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新たな未来を求めて  作者: イーヴァルディ
第二章 学園都市
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第百十六話 フェアリー・ダンス

最近はいろいろと忙しく他の作品の更新が全く出来ていません。originの方はレヴァンティンモードⅧの本当の形態が出るまで休載ですが、星語りは単純にストーリーが思いつかないだけです。このストーリーは時間がある限り更新していきます。どういう筋道にするかは決まっていますので。

月光のみが映し出す世界。それは、学園都市の中でも特別な時間。


そんな世界の中で一人の少女は片手に握る刀と共に動き回っている。


黒き軌跡と眩く銀に光る軌跡と共に少女はまるで舞を踊るかのように自分の中で想定している仮想敵を相手に動き回っている。


斬る。払う。刀を使った簡単な動作だけじゃない。時には突いたり体当たりしたり蹴りを入れたり様々な攻撃を使って動き回る。だけど、時には防御の姿勢も入る。


何もわからなければおかしな動きにしか見えない。だけど、それがわかっている人から見れば仮想敵の実力がわかる。そして、動き方も。


仮想敵の武器は槍。そして、速度は速め。実力はS相当。自分の持てる技術を使って動いている。


亜紗の剣技は白楽天流だ。白楽天流は白百合流の原型のためよく似た部分があるし、オレも白楽天流はかなりやっている。白楽天流は基本的に一撃必殺。でも、実力者との相手は一撃必殺なんてできない。


それがわかっているからこそ、亜紗の剣技は一撃必殺の白楽天流を高速で行動することで一撃必殺の一撃を連続で放つようになっている。その速度は白百合流に匹敵する。


その手に持つ七天失星の柄を握り締め、鞘に収める。そして、紫電一閃を放つかのように腰を落とし片足を前に出す。居合の構え。


でも、オレは知っている。この構えは居合抜きにしては姿勢が高い。そして、亜紗はそれを狙っていない。


振り抜かれた刃は神速。だけど、それには速度が最大まで乗っていない。でも、これからが本番だ。振り上げた刃をほぼ同速度で振り下ろす。


白楽天流の二番目に最大の技『鬼一文字(おにいちもんじ)』。


振り上げた刃を同じ速度で振り下ろす。ちなみに、白百合流の無常の太刀、無名の太刀のコンボに似ているが、威力はこっちの方が高い。


鬼一文字の後に亜紗はすかさず鞘に七天失星を鞘に収めた。そして、鞘から抜き放つ。


その放たれた刃がどう見ても十にも及ぶ連撃にしか見えなかった。


七天抜刀(しちてんばっとう)


白楽天流最大の技にして一振りでの攻撃では一番威力の高い技。

でも、本来の技には遠い。本当なら十五の斬撃が放たれるはずだから。


「だいぶ、技の完成度が上がってきたな」


オレはそれを機に物陰から出て亜紗に話しかける。


『見ていたんだ』


「軽く走っていたら見かけただけだよ。相変わらず、練習しているのか?」


『うん。私だけの剣技を』


そう言いながら亜紗が七天失星を鞘に収める。


今のままだとまだまだ未完成だ。亜紗の本当の剣技、フェアリー・ダンスは完成していない。でも、フェアリー・ダンスがもし完成したなら、それは究極の戦闘技法になるだろう。


「ブラストドライブを発動すればいいんじゃないか?」


『ブラストドライブはあまり使いたくないから。私のブラストドライブ、フェアリー・ダンスは危険だし』


「そうは思わないな。使い手によって大きく変わる。まあ、今の状況でブラストドライブは危険ではあるけど」


でも、土壇場での戦闘ではオレも亜紗もオーバードライブではなくブラストドライブを信用している。オーバードライブはブラストドライブでもどうにもならない時の最終手段だから。


オーバードライブの危険性がわかったのはオレ達が狭間市から学園都市に戻って数ヶ月後のことだった。


その原因となったのがオレの体だったりもする。


オーバードライブのさらに上をいくデュアルオーバードライブを行ったオレの魔力のバイパスがことごとく破壊されたため、時雨が調べてみたらしい。


結果はオーバードライブは悪影響を与えるとても危険なものだと判明した。寿命を削る可能性だってあるから。だから、オーバードライブに関してはあらゆるデバイスにリミッターが取り付けられている。


実際に、オーバードライブを使った後遺症は特に、オレ達みたいな子供から使っていた面々に大きく出ている。特にオレなんて『強制結合』がなければ魔術の使用は難しいと言われるくらいに後遺症が残っている。


『周さんこそ、最近はブラストドライブどころかドライブモードになっていないよね?』


「まあな。実際、ドライブモードになる状況が珍しいし」


『周さんのお父さんとの戦いでも使わなかった。周さんは何を考えているの?』


それに関しては孝治にも聞かれた。オレは小さく溜め息をついてゆっくり頷く。


「まあ、簡単に説明するなら奥の手を出さない、ということかな?」


『奥の手?』


「ああ。レヴァンティンモードⅧの本当の形態。まあ、亜紗にはまだ見せてなかったっけ」


亜紗がこくりと頷く。レヴァンティンモードⅧに関しては調整のために何度も音姉や孝治とは手合わせしたから二人はよくわかっている。


ただ、親父達と戦った時は待機状態のレヴァンティンモードⅧを使ったから本当の姿は親父にはバレていないはずだ。おそらく、待機状態を本当の姿だと思っているだろう。


「とりあえず、結界を展開して」


オレは足下に魔術陣を展開して結界を展開する。この結界は視界を塞ぐと共に防音にも優れている。専用の機器が無ければ中の様子が全くわからないくらいに結界術の中でも上級のものだ。


そして、オレはレヴァンティンを取り出した。






「レヴァンティンモードⅧとレヴァンティンモードⅨね。まあ、あらゆるデバイスの中で最も異色で最も最高のデバイスだから出来るであろ機能だろうな」


慧海が手に持つ資料を向かいに座っているギルバートに渡した。ギルバートはそれを見ながら小さく頷く。


「やはり、伝承は確かに記録していたようだね。特に、レヴァンティンモードⅨは」


「まあ、遥か昔にあったとされる北欧神話。その中にある九つの世界を滅ぼしたとされる力の名前。それを持ったデバイス。そして、そのデバイスは九つの形態を持つ。ギル、お前から見てレヴァンティンモードⅨの真の形態はシュナイトフェザーやラファルトフェザーよりも強力だと思うか?」


「愚問じゃないかな。比べるなら慧海の『飛翔』の方だと思うよ。でも、レヴァンティンモードⅨは」


「最終手段だろうな。つか、レヴァンティンモードⅨについては周に言うなよ」


その言葉にギルバートが資料を手にしながらキョトンとしていた。


「だってよ、周はレヴァンティンモードⅨについて知らないから」


「すまない。君が何を言っているのか頭が理解出来なかったよ。もう一度、お願い出来るかな?」


その前の言葉によってはとても失礼な言葉になるが、今回は正しい言葉でもある。


レヴァンティンは周をマスターと呼ぶ周のデバイスだ。だけど、そのデバイスの機能を周は知らず、慧海が知っていることがおかしい。そもそも、慧海よりも先に周がレヴァンティンを知っていたから元々知っている可能性もありえない。


「だから、周はレヴァンティンモードⅨについては知らないんだよ。レヴァンティンが個別に連絡を飛ばしてきたからな」


「どうりで。確かに、これを周が知ったなら単体では戦闘出来ない形態は破棄するだろうね」


「そういうこと。サポートに関してはあらゆるデバイスを凌駕するレヴァンティンが自身の機能強化ではなく、他者の機能強化にのみ働く形態。これはこれで面白いものだけどな。新たなデバイスの理論にもなる」


慧海の言葉にギルバートは頷く。


資料の中のレヴァンティンモードⅨは今まで武器の形をしていた他の形態とは異なる全く新しいタイプの形態だ。この形態の理論を提唱した人はいくらでもいる。でも、NGDですら出来ない理論ばかりだった。


「ねぇ、慧海。このレヴァンティンモードⅨの形に僕は見覚えがあるんだけど」


「だろうな。サイズや形が同じだけだと思いたいな」


「そうだよね。もし、これが本当にそうだったなら」


ギルバートの言葉に慧海は頷いた。


「世界中の集積デバイスを集めたものですら足下にも及ばないほど人智を越えた処理速度を持つ最強のデバイスが完成するな」

何となく重要な話を織り交ぜて見ました。レヴァンティンモードⅨについてはまだまだ出ません。ヒントを出すなら正の言葉を見返していただければあります。

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