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新たな未来を求めて  作者: イーヴァルディ
第一章 狭間の鬼
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第六十話 魔術

魔術に関して少し詳しく説明します。

久しぶりに小説情報を見たらお気に入り登録がありました。こんな駄文小説にありがとうございます。この話から主に設定をたくさん語ろうと思います。授業の中でのものと、休憩中の二つで一つの説明です。

オレは地面を蹴って向かって由姫にストックしていた魔術を放った。


属性は炎。だけど、由姫はそれを軽々と避ける。


今放ったのは直線上に向かう魔術。由姫に当たるわけがない。


オレは後ろに跳びながら目前に魔術陣を展開する。


近接戦闘中に魔術陣の展開は普通はしない。隙が出来るのと大した効果が見られないからだ。


だけど、オレはその魔術陣を腕に纏った。体を捻り、由姫に狙いをつけて拳を握りしめる。


「ブレイク」


この場だからこそ、魔術陣を纏って技名を叫ぶ。


「キャノン!」


拳に溜められたエネルギーが由姫に向かって放たれた。由姫はそれを軽々と受け流す。ですよね。


「由姫、受け流したらダメだろ」


「あははは、いつものクセで」


由姫はそう言いながら頭を書いた。ちなみに、少し離れた場所にいるクラスメートのみんなはポカンと口を開けている。


そう、これは訓練じゃない。魔術の授業だ。


知識に関しては小学校の間でやっていたらしい。由姫から聞いた。中学校から魔術の実技があり、その実技をやっていたのだ。


レベルはかなり高いけど。


「先生、どうでした?」


オレと由姫はクラスメートと一緒に見ていた魔術担当の先生に話しかけた。先生は真っ青になりながら頷く。


「レベルが高くて。さて、今のように魔術は戦闘で使われます。お二人の実力は桁違いなのであの魔術の中で生き残っていますが、皆さんはまだ実技は初めてのはずです。白百合君、魔術についての注意事項を上げてください」


「まずは魔術についての特性を知る。さっき放ったブレイクキャノンの射程範囲や威力などその全てを知る。次に、イメージをする。例えば放った炎のように、ちゃんとしたイメージがあるからこそ使えるものがある。最後に、不相応な魔術を使わない。巷を賑わしている医療事故の大半は、治癒魔術が上手く出来なかったことに起因している。自分が出来る範囲内でやること」


最初の魔術を知るというものはとても大事だ。オレが知る魔術の中には特殊な攻撃をするものがあり、その攻撃範囲をしっかり覚えていないと隙が出来やすい。


そして、イメージは言わずもがな。魔術にとって一番大事なものだろう。確固としたイメージがあって戦闘に利用出来る魔術は使える。学校教育では全くいらないけど。


最後のものは必ず守って欲しい。


治癒魔術は天空属性に位置する極めて難易度の高い魔術だ。難易度が高いから未熟な腕だと失敗しやすい。


そもそも、治癒魔術は体内の細胞を活性化させ、傷を塞ぐ能力を急激に上昇させるものだ。ただ、ちゃんと傷を塞ぐなら血の流れをよく知りながらしないといけない。つまり、医療の知識がいる。


「正解です。皆さんは魔術を使う素である魔力について習ったと思いますが、篠宮君、魔力について述べなさい」


「えっと、えっと、魔力粒子を体内に入れて組成されるのが魔力で、魔力は枯渇することがない?」


和樹はかなり迷いながら答える。由姫の話を聞く限り、小学校じゃあまり必要なさそうだしな。


「80点ですね。魔力は魔術に使用する力の素。常に組成されるのと同時に放出しています。では、佐々木君、何故、魔力が放出されているか答えなさい」


「簡単だな。コップに水が入っているとしよう。その容量を超える水が注がれたなら、水は必ずコップから零れ落ちる。それが放出されている理由だ。ちなみに、これは体外で固定される魔力に含まれない」


俊輔の説明はわかりやすい。オレも由姫も聞かれた時は答えるのに苦労した過去があるから簡単に言えるということが羨ましく感じてしまう。


オレは小さく息を吐いた。ただ、一ヶ所間違っている。


「俊輔、総魔力は自動防御分も含まれるから最後の一言はいらないぞ」


「なぬ。バカな。一年前に海道時雨殿が書かれた論文にそのような記述は」


「時雨の場合はその量がわけのわからないくらい多いんだよ。だから、時雨は別個にして魔術論理を書いている」


「ですが、佐々木君の言葉もあながち間違ってはいませんよ。実際に、魔術が完全に確立されたとされる七十年前から二十年ほど前までは佐々木君の意見が一般的でした。これについて皆さんの副担任である里宮先生に聞いた方がいいかもしれませんね」


愛佳さんがこの場にいたらこの先生はいろいろと大変なことになっただろうな。


「コップから水が溢れるように、魔力は常に皆さんから溢れています。溢れた魔力は魔力粒子に還元され、世界を回ります。そして、皆さんの体の中に戻り、動くエネルギーや魔力となります。魔術というものはこの世界を一生回し続けることが可能なエネルギーなのです」


一般的にはそう言われているが、オレはそれに関しては首を傾げることしかしない。


魔力粒子は体内を回りエネルギーともなる。そのエネルギーは動くことで消化される。だったら、そこで使われたエネルギーは魔力粒子に転換されるのだろうか?


オレが考えた結果が転換されないというものだった。


魔力粒子から魔力に転換され、エネルギーとなる。ここまではわかる。身体能力強化の魔術がある以上否定は出来ない。だが、使用したエネルギーから魔力に戻すことは不可能だ。


使用されたエネルギーは熱量となって体を動かす原動力となる。だが、それは消費されるものだ。消費された魔力はどこかから増えている。それがオレの考える答えだ。大学になったらこの論文をしようかと考えている。


「では、今から防御魔術について実践しましょう。イメージは盾又は壁です。防御魔術は身を守る際にはとても使えるものなのでしっかりやりましょう」


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