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新たな未来を求めて  作者: イーヴァルディ
第一章 狭間の鬼
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第一話 呼び出し

ネット上に文章を出すのは初めてなので、おそらく駄文になるかと思いますが、長さだけはおかしな長さを誇るかと。

構想だと第一章だけで1200分オーバー。

構想だと外伝含め全九章。10000分を目標に頑張ります。いつ終わるかわかりませんが。

「周、お前はどうするよ?」


急に話しかけられたオレはキョトンとしながら話しかけてきた奴の顔を見た。


簡単に言うなら軽そうな感じの顔だ。中学生になったばかりの少年が外見を気にしていたらこうなったという感じの。


ただ、こいつの胸の中にある信念は決して軽くはない。軽くはないのだが、いろんな意味で軽いんだよな。こいつ。


「どうするって? ああ、あれか」


オレはこいつが言おうとしていたことに気づき、机の中から一枚の紙を取り出した。そこに書かれているのは新規正規部隊の申請書。すでに項目のほとんどは埋まっている。


「新部隊のことだろ。今は評議会の爺共を説得している最中だ。あいつらは保身にかけては人一倍動くからな。ちょっとくらいは融通聞かせろっての」


「確かに。んで、どうするつもりだ? このままだと通らないのは今までの経験でわかっているだろ。孝治に回すか?」


「そんなことわかっている。今のままじゃ駄目ってことも。孝治に回したとしても、味方に出来るのは三割が限度だ。無理がある。」


オレは小さく溜息をつきながら一枚の紙を見つめる。


オレ達にとって幸いだったのは部隊を作るための登録をする機関とオレ達が所属する機関、『GF』の最高意志決定機関は別物であるということ。どうして違うかを説明するなら、最高意志決定機関である評議会は人一倍に保身に熱心だからだ。


例えば、『GF』のとある部隊が犯罪を犯したとしても、評議会が認めていない部隊だとすれば『GF』にとってはその部隊は『GF』のものではないと答えることが出来る。


つまり、登録機関が勝手に承認したからと言えるのだ。それを今回は逆手に取った。つまり、登録は全て済ませてある。


「これには『GF』の主要上層部の推薦を全て受けているとは言え、評議会の承認を得られないならただの紙となる。それは悠聖、お前もよく知っているだろ」


「ああ。あいつらの頭の硬さに何度キレそうになったか」


目の前の奴、白川悠聖が軽く肩をすくめながら答える。まあ、こいつにとって苦々しい記憶しかないだろうな。実際に、オレ達の中で評議会と喧嘩を繰り広げた唯一の奴だし。


「面倒な話を変えるか。周。この術式なんだが見てくれないか? お前なら何かとアドバイスしてくれるだろ」


悠聖はそう言いながら手のひらをオレに向ける。すると、手のひらから円の形をした幾何学模様のあるものを作り出した。簡単に言うなら魔術陣。魔術を扱うための術式だ。この魔術陣にはたくさんの魔術文字が描かれている。別に理解しなくても魔術の使用には何ら意味を成さないけど、理解している方が便利なときだってある。


オレはその魔術陣を見た。魔術文字を読み解いてこれが何かを理解する。


「新しい召喚術式か? 形を見る限り風属性?」


召喚術式用の魔術陣だから文字が多いということだ。


「正解。まあ、まだ改良の余地があるけどな。これでも『万世術士』と呼ばれる男だから、天空属性を除く全ての属性精霊と契約しないと」


現時点で七体の精霊と契約していることが驚きに値するけどな。


「ご苦労なこった。まあ、お前らしくていいかもな。ところで、新部隊の役職は何がいい?」


「一般兵。出来れば後方支援」


「言うと思ったよ。まあ、お前のポジションはよくてバック。悪くてセンターだな。フロントに出るほどの速度はないし。お前はな」


オレは小さく溜息をつきながら構想を考える。副隊長はあの二人にするとして、問題は隊員の確保だな。今のところは二人しか確保出来ない。いろんな意味で問題だ。


亜紗を呼び寄せることが出来たら楽にはなりそうだけど。


「前途多難すぎて頭が痛くなってくる」


「まあ、そう言うなって。おっ、周、通信が来てるぞ」


オレが机の上にあった通信機を見ると、確かにそこには通信が来ていることを知らせる光が点滅していた。オレは通信機に演算装置であるデバイスを繋げて回線を開く。


「寿司四人前大至急」


『立場逆じゃね?』


どうやら通信先の相手はよく似たことを言うつもりだったらしい。先手必勝と言うことでオレの勝ちでいいだろう。


「で、何か用か? 『GF』の最高幹部である『GF』総長海道時雨殿?」


『呼び出しって言っても、どうせお前らは来るしな。じゃ、一時間後に連れてこれるだけの新部隊の隊員を連れて部屋に来てくれ。話の中身はそこで話すとするから。まあ、驚くだろうな』


時雨はそう言うと通信を切った。驚くと言うからには絶対に何かある。本音を言って行きたくはないが、あれでも一応は上司だ。


オレは小さく溜息をつきながら机に突っ伏した。少しくらいは楽にしていいだろう。


「厄介事の類に賭ける」


オレがにやりと笑みを浮かべて悠聖に向かって親指を立てる。今回も先手必勝。


「いきなり本命を取るなよ。なら、オレは依頼で。賭け内容は周が決めてくれ。どうせ、オレが決めたらヌルい内容になるだろうし」


その言葉にオレは笑みを浮かべて頷いた。


「お前が副隊長になるかどうか」


「えっ?」


悠聖が固まり、そして、真っ青になる。オレに任す方が悪いからだけどな。


「じゃ、孝治を探しに行こうぜ」

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