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新たな未来を求めて  作者: イーヴァルディ
第一章 狭間の鬼
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第二百四十四話 周の戦略

どっちかというとこっちの戦いがメインですかね。

ギルバートは一人走っていた。時雨から提案された作戦が、周回状にギルバートと慧海が回り込み、残るメンバーが正面から衝突するというものだった。ちなみに、時雨だけは居座るらしい。


ギルバートは小さく息を吐く。


「音姫さんが来れば、少し辛いかな」


ギルバートは音姫には勝てない。それは、かなりの人がしる事実だった。勝つにはかなり分の悪い賭けをする。だから、勝つことは不可能だと言ってもいい。


「だけど、僕は第一特務だ。ただで負けるわけにはいかない」


第76移動隊の中で音姫さえ封じることが出来れば、第一特務の勝利は揺るぎないとギルバートは感じている。それほどまでに音姫は強い。


強いからこそギルバート自身で止めることを決めていた。


「例え負ける戦いだとしても、僕が食い止めている間に慧海が戦場を支配する。そうなれば、僕達の勝ちだ」


小さく呟きながらギルバートは地面を駆ける。そうしていると、前方に森が現れた。躊躇することなくその中に入る。


「誰かいる」


気配を感じとる。前方に誰かいる。鋭いような殺気を向かって来るギルバートに向けていた。


場所は森の中にある開けた地形。ギルバートは白の刀の柄を握りしめ、その開けた場所に飛び出した。


目の前にいるのは亜紗だ。


「音姫さんじゃない? でも、好都合」


亜紗が身構える。それに対してギルバートも身構えた。


「君は僕に勝てない。だから、この場で倒させてもらうよ」


亜紗の手の中に現れる綺羅と朱雀。その瞬間にギルバートは地面を蹴っていた。いつもの力でいつものように一歩で距離を詰めたまま刀を振る。


『GF』最速のギルバートはそれだけで十分だ。いや、十分なはずだった。


振り切った白い刀は亜紗に当たらない。亜紗が動いたわけじゃない。ギルバートが予想より動いていなかったからだ。


ギルバートが目を見開く。その瞬間、横手から誰かが飛び出してきた。


すかさず地面を蹴ろうと力を込める。だが、体が重い。その理由を飛び出してきた人物の顔を見て理解した。


「重力魔術か」


由姫が振った拳がギルバートの体を捉え、吹き飛ばす。ギルバートは上手く着地するものの、確実なダメージを感じていた。


「卑怯かもしれませんが、二対一で戦わさせてもらいます。そうしないと、あなたを止められないので」


「最初から、僕は周の手のひらで踊っていた感じだね」


まさか、見事に不意打ちを決められるとは思わなかった。周がギルバートの動きを完全に推測していたのだろう。


「いいよ。二人の挑戦、受けてたつ!」






「風迅一閃!」


慧海はすかさず放たれた衝撃波を受け止めようと右に持つ無骨な剣で受け止めようとする。だが、風迅一閃は受け止めようとした剣をくぐり抜けて慧海の体を強く打った。


「くっ、鎧通しか」


後ろに下がろうと足をやった瞬間、目の前にいた人物が加速した。そして、周囲に同じ人物が現れる。東西南北に一人ずつ。


その刹那に慧海は障壁魔術を全方位に展開していた。通常は絶対防御。だが、相手は止まることなく動いていた。


「白百合流四方奥義」


慧海の背中に汗が流れる。


「琥珀霧消!」


その瞬間、慧海の周囲にあったあらゆる障壁魔術が砕け散り、斬撃の嵐が慧海の体を吹き飛ばした。


「んな技知らんぞ!」


地面に着地すると同時に慧海が無骨な剣を振る。すると、無骨な剣、まるでほどけたように分解して鞭のように相手、音姫に迫る。


音姫はすかさず後ろに下がった。


「琥珀霧消は実戦だと初めてですから」


「防御系魔術を砕く能力とはな。しかも、白百合流姿隠し『朧』まで使ってくるなんて。というか、使えたのかよ」


慧海は素早く剣を戻した。そして、柄を握り締める。


「まさか、偶然お前とエンカウントするとはな。まあ、作戦は成功か?」


「どうかな?」


音姫が地面を蹴る。一瞬で距離を詰めようと地面を蹴る。慧海はすかさず魔術陣を大量に展開した。そのずベ手がスターゲイザー・レイン。だけど、音姫はさらに早く動いた。


慧海はスターゲイザー・レインの発動をしながら左手で虚空の中に手を突っ込んだ。


音姫が四人どころか八人に分かれる。


「お前を使うぜ!」


虚空から取り出したものは蒼い剣。それを慧海は振り切った。その瞬間、蒼い炎が周囲に包み込んだ。


ちなみに、観客から見た光景は蒼い炎を出す巨大な爆炎だった。


だが、慧海はそれだけじゃ止まらない。そのままある方向に向けてスターゲイザー・レインを叩き込んだ。


これが慧海の最大技と言っても過言ではない。この技を食らえば、一定範囲内にいる誰もがやられる。


慧海は蒼い剣を右手に取りだした鞘の中に収めた。そして、小さく息を吐く。


「さすがに、音姫でも。げっ」


土煙が晴れた先にポニーテールをくくるリボンを外した音姫の姿があった。ちなみに、完全な無傷だ。慧海でなくても声を上げるだろう。


「弟くんの作戦。主力メンバーで最重要人物を抑える。私は慧海さん。弟くんの作戦通りかな」


「最初からオレ狙いということかよ。ちっ、まさかそう来るとはな。でも、オレだってだてに」


かっこつけようと慧海が口を開いた瞬間、音姫が光輝を鞘に収めた。


「一撃必殺。さっさと倒して、由姫ちゃんの助けに行く! だから、一気に倒す!」


「オレに何か話させろ!」

ちなみに、残りメンバーは残りのメンバーと戦います。次の話で戦わせます。

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