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新たな未来を求めて  作者: イーヴァルディ
第一章 狭間の鬼
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第六十一話 休憩

魔術の補足です。

授業が終わり休み時間になった。だけど、休み時間になるなりみんながオレの席の周囲に集まってくる。もちろん由姫も。


「さすが『GF』の隊員だよな。防御魔術で四角錘を作り出して攻撃を受け流すなんて。由姫ちゃんも出来んの?」


「兄さんだけです」


オレ達はレベルが違うので軽く模擬戦をしていたのだ。オレはモードⅡの槍を使って由姫と戦っていた。その最中に、由姫の攻撃を防御魔術を四角錘のすることで受け流したのを休憩していたみんなに見られたというわけである。


四角錘に防御魔術を展開して先を相手に向けたらかなり使える魔術になる。まあ、疲れるけど。


「つまり、海道君のオリジナル? すごいかも」


「オリジナルは結構珍しくないぜ。俊輔なら答えれるんじゃないか?」


「お前からの挑戦か。いいだろう。魔術はそもそも決まったものではない。イメージを力とするからな。つまり、イメージによって魔術が決まる。魔術の技名が少ないのはそれが理由だ。だから、能力にあるランク分けのように、規模や使い方で魔術書には表記されている。使い方を上手く変えることでオリジナルは簡単に出来上がるというわけだ。有名なオリジナル魔術を上げるのなら『GF』総長の疾風迅雷(ミョルニル)や第一特務隊長の世界を滅ぼす力(ラグナロク)だな」


俊輔は少し考え込む。そして、小さく頷いた。


「そうだな。では、問題だ。そのような表記のされ方では魔術は星の数ほどあるのではないかと思うかもしれないが、一定の同じパターンがある。それはどこかな?」


俊輔が何故か椅子の上に立ちながらみんなに質問する。


確かにこれは有効的だ。俊輔に聞いたのは俊輔なら理解しているだろうと思ったからである。ちなみにその質問は由姫に聞いたことがあるため由姫はオレの目を見て軽く頷いていた。


クラスメートはみんな考え込んでいる。この質問は案外難しい。魔術はイメージであるという部分があるからだ。つまり、どういう風にイメージを合わすかと考えている人もいるだろう。だけど、見方を変えれば簡単にわかる。


魔術は魔法と違って詠唱を必要としない。だけど、魔術は魔法と違ってとあるものを必要とする。


すると、一人の少女が手を挙げた。確か、委員長の人だ。名前はまだ覚えていない。


「魔術陣じゃないかな? 確か、魔術は瞬間発動でも魔術陣の作成を必要としているから、魔術陣に描かれている模様が関連しているとか」


「正解だ。さすがは委員長。俊輔、ありがとう」


オレの言葉に俊輔は頷いて椅子から降りた。


「魔術は魔術陣の展開を必要とする。それには少しでも時間がかかるため、魔術をすぐに発動できるように魔術陣を展開して発動限界で待機させるストックと言う手段があるから勘違いしやすいんだ。魔術陣の構成は難しいから覚えなくてもいいけど、もし、戦場に出た場合は魔術陣を見て相手の魔術を把握する手段が必要となる。まあ、ここにいたらあまり関係ないと思うけど」


「海道達の世界に跳びこむ人は少ないと思う。それに、私達はあまり魔術が得意じゃないクラスだし」


「そうなのか?」


オレは委員長の言葉に首を傾げそうになった。首を傾げる動作って子供っぽいからやりたくないんだけどね。


「うん。一組が魔術が得意な人が集まっていて、二組に魔術が苦手な人が集まる。一組は二組を見てああならないように勉強し、二組は一組を見てああなるように努力する。ほら、魔術って必須だから」


「そういうわけね」


オレと由姫が一緒になったのはそれが原因だろうな。


由姫は魔術が下手だ。対するオレは様々な魔術が出来る。だから、二組の力を底上げするためにオレがここに入った。由姫は元々二組に入る予定だったらしい。


亜紗も中村も第76移動隊の中じゃかなりの腕前だからな。


「ってことはよ、由姫ちゃんって魔術が下手?」


「言わないでください」


由姫は思いっきり落ち込んでいた。まあ、仕方ないか。


「由姫というより白百合家が魔術の才能がないだけなんだ」


「魔術の才能がない。ふむ、つまり、魔術の才能がないからこその身体能力か」


「そういう見方も出来るな。まあ、詳しいことは誰もわからないけど」


白百合家は魔術が出来ないのは一部では有名だ。だが、それを補って余るほどの才が白百合家にはある。ちなみに、由姫は白百合家の中では魔術に関して歴代稀にみるレベルの実力者と言われている。世界レベルで見たら高校生レベルだけど。


「私は魔術が出来なくても出来ることはあると思っていますから。兄さんを支えることも」


「はあ、いいよな海道は。可愛い妹に可愛い隊員達に囲まれた生活。さらには天才。羨ましい」


「だな。周、俺達のその幸せを分けろ」


オレは小さくため息をついて騒ぎ出した男子達を睨みつけた。


「いいぜ。オレに勝てたならな」


『遠慮します!』


見事なまでの全員合唱。まあ、これで戦うと言われたら反応に困っていたけど。


オレは小さくため息をついた。


「そろそろ次に授業だから席に戻っておけよ。次、社会だっけ」


その言葉に全員が急いで席に戻りだす。それと同時に先生が教室の中に入ってきた。社会を担当するのは愛佳さんだ。由姫は少しだけ苦笑いしてから席に向かう。


オレは教科書を取り出した。



次は歴史の話になります。長さは区切るつもりはないので今までより長くなります。善知鳥慧海と海道時雨の二人が活躍した歴史と『GF』、『ES』の成り立ちを語る予定ですので。


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