幕間 とある会話 その1
今回は少し変更して書いてみました。幕間なので短いですが、全てリリーナと鈴の会話です。時期は春祭りの直前です。
「ねえ、鈴って悠人に惚れているのかな?」
「ふえっ? り、リリーナさん。急になんですか?」
「どうしても」
「えっと、えっと、ううっ」
「やっぱりなんだ。悠人のどこに惚れたのかな?」
「えっと、最初、宝の地図を真剣に信じてくれて一緒に探してくれているところに惹かれて、一緒にいるうちにいつの間にか」
「あははっ。鈴の顔真っ赤。でも、悠人は渡さないよ。悠人は私の命の恩人なんだから」
「リリーナさんも悠人のことが?」
「そう。あの時、死んだと思った時に颯爽と助けに来てくれた。鎧を身にまとい、空に浮かんで私が苦戦していた相手を簡単に倒した。その時私は思ったの。王子様だって」
「ロマンチックですね。羨ましいです。私はそんなことありませんでしたから」
「きっと鈴にもあるよ。だから、悠人を私に頂戴」
「お断りします。私だって、悠人のことは、す、好きですから。絶対に手放したくありません」
「あははっ。それでこそ私のライバルだよ。でも、悠人は渡さない」
「私だってそうです。リリーナさんには負けません」
「リリーナ。さんは付けなくていいよ。いや、そんな困った顔しなくてもいいのに」
「でも、私は」
「私と鈴は友達だよ。ライバルだけど、友達。鈴があっという間に悠人に惹かれたように、私も悠人に惹かれている。でも、私は鈴のことも好き。近くにいてわかるけど、優しい子だから」
「えっ? うん。よろしく、リリーナ」