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新たな未来を求めて  作者: イーヴァルディ
第三章 悠遠の翼
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第四話 合流

アクセス数がついに300000を突破しました。まさか一年でここまで行くとは思わず感無量でもあります。最初は一年間でアクセス数100000に到達したら御の字だと思っていたので。

「悠聖、本音を言っていいか?」


オレは孝治の言葉に頷いた。正確には悩ましそうに頭を押さえた孝治にだ。


まあ、仕方ないか。


「ただここに来るだけでどうしてここまで服が破けている」


「だから、襲われたといっただろ」


あの後、結局10を超える数だけ襲撃された。もちろん、無傷だけど、襲撃された時には全て精霊召喚符を破いている。


だから、今日だけで100以上の精霊召喚符を破いたことになれ。


「というか、音界ってここまで治安が悪かったのか?」


「治安が悪くなったのはつい最近だ。政府レジスタンスは今まで政権に対する部隊だったが、あの後から歌姫に対するレジスタンスも現れてな、そいつらが山賊だ」


「なるほどな。そいつらが精霊召喚符を」


「違う」


孝治のはっきりとした否定の言葉にオレは目を疑った。


「精霊召喚符の出所は未だにわかっていない。俊也と冬華の二人が必死に探してはいるが芳しい報告はないな」


「じゃ、一体どこの組織が精霊召喚符をバラまいているって言うんだよ」


オレの言葉に孝治は首を横に振った。


確かに、孝治に言っても何もわからないだろう。どこの組織がやったかだなん詳しく調べなければわからない。


俊也はともかく、冬華なら詳しく調べてくれるだろう。


「式典参加のためにこちらはメンバーが豊富だ。問題はないだろう」


「まあ、第76移動隊の半分近くはここにいるからな。つか、攻撃過多だろ」


「今更だな」


そうだけどな。


「それにしても、今日は静かなんだな」


多分、オレの周辺のことだろう。こういう場でもあの二人は普通に姿を現して話しかけてくるからな。


「音界だと魔力消費が激しいらしいな。優月もアルネウラもそれほど上位の精霊じゃないから維持が難しいらしい」


「優月は天界の精霊王の娘じゃないのか?」


「精霊は基本的に年を取れば取るほど能力が上がっていくんだ。ルカがかなりの別だけど、ディアボルガや俊也の精霊達は年齢は四桁に達しているからな」


ルカだけははっきり言うなら年齢がおかしい。どれくらいおかしいかと言ったらアルネウラより5歳くらいしか変わらない。


ただ、ルカの能力がアルネウラよりも強力なものであるため並み居る光属性精霊を簡単に倒したから最上級精霊となっている。


だから、剣聖なのだ。魔術に関してなら言わずもがなだが。


「アルネウラもかなり強そうだが」


「単体での戦闘向きじゃないからな。アルネウラが中級なのは単体での戦闘で決まるから。アルネウラの最大の特徴は一回しか使えないが極めて凶悪な精霊の技がある上にサポートに入ったら能力を極めて高くするからな」


そもそも、アルネウラは単体での戦闘に全く向いていない。


「精霊とは奥が深いな」


「精霊に勝てたお前が言うセリフじゃないよな?」


孝治はルカに単体で勝ったことがある。もちろん、激戦というより死闘という言葉が正しいかのような戦いだった。


ちなみに、それから1ヶ月程度ルカは音信不通になってリベンジして勝ったが。


「オレは精霊にすらまけるつもりはない」


「お前の実力ならそうだけどな。で、今の状況は?」


オレは近くの椅子に腰を下ろした。対する孝治は鍛えるためか空気椅子をしている。というか、確実にルカに負けたことを気にしているよな。


孝治は涼しげな顔で口を開く。


「式典までは1ヶ月程度あるが、出席する行事がかなり多くてな。俺も光もひたすらスーツを着て走り回っている」


「スーツ着て走り回っているのはおかしいだろう」


「こういう時に周がいたなら良かったが」


「あいつは世界を飛び回っているよ」


オレは小さく溜め息をついた。


あいつの大変さはオレ達では想像がつかないほど飛び回っている。確かに、それは周隊長にしか出来ないことだが、周隊長はひたすら説明をしている。


オレ達より遥かに大変なはずなのに。


「ああ。俺には無理だ。愛想笑いは」


「そっちかよ」


「光が役者だから安心だが、オレに愛想笑いは出来ない。悠聖、変わってくれ」


「アルネウラのことを考えろよ」


優月ならともかくアルネウラなら確実に騒ぐだろう。威圧するならディアボルガを連れていけばいいけど。



オレは軽く小さく溜め息をついた。溜め息をついて孝治を見ると、孝治の足が少し震えている。ただ、まだまだ大丈夫なのか顔は平気そうな顔をしていた。


「なるほど。なら、仕方ないか。アルネウラに頼めばどうにかなると思うか?」


「仕方ないとか言っておきながらそう言うのかよ。まあ、アルネウラは拒否するし、オレも拒否する。アルネウラは大切な、その、彼女だからさ。オレが拒否するというか」


「熱々だな、お前ら」


「お前にだけは言われたくはないぞ。オレは未だにイニシャルDだし」


そう言うと孝治は思いっきり鼻で笑った。鼻で笑って笑みを浮かべる。


「ベットの上にいるからこそ、光の本性げぐっ」


そして、上から本棚が落下してきて孝治を押し潰した。孝治だからこの程度で死ぬわけはないが、オレは天井近くを見上げる。


そこにはにっこりと笑みを浮かべ『炎熱蝶々』で浮かび上がっている光の姿があった。怖すぎて光様というべきだろうか。


「悠聖、今の言葉は聞いていなかったやんな?」


「イエス、マム!」


思わずそう言ってしまうほどの威圧感。最近の光はまた一段と成長したような気がする。


今までは絨毯爆撃による殲滅だったのが今では状況に応じた行動の変化が上手くなってきた。学園都市騒乱で何か得るものがあったのだろう。


ちなみに、全部孝治から聞いた話だ。


光はそのまま『炎熱蝶々』をはためかせて本棚の上に座った。


「無愛想だとわかっているんやけど、孝治は少し他人を怖がりすぎや」


「孝治なら普通に話せると思ったんだけどな」


「それやったら孝治が隊長になってる。孝治は会議になったら極端に発言が少なくなるからな。まあ、時々的確に指摘するけど」


「まあ、孝治は鋭いところはあるからな。で、何かあったのか?」


オレは軽く肩をすくめた。光はにっこり笑みを浮かべたまま本棚から飛び降りる。


「襲撃。悠人が狙われたらしいからうちと楓で空を見回ってた」


「悠人が? メリルじゃなくて?」


メリルなら歌姫だから狙われる可能性は無きにしも非ずだけど、悠人が狙われたとするなら明らかにおかしい。


そもそも、悠人があそこにいると知っているのはかなり限られたメンバーだ。だから、悠人を狙うということは内部犯の仕業ということにはなる。


「そもそも、そこまで侵入するのがすごいよな。あそこは基地の真っ只中だと言うのに」


「気づかれずに入ったらしいからな。出来るとしたら孝治くらいちゃう?」


「制約で無理なんじゃないか?」


「それもそうやな」


じゃ、一体どうやって入ったかはかなり気になるところだ。オレは小さく溜め息をついて窓から空を見上げた。空に浮かんでいるのは巨大な真っ黒な戦略級航空空母。


名前は確かベルトランだっけ。


ベルトランは音界最大級の空母の一人で搭乗可能な総フュリアス数は約80。


「レジスタンスでも出たのか?」


「最近はレジスタンスの活動が活発になっているからな。政府レジスタンスなら政府に関係する場所しか襲わんけど、山賊まがいのレジスタンスは普通に街を襲う。そいつらに対してはメリル自ら容赦しないように命令が出ているで」


「なるほどね。でも、ベルトランが出たということは首都の戦力は激減するよな?」


ベルトランがだんだん小さくなっていく。


エスペランサほどではないが、その速度はかなり速い。


「大丈夫やろ。首都を襲う人間なんておらんやろうし」


「そうであることを祈るよ」


オレは軽く肩をすくめて光の言葉に応えた。


こんな時に襲撃があったならオレ達も出ればいい話だ。


「まあ、今はゆっくりしておけば」


ぞわっとオレの背中を何かが撫でるような感覚。その感覚にオレは思わず振り返っていた。だけど、そこには誰もいない。あるのは入ってきた扉だけ。


いや、いないんじゃない。距離があるからだ。直接は見られていないはずだ。


「悠聖、どうかしたん?」


「ちょっと出かけてくる。すぐ戻るから孝治は動けるようにしておけ」


オレはその言葉を残して走り出した。もちろん、今の感覚を説明することは出来ない。というか、説明しろという方が無理というものだ。でも、今の感覚は間違いじゃない。


部屋から飛び出して正面にある窓を開けて身を乗り出した。そして、そこから飛び降りる。場所は二階だから着地は簡単に出来るが、周囲にいた通行人が何事かとオレを見てくるのは気にしないでおこう。


「どこだ。どこから見ていた」


そのまま身体強化魔術をかけて近くの建物の屋上に飛び上がる。そして、周囲を見渡した。そして、同じような感覚が今度ははっきりとわかる。場所は首都にある城の方角。


「何が何だかわからないけど、ともかく向かってみよう。ルカ、準備を頼む」


オレは建物の屋上を蹴って目的地に向かって走り出した。

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