表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新たな未来を求めて  作者: イーヴァルディ
第一章 狭間の鬼
114/853

幕間 シンクロとユニゾン

久しぶりの更新です。

現在、今までのを加筆修正中なので最新話はゆったり更新するつもりです。


時雨は小さく溜息をついていた。


原因は目の前にある一枚のカード。このカードには絵柄しか書かれていない。ただ、問題点を上げるとするなら、これが半端じゃないほどの魔力を有していること。


時雨はまた溜息をついて部屋のドアの近くに立っている女性に話しかけた。


女性はきっちりスーツを着こなしており、髪は短く、メガネの形が印象的だ。冗談抜きでの瓶底のメガネ。


「フィルア。その方向は本当なのか?」


フィルア・ラカンル。


『GF』の総長である時雨の秘書で、まだ20代半ばのエリートだ。


「はい。これは精霊召喚符と呼ばれていました」


時雨は精霊召喚符と呼ばれたものを手に取った。そして、呆れたように溜息をつく。


「シンクロではなくユニゾンをする精霊ね。オレの概念じゃないけど?」


精霊とするのはシンクロ。それは世界の常識だ。


シンクロは召喚者が精霊と同調を高めて一時的に一緒になることを言う。精霊を取り込み自らを精霊化させるのだ。もちろん、体の動作は召喚者がほとんど行う。


もちろん、力は強化される。ただ、その召喚者がシンクロ中に死んだとしても精霊が死ぬことはない。とある事例を除いて。


「さらには、召喚者が死ねば精霊も死ぬ、か。シンクロの最終形態ではあるまいし」


シンクロの最終形態がシンクロ率が完全であることだ。つまり、シンクロ中の召喚者が傷つけば精霊も傷つけ、死ねば死ぬ。


その代わりなのかわからないが、絶大な精霊の力を使いこなすことが出来る。普通のシンクロと比べものにならない。


「今のところ、確認が出来たのは3ヶ国。その内の一つは日本です」


「ったく、今日に狭間の事件が終わるというのに新たな事件かよ。被害者は?」


「すでに6人出ています。どれもが複数のユニゾンを起こしたことによる暴走です」


一体、このカードにどんな力があるかわからない。だが、複数のユニゾンを起こせる危険なものであることは確かだ。


シンクロは一体としか出来ない。


「被害は?」


「まるで、戦闘ランクの高い魔術師が暴れたようでした。暴走を止めるために、すでに18名の殉職者が出ています」


あまりに被害が大きすぎる。出来るだけ早くにこのカードの出所を突き止めないといけない。


「それにしても、戦闘ランクの高い魔術師が暴れたよう、ね。ユニゾンの方が同調率は高いけど、シンクロには及ばないか」


時雨は知っている。本当のシンクロが出来る人を。それが起きた場合、そんな優しいものじゃ済まない。


一番被害が小さくて、半径200mに氷山が出来上がったのを見たことがある。


本当のシンクロはよほどの実力者でない限り止められない。


「高位戦闘ランクの面々を各地にばらまくしかないか。フィルア、第一特務全員の書類を」


「第一特務をばらまくのですか?」


フィルアは大いに驚いていた。その気持ちはよくわかる。第一特務というのは『GF』の最終防衛ラインだからだ。


「ああ。出所がわからない以上、被害を少なくする方が先決だ。ただ、そんなレベルとなると犯人は絞れてくるけどな」


「わかりました。すぐに書類を用意します。では」


フィルアは時雨に向かって礼をするとそのまま部屋から出て行った。


時雨は小さく溜息をつきながら手にある精霊召喚符をよく見つめる。時雨が見ているのは精霊召喚符に書かれてある魔術陣だ。


「このレベルなら世界でもトップクラスの魔術師か魔術器だな。はあ、これを詳しく調べるためには世界最強の精霊召喚士に尋ねた方がいいな」


時雨が小さく溜息をついて立ち上がった。


「ちょっくら出かけるか」


後半のキーワードです。

シンクロとユニゾンの二つが後編の話に関わってきます。

他にも狭間の鬼や『ES』など前編の話も関わってきます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ