたごたがあったのに」


「そうじゃな。じゃが、首都に残した者達は十分に頼りになる者達じゃ。我一人がいなくてもどうにか出来る力がある。さて、あの連絡は本当なのかの?」


「そうやな。こっちに」


アンの後を追いかけるようにアル・アジフはその後ろを歩く。


「ほんまにありがたいは。あれが行き詰まったところやったから来てくれて」


「そなたのような者でもお手上げなのじゃな?」


「お手上げや。うちはアストラルシリーズを組み上げてきた天才っていう自負はあったけど、渡されたあれはうちの手でも少し余るものやったからな」


「じゃが、誰にも知られずに作るためには麒麟工房以外にはない」


「そうやな。麒麟工房は機密の塊やから。その分、警備システムも頑固やけど」


アンが麒麟工房の中に入る。アル・アジフも続いて麒麟工房の中に入るが麒麟工房の内部では職人達が疲れ果てた表情で床に転がっていた。


誰もが憔悴しきっているのを見るとアル・アジフの胸が少し痛む。


「みんなのおかけでようやく完成に近づいてきたって言うのに、最後の最後で大きな壁にぶち当たってしまった。みんな、その壁すらも取り払おうとしてるのに」


「どうやら、あの時と同じじゃな」


「あの時?」


アル・アジフは頷きながら魔術書アル・アジフを開いた。そして、倒れ込む職人達の体を暖かな緑の光が包み込む。


「真の意味で最強となるはずだったあれも同じように計画の最終段階で躓いたのじゃ。おそらく、それと同じことじゃろ?」


「まさか、それを知っていながら設計図を?」


「そうじゃ。でも、アンは気づいているはずじゃ。あの設計図がどういう風に書かれたかを」


「そんなもんわかってる。実際にかなり流用した部分が多いからな。さてと」


目の前にある大きなドア。その前で止まったアンは近くにあったパネルにパスワードを打ち込む。すると、ドアがゆっくり横に開きだした。


アンはそれを確認してからアル・アジフを振り返る。


「出来る限り注文通りには作ってつもりや。今ぶち当たっている壁以外は完成してる。文句があるなら今の内やで」


その言葉にアル・アジフは軽く肩をすくめて返した。


「文句は無い。我らでは出来なかった夢をそなたらに託しただけじゃからな」


「それならええ」


二人はドアをくぐり抜ける。そして、その中にある存在を二人は見つめた。


もし、それを周が見たなら呆れたような表情と共にゴミを作ったと思うだろう。もし、それを悠人が見たなら感動はするがすぐさま欠陥品だと指摘するだろう。


それほどまでにそれは無茶な設計で作られていたから。


「通常形態の装備は全翼上部に高収束エネルギー砲。威力は最大クラビティカノンクラスまで出せるような設計にしてる。可変常態の装備は両腕のエネルギーシールド発生装置についたスラッシュアンカー。三つ叉の形にして攻撃や移動共に使えるようにしてる。スラッシュアンカーのアンカー部分はエネルギーの鞭や。それが断ち切られてもスラッシュアンカー自体は三分間は動かせられる。で、両腰にはアサルトレールガン。通常状態における小型のエネルギー弾射出と下に向いた砲を向けた状態の高出力のエネルギー弾はどちらも通常のエネルギー弾の三倍の速度がある。射程距離は短いけど。翼の砲は通常状態でも撃てるけど、出力はかなり落ちるで。近接戦闘でも有利に進めるようにアサルトレールガンの上に対艦刀型のエネルギーソードを作り出す筒型の柄に両足には出たフレームからエネルギーソードが出るようにしてる。一応、頭部にはエネルギーバルカンがついているけど使い物になるとは思わんといてな」


「通常装備はそれだけかの?」


「一応、追加装甲の設計はしてるけど間に合うかはわからん。本体はほぼ完成してるけど、問題は」


「可変時における負荷じゃな」


わかっていた回答をアル・アジフは呟く。だから、アンは頷かない。


それを見ていればわかるが通常状態から可変状態まで変形する際にはかなり無茶な変形を必要とする。その部分で一番の問題となるのが今回の最大の問題でもあった。


「フレームはダークエルフを基礎に作った。装甲の薄さは基準とせえへんかったけど、関節部分に関しては全フュリアスの中で最高峰やからな。色々と学ばせてもらったで」


「それは別にいい。ダークエルフはほとんどが公開されているからの。そなたが一番学んだのは」


「エクスカリバーや。あの機構で並のパイロットで動かされへん理由がわかったわ。まさに、真柴悠人は天才の中の天才やな。エース・オブ・エースって名前はあるけど、そんなレベルやないし」


「そなたなら我がエクスカリバーを作り出した理由を理解しているのではないか?」


「なんとなくはな。あんたも大概やな。息子のような真柴悠人を戦争の道具に仕立て上げるなんて」


その言葉にアル・アジフが怒りを堪えるように唇の端を噛み締めた。


アンはわかっているからこそアル・アジフにこの言葉を投げる。ダークエルフ、エクスカリバーとあまりに先進すぎる機体を作り渡していたアル・アジフだからこそ、アンの目からすれば人殺しを作り出しているように見えたのだろう。


アル・アジフもそれを理解しているから反論出来ない。


「まあ、ええわ。今は一番の問題である」


「駆動中における空中可変によっておきる空中分解かの?」


「あまりに抵抗を受けすぎてどれだけ削っても無理や。こんなの、どうやって飛ばすん?」


例え魔鉄を使っていたとしても、可変機構に無理があれば速度によっては空中分解される。そのため、エクスカリバーは細心の注意と装甲を空気を受け流すようにしていたためどうにか出来たが、耐久性の弱さを作り出したのも事実だ。


さらには、それがわかっているためアンも削れない。


だが、アル・アジフは笑みを浮かべたまま静かにそれを触った。


「ダークエルフ、エクスカリバー。我は悠人のために、過程、として与えた二機。そして、悠人はようやくレプリカながら悠遠を手にした」


「アル・アジフ?」


アンが不思議そうに尋ねる。対するアル・アジフは笑みを浮かべながら、だけど、慈悲深い目でそれを見ていた。


「ダークエルフ、エクスカリバー、悠遠。悠人は進化する。我らの想像を遥かに超える高見へと。だから、我らは悠人にこれを渡さねばならぬのじゃ。真の意味で最強のフュリアスとなるこの機体を」


「今の悠遠で十分やないん?」


「ストライクバーストには勝てない。あれはイグジストアストラルの進化系じゃ。ストライクバーストに勝つにはこれが必要なのじゃ。イグジストアストラル、ストライクバースト、ヴェスペリア、ラインセントラル、マテリアルライザー、ベイオウルフ。魔科学時代の全ての技術を総結集したフュリアスの技術を纏めた真の至高のフュリアス」


そして、アル・アジフはその機体の名を口にする。


悠遠エターナル

後の展開が読める話です。悠人が乗る第四の機体。というか、一章の間で主人公の機体が破壊されすぎですよね。

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