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新たな未来を求めて  作者: イーヴァルディ
第三章 悠遠の翼
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第百三十六話 孝治&正VSマクシミリアン

何というか、だんだんみんなが化け物化していってます。

「ふん!」


マクシミリアンの拳が大地を穿つ。初老の見た目とは裏腹にその拳には力が籠もっており並みの防御では簡単に砕かれるのがわかる一撃だった。だが、そんな攻撃があたるわけがない。


孝治は素早く後ろに下がり、正は横に跳ぶ。対するアーク・レーベは孝治に向かって収束した光を放っていた。だが、それは孝治に当たった瞬間に散る。


孝治が持つ神剣であるリバースゼロ。それによって孝治にダメージを与えるのは至難の技となっていた。


「貫け!」


孝治がすかさず魔力の矢を放つ。だが、その矢はいとも簡単にマクシミリアンによって散らされていた。


「一筋縄ではいかないか」


真理の追求レヴァンティンアクセス。魔王と同じ存在だからわかってはいたけど、力が桁違いだね」


「たったそれだけか。ふっ、アーク・レーベよ。お前は援護に徹するのだ。一人でどうにかなる」


「へぇ、甘く見られた」


「遅い!」


マクシミリアンが動く。すでに正の目前にまで迫っており拳を放っていた。


認識の限界を超えた加速に正の動きは遅れ、いや、遅れていない。マクシミリアンの拳は空を裂き代わりに正の蹴りがマクシミリアンのこめかみを打ち抜いていた。


マクシミリアンの体がぐらついた瞬間、空中で体を捻った正が回転を利用したまま踵を同じ場所に向かって正確に振り抜いた。そして、正確に打ち抜く。


孝治はすかさずマクシミリアンに向かって矢を放つが矢はアーク・レーベによって撃ち落とされた。


「マクシミリアン様!」


「大丈夫だ。貴様、今、何をした」


後ろに下がる正を睨みつけながらマクシミリアンは虚空から杖を取り出した。


「我が魔力によってそんな攻撃は自動で防ぐはずだった。だが、防御すら貫いた」


「理論は簡単だよ。僕の魔力が君を超えただけのこと。真理の追求レヴァンティンは僕が辿り着いた究極の強化魔術。扱いきれる限界の魔力を装備しただけだよ」


「なるほど。だが、そのような攻撃では我が体を滅ぼすには達しない」


「のようだね」


嫌な汗を流しながらも正が後ろに下がる。


正がはなったこめかみ二連発の蹴りは当てにくいことが多いが相手を100%気絶か脳震とうによって動きを止めることが出来る必滅へ続く技だった。だが、マクシミリアンは異常がないように見える。


しかも、マクシミリアンが持つ防御魔術を砕くために正は扱いきれる限界の魔力を込めて蹴ったのだ。魔術ではないため威力が落ちるとは言え、生身で耐えられるわけがない。


さすがの正もこればかりは嫌な汗を流すしかなかった。


「次で終わりにしよう。我らも忙しいからな」


「終わり? これから音界にでも攻めるつもりなのかな?」


「させると思っているのか? 俺達がここにいるのは音界へ侵攻させるのを防ぐためだ!」


「だから終わりにしようと言っている」


二人は気づけなかった。マクシミリアンが一歩踏み出していたことに。


正が目を見開いて孝治の手を取りながら後ろに下がる。孝治もその瞬間に地面を蹴って後ろに下がっていた。


「ふん!」


マクシミリアンが杖を振った。たったそれだけ、魔術すら発動していないそれは圧倒的な力の塊を二人に叩きつけていた。


孝治がとっさにリバースゼロを使ってその力を受け止める。


動きが止まる。ほんの一秒ほど動きが止まるが相手からすれば十分な時間だった。


「まずは一人」


孝治が横を向く。そこには拳を振り上げたマクシミリアンの姿があった。孝治がとっさにその拳をガードしようと運命を構え、


マクシミリアンの拳は運命を砕き孝治へと突き刺さった。


「孝治!」


正は叫びながらも魔術を並行に七つ展開する。全てが属性から攻撃方法まで全て違う技であり、本来なら受け止めるのは困難な技。


「吹き飛べ!」


七つの魔術が放たれマクシミリアンに直撃する。


正の顔に笑みが浮かび、そして、固まった。


そこには、傷一つついていないマクシミリアンの姿があったからだ。


「見事だな。あれだけの魔術を同時に七つ並行発動してくるとは。魔術師としてはSSランクを与えてもいいレベル。だが、そんな小さなものでは傷をつけることは出来ない」


「化け物だね。今の魔術は僕のとっておきだったんだけど」


正の額に汗が流れる。


今の魔術は正自身が七つの弾丸セブンスバレットと名付けた瞬間展開、瞬間装填、瞬間発動という超高速発動型の特殊魔術だった。


その時間の短さから回避はおろか、防御すら難しく、さらには威力もあるため防御すら無意味にするはずの攻撃だった。


「不意打ちで放たれたなら、普通なら、倒れただろう。だが、次元の違う存在を見くびっている。誰もが新たな未来を求めて尽力しているのだぞ」


「そうだったね。でも、僕だって譲れないものがあるんだよ! 世界を救うのは」


「俺達だ!!」


その声にさすがのマクシミリアンすらも呆けた顔になっていた。何故なら、それは孝治の声であり、孝治は見事な漆黒の刀身を持つ運命を振り上げていたからだ。


運命は先ほどマクシミリアンの攻撃で砕けたはずなのに。


「バカな」


マクシミリアンが声を上げる。孝治はそのまま運命をマクシミリアンに叩きつけた。それを杖で受け止めるマクシミリアン。


「くおっ。この力」


「悪いが一度、運命を切らせてもらった。そして、お前の力を運命に注ぎ込んだ!」


「バカな。キーワードは発していないはずだ!」


運命が運命を切るには運命というキーワードを誰かが話す必要がある。だが、マクシミリアンも正も口にしていない。


「リバースゼロに貯めていたエネルギーを一度運命のエネルギーとして移譲した。運命の刃は魔鉄ではなく、魔力によって形成される刃。だから、再度形成させてもらった!」


「なら、何故運命を切れた!?」


「運命という言葉をキーワードとして使うのは、エネルギーを少なくするためだ。エネルギーさえあれば、その過程を再現して運命を切ることが出来る!」


運命を切るには本来なら人智を超えたエネルギーを必要とする。だから、運命がエネルギーバッテリーを使用する。


それでも普通なら切れないから運命を切るために必要な運命の選択(これが一番エネルギーを消費する)という過程を飛ばしているのがキーワードだ。


エネルギーさえあれば何だってぶった斬る。それが運命だ。


「お前には俺達と違って圧倒的なポテンシャルがあるのだろ? ならば、俺達は俺達の武器を信じて戦うだけだ!」


マクシミリアンが大きく下がる。さすがのマクシミリアンもマズいと思ったのだろう。


天王という名前通りの強さだとしても、神の領域には至らない。神剣や神剣に近い魔科学の武器と相対するには力が足りないからだ。


だが、孝治は前に出る。マクシミリアンがとっさに杖を振るが孝治は受け止めることなく腕で防いでいた。普通なら腕が千切れ飛ぶ一撃を難なく防ぎ孝治はそのまま拳をマクシミリアンに叩きつける。


マクシミリアンはとっさに杖で受け止める。だが、その体は大きく後ろに下がっていた。


「運命よ!」


その手に弓を取り出した孝治が運命を矢として構える。


「駆け抜けろ!!」


運命が放たれ一直線にマクシミリアンに向かう。マクシミリアンは杖を真っ正面から叩きつけるが杖が爆砕し運命がマクシミリアンを貫いた。


「ぬぐっ!」


だが、マクシミリアンは倒れない。四肢に力を入れて孝治を睨みつけている。


「正!」


だから、孝治はもう一人の名前を叫んだ。


「わかってる! 世界を消し去る混沌よ。その身を表し大地を砕く力と為せ」


正が詠唱を開始する。莫大な魔力が正の体から放たれ、周囲に濃密な魔力が満ちる。それこそ、近づけば倒れかねない量の魔力が。


「全てを塵に。敵を灰に。あらゆる全てを焼き尽くし、森羅万象を超越した世界を体現せよ!!」


「させるか!」


正が魔術を展開したのと同時に魔力の収束を行っていたアーク・レーベが収束砲を正に向かって放った。


だが、その収束砲ですらあまりに濃密な魔力の壁に散り去った。


「全てを消し去る殲滅の炎よ!! アニヒレーション!!」


魔術が発動した瞬間、マクシミリアンを中心に炎が渦巻いた。そして、避けられない中、灼熱がマクシミリアンを包み込む。


周囲を一瞬にして炭化させる炎に誰もが後ずさり、孝治と正だけは険しい目つきでそれを見ていた。


「殺す気満々だな」


「相手はあのマクシミリアンだよ。殺る気満々じゃないと勝てない」


「そうだな。我を消すにはこれくらいの炎が必要だ」


その言葉に今度こそ、二人は信じられない思いでいた。


運命は確かに貫き、アニヒレーションの炎は完全にマクシミリアンを包み込んだ。これを生き残るのは周くらいだろう。


「クロノストリガー。我の時のアークベルラの能力。時間を一瞬だけ停止する能力だが、回避するにはもってこいだ」


孝治と正が振り返る。そこには焼け焦げた服をきたマクシミリアンの姿があった。


当たらなかったわけじゃない。完全に巻き込めなかっただけだったのだ。


「まさか、アークの戦いに勝ち抜けば、その戦いにおけるアークの能力全てを手に入れられるというのか!?」


「正解だ、花畑孝治。だから、我は本気で行こう。全ての力を発動させてもらう!」

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